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2025.10.20
硬式野球

[硬式野球] 髙中の本塁打で一時逆転、打線の粘りが光るもあと一歩及ばず激戦を落とす 決着は明日の第3戦へ/青学大2回戦

[硬式野球]東都大学野球 秋季1部リーグ戦・青学2回戦

10月15日(水)明治神宮野球場

○東洋大4ー0青学大


東洋大
青学大×


島田、桝川、金綱ー政所、高山


・打者成績

打順守備名前打数安打得点打点
(一)髙中一樹(総2=聖光学院)
(二)吉田元(営4=龍谷大平安)
(三)池田彪我(営4=三重)
(右)花田旭(総4=大阪桐蔭)
(左)山田隼(総3=木更津総合)
(遊)宮下朝陽(総4=北海)

馬場涼輔(総3=九州学院)



(捕)政所蒼太(営4=天理)



中村瑠斗(営3=拓大紅陵)



高山亮太(総2=三重)



樫原晃樹(営3=済美)


(指)西川太基(営4=九州学院)



走→(指)金丸健司(営3=上尾)



(中)秋元俊太(済4=木更津総合)



3512


・投手成績

勝敗名前回数球数被安打四死球三振失点自責点
島田舜也(総4=木更津総合)43

桝川颯太(営3=関東第一)34

金綱伸悟(済3=木更津総合)20


ソロ本塁打を放った髙中


昨春、日大が青学大から勝ち点を挙げて以来、青学から勝ち点を取ったチームはない。王者相手に先勝した東洋大は、その勢いのまま勝ち点獲得へ向けて第2戦に挑んだ。試合は髙中(総2=聖光学院)のソロ本塁打で一時勝ち越すも、その裏に走者一掃の適時二塁打を浴びて逆転。9回に1点を返し応戦するも、4ー6で惜敗した。まさに「戦国東都」を象徴する激戦となった。


先発の島田


 島田(総4=木更津総合)の立ち上がりは制球が定まらず、連続四球が絡み1死一、三塁といきなりピンチを招いた。しかし、最後は力強い直球で三振を奪い、初回を無失点で抑えた。島田は安堵の表情を浮かべながら、仲間を迎えた。


先制の二塁打を放った宮下


 2回、東洋大の攻撃。4番・花田(総4=大阪桐蔭)が三遊間を破る安打で出塁。続く山田(総3=木更津総合)が初球で確実に犠打を決め、チャンスを広げる。そして打席には6番・宮下(総4=北海)。捉えた打球はセンターフェンス直撃の適時二塁打となった。宮下を下位に置いた打順がはまり、2日連続で青学大から先制点を奪った。

 島田も次第に本来の投球を取り戻す。3回裏、先頭打者を山田がフェンス際のファールボールを滑り込みながらキャッチ。さらに続く打者も髙中(総2=聖光学院)が一塁強襲の当たりに素早い反応を見せ、見事捕球。好守備が連発し、流れをつかんだ島田はこの試合初めて三者凡退に仕留めた。

 4回裏、先頭打者から三振を奪うも、続く初谷(青学大)に完璧に捉えられ同点に。1ー1と試合は振り出しに戻り、島田は悔しげな表情を見せた。


 勝ち越しに笑顔を見せる吉田

 

 この失点を引きずらず、勝ち越せるか。5回表、1死から髙中が逆方向に伸びる打球を放ち、左翼フェンスを超える本塁打。拳を突き上げ、喜びを爆発させた。その後、吉田(営4=龍谷大平安)が四球、池田(営4=三重)も右安打で続き、1死一、三塁とチャンスメイク。この猛攻により先発のヴァデルナフェルガス(青学大)を5回途中で下ろした。続く花田は浅い右飛となり、吉田は本塁を狙えず2死となる。リーグ戦序盤ではここで攻撃が止まる場面が多かったがこの日は違った。続く山田がしぶとく二遊間を破る適時打を放ち、3ー1。リードを2点に広げ、青学大を突き放した。

 しかしその裏、島田が再びピンチを迎える。安打と四球で2死満塁とされ、迎えたのは5番・中田(青学大)だ。丁寧に投げ込んだ初球を捉えられ、走者一掃の二塁打で3ー4と逆転を許した。痛恨の一球に島田は唇をかみしめる。井上監督も「あそこで真っ直ぐはない」と悔しげに振り返った。それでも主将・池田は終始、仲間へ前向きな声をかけ続けていた。


2番手の桝川


 6回からは桝川(営3=関東第一)が登板。1死一、二塁のピンチを併殺で切り抜けると、7回も続投。3死をすべて空振り三振で抑える気迫のこもった投球を見せた。


3番手の金綱


 8回には金綱(済3=木更津総合)がマウンドへ。1点差のまま9回の攻撃につなげたいところだが、青学打線の積極的な打撃に捕まった。ファーストストライクを確実に仕留められ、この回2失点。3ー6とリードを広げられ、最終回の攻撃へ挑むことになった。


5打数3安打と好調の池田

 

 最終回、先頭の池田が遊撃への内野安打を全力のヘッドスライディングで勝ち取る。何としても出塁しようとする姿勢に、会場が大きく沸いた。続く花田も右安打でつなぎ、無死一、二塁と好機を広げた。花田は渾身のガッツポーズを見せ流れを引き寄せる。山田は遊ゴロに倒れるも、1死一、三塁で好調の宮下が打席へ。宮下の二ゴロの間に、三塁走者・池田が生還し、1点を返した。反撃を見せたが、最後は代打・樫原(営3=済美)が遊ゴロに倒れ4ー6で試合終了。勢いそのままに連勝を狙ったが、青学大の牙城は高かった。

 敗戦の中にも収穫はあった。山田が2度、確実に犠打を決め、得点機を演出。この一つ一つの丁寧な一打が王者・青学大相手を追い詰める原動力になったにちがいない。明日の第3戦、東洋大はこの粘り強さを武器に、勝ち点獲得へ挑む。


TEXT=山本華子、PHOTO=山本華子、福田和奏


◾️コメント

・井上監督

ーー今日の試合の打線の並びについて

オープン戦でも池田、花田、宮下を結構くっつけていたんですけど、あまり上手く回らなかったので離した方がいいのかなと思って今みたいな感じにしてます。


ーー逆転を喫してしまった島田の一球について

あそこで真っ直ぐいくヤツはいないですよね。真っ直ぐしか待っていないバッターに。まぁキャッチャーもダメですよ。真っ直ぐなんてありえないです。この間の島田もそうでしたけどああいう場面でピッチャーって投げ急いじゃうんですよ。欲しいんですよストライクが。本当は左ピッチャーに変えようと思ったんですよ。


ーー秋が始まる時に比べたら打線が良くなったように思えますがその点に手応えみたいなのは

今日はヒット11本ですけど、僕はレベルが高いですから、今日のピッチャーだったら20本くらいは打って欲しいです。僕はそれくらいじゃないと満足しないので。打てるボールはたくさんありました。それでも先週、先々週に比べたら良くはなったと思います。


ーーキャッチャーは島田投手の時は政所、大坪投手の時は高山、その点は

もちろん来年のことを考えてってこともあります。ずっと政所でいくと来年大変なので。経験という意味で。


ーー青学の3番・4番から昨日から一本もヒットを打たせていない何か作戦があるのか。

春は打たれてましたけど、おそらく調子が悪いんだと思います。それの方が大きいんじゃないですかね。配球というよりは。策というほどの策はないです。実際彼らの調子が悪いことが大きいと思います。