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第47回東京スイミングセンタージュニア優秀選手招待公認記録会
11月20日(金)東京スイミングセンター
タッチし笑顔を見せる萩野
萩野(文3=作新学院)がプールに帰ってきた。東京スイミングセンタージュニア優秀選手招待公認記録会に出場し、6月に右ひじとう骨骨折をしてから約5カ月ぶりの実戦復帰となった。
泳ぎ終わると自然に笑みがこぼれた。目標としていたタイムには程遠かったが、「レースの楽しさを徐々に感じることできた」と満足そうに振り返る。復帰に向け、体力面や右ひじに不安もあった。しかし、平井監督から「今、自分にできるレースをすればいい。レースを全身で楽しんでこい」と声を掛けられ気持ちが楽になった。復帰レースとなった、男子400m自由形は3分51秒17で優勝を飾ると、続いて出場した男子100m自由形も制す。自己ベストから比べると、両種目ともに大幅に遅いタイムとなったがレース後は「ひじの痛みはない」と力強い言葉を残した。また、自身の泳ぎについては「60点くらい」とやや控えめの採点だった。
萩野は今年6月、カザン世界選手権に向けた合宿中に自転車で転倒し、右ひじとう骨を骨折。世界選手権で金メダルを獲得すれば、リオ五輪の出場が内定していただけに、「五輪に向けて焦りがないと言ったら嘘になる」と弱音も口にする。それでもリハビリ生活を通じて、「自分一人で泳げているわけではなく、多くの人たちに支えられている」と改めて周りの人々のサポートを実感し、それを力に変えている。今日の復帰戦は萩野にとって、来年4月のリオ五輪選考会、そして8月のリオ五輪に向けた再スタートの第一歩となった。
■コメント
・平井監督
昨年の記録から比べると物足りない。1日2回練習を始めたのは10日前くらいからなのでしょうがない。萩野はいい時と比べて考えるので、今の時点でこれくらいまできているという考えなさいと言った。悪い泳ぎではなかった。練習中よりも丁寧に泳いでいるように感じた。この大会が終わったら、高地合宿へ行くので、そこからが彼の本当の戦いだと思う。
・萩野(文3=作新学院)
復帰するためにリハビリをたくさんしてきた。体力やひじの心配をしてレースに臨んでいたが、レースでの楽しさを徐々に感じることができた。まだまだタイムは少し遅いが、現状の自分の力はこれくらいなんだと確認することができた。最後までいいフォームで泳ぐことを意識して泳いだ。60点くらいだと思う。ひじの痛みはない。(5カ月ぶりに泳いで)泳げているといないでは大きな違いがある。明日からも、1日2種目ずつ予選から全力でいこうと思う。
TEXT/PHOTO=西川諒