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2025.10.31
硬式野球

[硬式野球] 花田旭 中日ドラゴンズから6位指名!「みんなに喜んでもらえたのが、すごくうれしかった」仲間の歓喜に涙


「一球同心」の言葉を掲げる花田


バットを手にフォトセッションを行った


笑顔で会見に臨んだ


井上大監督とのフォトセッション


 いざ夢の舞台へ。10月23日、プロ野球ドラフト会議(以下、ドラフト会議)が行われ、中日ドラゴンズが第6巡目指名で花田旭(総4=大阪桐蔭)の交渉権を獲得した。


 指名の瞬間は突然だった。先に指名を受けた島田(総4=木更津総合)、宮下(総4=北海)のフォトセッションを行っている最中、会見場に映し出された中継映像から「花田旭」と名前が呼ばれた。その瞬間、チームメイトから大きな歓声が上がり、会場は一気にお祭り騒ぎに包まれた。「花田コール」が響く中、花田の目には涙が浮かんだ。不安を抱える中での指名、そして仲間からの想像以上の祝福。その涙は、喜びに満ちたものだった。

 「下位(指名)しかないと思っていたけれど、いざ6巡目まで来ると不安でいっぱいだった。その中で選んでいただいて、みんなに喜んでもらえたのがすごく嬉しかった」と、花田はその時の心境をを語った。


 野球を始めたのは小学2年のとき。家族が野球一家であり、兄は野球、姉もソフトボールをしていた。物心ついた時から、野球は常に身近な存在だった。「東都リーグという一番レベルの高いリーグでプレーしたい」との思いから、最も熱心に声をかけてくれた東洋大学へ進学。1年の秋から主力として公式戦に出場し、調子が上がらない時期もあったが、我慢強く起用してもらい、精神面でも成長できたという。大学4年となった今季は、春秋連続でベストナインを獲得した。


 大阪桐蔭高から東洋大へと進み、直系の先輩にあたる井上大監督は「正直、指名された3人の中では花田が一番厳しいのかなと思っていた。ただ私もこの会見場にいて、画面で花田の名前が出た時は本当にうれしくて、『よかった』という思いで見ていた」と語り、普段は厳しい監督の表情にも安堵がにじんだ。


 花田は188cm、88kgと恵まれた体格を持ちながら、長打力と走力を兼ね備えた「走攻守」三拍子そろったプレースタイルが持ち味だ。中日ドラゴンズの印象については「地元のファンの方々の地元愛が強い印象があります」と話し、「ファンの方には『はなちゃん』と呼んでほしい」と笑顔を見せた。


 花田の色紙には「一球同心」と記されている。これは、チーム全員の心をひとつにして、一球一球に想いを注ぎ込むという、母校・大阪桐蔭高校野球部ころから大切にしている言葉だ。この言葉を胸に、「スケールの大きい選手」を目指し、花田はプロの第一歩を踏み出した。


TEXT=山本華子


◇会見

――率直に指名を受けた心境は

下位(指名)でしかないとは思っていましたが、いざ6巡目まで来ると不安でいっぱいでした。その中で選んでいただいて、みんなに喜んでもらえたというのはすごくうれしかったです。


――DeNAで島田選手と宮下選手が選ばれたときは、どのような感情で見ていたか

2人は投手、野手として飛び抜けた才能があると思っているので、あまりびっくりはしなかったですが、同じチームだったので、少し驚きました。


――同じセ・リーグで戦う機会もあると思うが、どのようにして島田選手から打ちたいか

島田はまっすぐの速さが魅力だと思うので、そこに振り負けないように。自分もプロ野球選手として体づくりなどをやっていきたいと思います。


――思い描くのは、どんな舞台で元チームメイトと戦いたいか

リーグが一緒ということで、優勝争いのなかで戦いたいと思います。


ーー中日ドラゴンズのイメージや印象などは

梅津晃大(令1=営卒)さんや大阪桐蔭の先輩方もいらっしゃるので、ピッチャーの良さが印象的にあります。


ーー同じ中日ドラゴンズでどの選手を参考にしていきたいか

右の外野手である細川成也さんなどにアドバイスを聞いてみたいなと思います。


ーー指名された時に仲間が一斉に喜んでいましたが、東洋大学での4年間はどのような4年間でしたか

1年生の秋から主力として出していただいて、時には打てない時もありましたが、我慢強く使っていただき、気持ちの面で成長したかなと思います。


ーープロ野球選手としての目標は

自分は身長があったりを生かしてスケールの大きい選手になりたいなと思います。


ーーご自身がプロで活躍するにあたりここは負けないというアピールポイントや持ち味は

足を生かした走攻守。そこは負けないようにバランスよくやっていきたいなと思います。


――フォトセッション中に指名があり、その時涙を流しているように見えました。あの涙はどんな気持ちからの涙だったんでしょうか

不安が大きかった中で、小さい時から見ていたドラフト会議で、まさか自分の名前が呼ばれるとはあまり思ってなかったのでそこの嬉しさとチームメイトの祝福が大きかったのでそこは嬉しかったという涙だったと思います。


――大卒で1年目で入るということで、早速の目標、残したい成績などあればよろしくお願いします。

即戦力としてやっていきたいというのはもちろんなんですが、自分はまだ出しきれていないというところが大学人生でもあると思うので、そこはしっかり成長してすぐにでもチームの戦力になれるようにやっていきたいなと思います。


ーー中日ドラゴンズに指名されたということですが、ドラゴンズは2012年を最後にCSに出られず、得点力不足と言われてきました。そういったチームに入って、どういう風にチームの力になっていきたいと思っていますか

長打力というのはひとつ自分の魅力としてあると思うので、打てない時に如何に長打を出せるかであったりとか、足も自分のなかでは結構武器にしているので、そこも使っていけたらなと思います。


◇囲み取材

ーー今の率直な気持ちをお願いします。

ホッとした気持ちでいっぱいです。ここがゴールではないのでまた明日から気を引き締めてやっていきたいと思います。


ーーファンから呼ばれたいニックネームや愛称なども含め、目指したい選手像は

中日ドラゴンズの先輩である梅津晃大(令1=営卒)さんのような意識の高い選手になりたいなと思っています。ニックネームは「花ちゃん」で。


――島田選手、宮下選手と同じセ・リーグで対戦する機会もあると思いますが

お互いのことを知っている分、弱点なども知っているので、そこは伝えまくって(笑い)。しっかり抑えたり振ったりして、DeNAには負けたくないなと思います。


――花田選手から見た弱点は

宮下は気持ちの面で熱くなってしまったり、島田はのんきすぎるとかもあるので、そこをついていきたいなと思います。


――色紙に書かれた好きな言葉、座右の銘の由来やなぜその言葉を書いたのかお願いします

「一球同心」というのは大阪桐蔭時代に教えてもらった言葉です。野球はチームスポーツなのでピッチャーも野手も同じ気持ちを持って、一球に対して気持ちを込めてっていう意味で大事にしてます。


ーー中日ドラゴンズにどういうイメージがありますか

地元のファンの方であったりとか、地元愛がやっぱ強いなという印象があります。ピッチャーが良かったりだとか、そういうイメージがあるので、自分は野手ですが、そこはピッチャーを助けるなどそういったことをしていきたいなと思います。


ーー名古屋に来たことありますか?

名古屋はないですね。


ーー名古屋メシは食べたことありますか?

ないです。


ーー味噌カツなど濃い味が多いですが、大丈夫ですか?

濃い味は好きなので、食べたいです!


◇単独取材

――家族や友人から連絡はあったか

まだちらっとしか見ていないですが、お父さんと兄からは連絡がありました。


――野球を始めたきっかけ

小学校2年生のときに、家族が野球一家で、兄も姉もソフトボールをやっているような家族だったので、物心ついたころから野球に囲まれていました。


――大阪桐蔭高校を選んだ理由は

中学校時代に日本代表に選んでいただいたときに、桐蔭に進学が決まっている子が4人くらいいて、レベルの高い中でやりたいなと思ったのが決め手です。


――東洋大学を選んだ決め手は

東都リーグという一番レベルが高いリーグでやりたかったことと、東洋大学が欲しいと言ってくださっていて、欲しいと言ってくださる所に行きたかったので、東洋大学に来ました。


――心に残っている井上監督のご指導や言葉は

高校からの直属の後輩ということで、期待されていた分、厳しいことを言われることも多かったです。バッティングの指導などと言うよりも、気持ちの面で鍛えていただいたかなと思います。


――4年間のターニングポイントは

一番心に残っているのは、3年の秋の2部優勝を決めたときのホームランです。池田(営4=三重)と一緒に打てたということもありますし、その中で勝ててあの一打が一番大きいです。


――東洋大学で野球をしてきて、よかったことは

東都リーグというレベルの高いリーグで、すごいピッチャーたちと対戦できたことです。


――次のステージに向かうための意気込み

意識や技術でまだまだ足りないところがあると思うので、また一からやっていきたいなと思います。


――島田選手と宮下選手にメッセージ

同じリーグなので切磋琢磨しながら、1軍の舞台で対戦したいと思うので、お互いに頑張ろうと言いたいです。


◇井上大監督

ーー花田選手は大阪桐蔭から東洋大学と監督の直の後輩にあたると思うが、ここまで見てきて成長してきた部分はどのような点か

当然、この4年間人間的に成長してきたとすごくあるかなと思います。入ってきた時も能力が高い選手というのはわかっていて、途中ケガもありながらもほぼ試合に出て、積み重ねていく中で打席の中での修正力であったり、最後の最後足は結構アピールしてくれたのかなと思います。


ーー最後に先ほどフォトセッション中に指名された光景が2年前細野(令6卒=総)選手のフォトセッション中に指名された石上(令6卒=営)選手と全く同じデジャブみたいなことが起きましたけどもそれを見てみてどんな気持ちになりましたか

正直今日指名された3名の中では花田が1番厳しいのかなというのは私の中でありました。ただ私もこの会場にいて画面で花田の名前が出た時に本当に嬉しくてですね、よかったなというそんな思いで見てました。


――3選手にコメントを

宮下も花田も島田も共通して言えることは謙虚に感謝の気持ちを忘れず、いつもそういう気持ちを持って練習とか試合に臨めば自ずといい結果の方に結びつくと思ってるので、それは共通して言えることだと思います。頑張って欲しいです。