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“鉄紺の結束”。掲げたチームが、箱根路に挑む。
20年連続シードを守った前回大会。伝統をつないだ“結束”をもとに、今年のチームで総合5位以内を目指す。
チームを勢いづけるのは、2年生。トラックシーズンから活躍が光り、出雲駅伝では6人中5人が2年生のチームで他大学と渡り合った。
勢いのある実力者たちに、箱根駅伝へ向かう覚悟を聞いた。(取材日=12月8日/聞き手=近藤結希、鈴木真央)

◇内堀勇(うちぼり・ゆう)
――これまでの流れを振り返って
今年は全日本大学駅伝の予選会があって最初に悔しい思いをして、それを糧に夏合宿も頑張りました。下級生を中心に、下からの突き上げを意識して頑張ってきました。
――全日本予選では最終組を任されたが
(出場権ラインまでの)差が少なかったので、伝統ある出場校としてのプレッシャーは大きかったです。最終組を任されたことで、チームを4年生ばかりに任せるのではなくて、下級生でもチームを引っ張っていこうという意識を持てるようになりました。
――箱根駅伝の希望区間は
6区です。高校時代からずっと6区を走ってみたかったので、6区の東洋大記録を塗り替えたいです。
――箱根駅伝に向けての意気込み
戦況を変える走りをします。

◇陳内紫音(じんない・しおん)
――これまでの流れを振り返って
昨年は夏にけがをしてしまって練習が積めませんでしたが、今年は夏合宿も順調にできていて今も調子が上がってきているので、前向きないい感覚で準備できていると思います。
――きっかけをつかんだレースは
関東新人で勝ち切れたということは、ひとついいきっかけになっていると思います。そのあとの上尾ハーフでも3分台で余裕を持ってまとめられたり、その後の練習でも自分の状態が上がってきているのは確信できています。
ーー同級生の活躍は刺激になっているか
同期がみんな強いので、その中で自分も負けないようにという思いはあります。
ーー箱根の希望区間は
どの区間でも挑戦したいですが、6区が歴代の高校の先輩も走ってきた区間で、自分もスピードタイプで向いているかなと思うので、6区に挑戦したいです。
ーー目標は
自分が出走してチームに貢献したいですが、一番はチームが5番以内という目標をみんなで達成したいです。

◇松井海斗(まつい・かいと)
――今年のこれまでの走りを振り返って
昨年は夏過ぎからうまく練習ができなかったので、まずは1年継続して練習するということと、トラックでは5000mと10000mでベストを更新することを目標にしてきました。両方とも順調にできて、シーズンの最後に箱根駅伝に向かっていく状況なので、いい状態で向かっていけているのかなと思います。
――出雲駅伝を振り返って
出雲駅伝は自分の中で調子が良い感覚があったので、その中でうまく走れなかった悔しさと、初めて大学駅伝に出走して大学駅伝の洗練を受けた感じがします。
――現在の状態は
出雲駅伝の時よりもいい状態に上がってきて、先日の上尾ハーフでも少しゆとりを持った中でいいレースができました。最近の練習でも外すことなくできているので、自信を持ってレースに臨みたいなと思います。
――希望区間は
1区か2区で、流れを作る走りができる重要区間を走らせていただきたいです。
ーー駅伝を走る際に緊張はするか
そうですね。高校までとは違う緊張感があるので、出雲駅伝もすごく緊張しました。
ーーレース前にかけてもらった印象に残っている言葉は
お母さんからいつも言われる言葉ですが、「楽しんで走りなさい」と。楽しむ気持ちがないと上手く走れないと自分の中で感じているので、1番レースを楽しみつつ勝負に徹する言葉でもあるので大切にしています。
ーー箱根に向けての意気込み
1、2区で自分が流れを作るレースをしたいと思います。

◇宮崎優(みやざき・ゆう)
――今年のこれまでの走りを振り返って
前半のトラックシーズンはけがをしてしまって主要の大会に出場できず、チームにも迷惑をかけてしまいましたが、夏合宿からしっかり復帰をして、継続した練習を積むことができました。出雲でも手応えを感じる走りができて、ここまでいい状態で練習を積むことができています。
――夏合宿を振り返って
昨年は夏に少しケガをしてしまって、途中からチームに合流する形になってしまいましたが、今年は7月から9月までチームの合宿をこなすことができて、上りの練習も起伏のあるコースをしっかりできたので、自分にとってもだいぶ自信になった期間でした。
――希望区間は
希望区間は5区です。
――前回も5区を走られましたが、意識している点や思いは
前回も走らせていただきましたが、もう1回リベンジしたいという気持ちがあります。また、箱根駅伝はどの区間も大事ですがやはり5区はいい意味でも悪い意味でも差が生まれやすいので、前回経験したからこそもう一度チームのために走って、チームの目標である5番以内に貢献する走りをしたいと思います。
――自身の上り適性への手ごたえは
今年の2月の30㎞の大会にも出させていただきましたが、起伏が多い中でも上りに対してリラックスしながら傾斜を走れていたので、そういう部分では適性があるのかなと思います。
――箱根駅伝に向けて意気込み
昨年より練習も積めていて、自信もあります。走りにも手応えを感じているので、本番はどこの区間を走るか分かりませんが、どこになっても自分の強みである粘り強い走りやスタミナを活かして、シード権とさらに、5位以内をしっかり目指したいなと思います。チームとしても勢いがついてきているので、全体で「鉄紺の結束」のスローガン通りチーム全体で結束力を高めて、チーム力で箱根駅伝を戦っていきたいなと思います。

◇迎暖人(むかえ・はると)
――これまでの流れを振り返って
今年は、春先は調子が上がらず思うような結果が出ませんでしたが、6月の青森記録会から調子が上向いてきて、夏合宿も予定通りこなせました。先日の記録会でも夏の成果が出て28分30秒がしっかり出たので、調子は上がってきていると思います。
――前回大会を振り返って
前回は自分が流れを変えたというよりは、4区の岸本さんにつなげるという走りだったので、もし悪い状況で来ても、自分一人でも戦況を変えられるような走りをしたいなと思います。
――チームの雰囲気や2年生世代の活躍をどのようにとらえているか
2年生の活躍は4年生や3年生が引っ張ってくださるからだと思います。先輩が引っ張って、後輩がついていくという立ち位置がしっかりあるので、チームの雰囲気はすごくいいと思っています。
――特にチームを引っ張っている選手は
練習だと、最近は西村真周(総4=自由が丘)さんが先頭で走ることが多いです。「俺についてこい」といわんばかりに、ガンガン前に出てペースを上げたりするので、すごく頼りになる先輩だと思っています。
――4年生と走る箱根駅伝は最後になるが
前回大会は走れない4年生がいる状況の中で、みんなが「4年生のために」と思ったことでシード権を取れたと思います。このチームで走るのは最初で最後ですが、今年も4年生のためにと思ってこの1年間やってきたことをつなげられるようにしたいと思います。
ーー箱根駅伝に向けて
昨年は後半の10㎞でタイムを落としてしまったので、今回は前回以上の走りをして区間上位を狙うとともに、もし3区を走るのであれば東洋大記録の更新も狙っていきます。

【学年PHOTO✨】

壮行会に参加した2年生たち
(上段左から馬場アンジェロ光、陳内紫音、永井孝明、迎暖人、宮崎優、松井海斗、内堀勇)
PHOTO=髙梨美遼、柿本茉緒、戸邉花音

