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2026.05.11
ラグビー

[ラグビー]「優れる」ために。NZ仕込みの司令塔が磨く自分だけの武器/新入生企画『闘刃』第12日・永吉天馬


 第12日はSO(スタンドオフ)永吉天馬(総1=クライストチャーチ・ボーイズ)。幼少期、オールブラックスに魅せられ、小学6年時にニュージーランドへ渡った異色の経歴を持つ漢だ。本場の環境の中で研鑽(けんさん)を重ね、U16カンタベリー州代表に選ばれるまでに成長した。

 福永監督からの誘いを受けて、東洋大の門をたたき、新天地で自身の強みに磨きをかける。現在はハイレベルなゲームコントロールとキックパスのスキルを武器に、ルーキーイヤーは先発定着と日本一になることを目標に掲げた。2国のラグビー文化を体現する存在として試合を動かす司令塔が、その存在感を発揮する。(取材日=3月29日、聞き手=土田夏帆)


目標に「優れる」を挙げた永吉


ーーラグビーを始めたきっかけについて

ラグビーを始めたきっかけは、幼いころにオールブラックスの試合を見て始めました。お父さんがラグビーをやっていて、その影響で見ててSOにダン・カーターという選手がいて、「この人すげえ」と思って始めました。



ーーラグビー以外での経験スポーツは?

日本にいた時は少しレスリングをやっていて、ニュージーランドではバスケットボールを少しやっていたぐらいです。レスリングは体の使い方がうまくなった気がしていて、バスケはハンドリングのところとフットワークのところで相手との間合いやキャッチパスのスピード、ノックオンしないところの部分が磨けたかなと思います。


ーー高校3年間で最も印象に残ってる試合は?

自分がU16の州代表に入っていた時の南島大会。ニュージーランド南島大会の決勝まで行ったのですが、自分は後半から出て、ラスト1分で逆転負けのゴールキックを決められた試合が一番思い出に残っています。


ーー競技生活でのターニングポイントは?

U16の州代表に入った時。その前は正直、ラグビーを頑張っていればどうにかなると思っていたのですが、その時から少しプロを意識し始めて、日本のラグビーで活躍できるかなと思い始めてからプロというか上を目指すようになりました。


ーー東洋大学ラグビー部の印象は?

入る前の印象は留学生が多くて、自分も海外でやっていて英語も日本語も喋れるからすごいフィットするのかなと。日本人選手たちもすごく努力する選手が多くて試合を見ていてもレベルが高かったので、とても噛み合っているチームだなと思っていました。


ーー入部の決め手は?

州代表に入った年に日本に一時帰国をしていて、大分東明で練習していた時に(福永)昇三さんがたまたま来て声をかけてくれて、その次の年に色々あって(三菱重工相模原)ダイナボアーズへ(練習に)行かせてもらっていた時にも昇三さんに久しぶりに会って『東洋へどう?』『君に声かけたの覚えてる?』と言われた時にここ(東洋)に行こうと思いました。



ーーニュージーランドにいた時と大学で違うこと

ニュージーランドのプレースタイルというか一人一人の考え方とか一人一人のフィジカルの強さ。そこの差はすごい感じるのですが、日本のラグビーとニュージーランドのラグビーの大きな違いは多分システムのところで、自分は日本のシステムの方が好きなので、その中に少しずつニュージーランドのいいところを入れていければなと思います。


ーー大学での寮生活について

ニュージーランドで卒業して去年の11月ぐらいからもう入寮していました。

寮生活がめっちゃ楽しくて、寮で1番楽しかったエピソードは、今年の1月くらいに急に夜10時ぐらいに火災報知機の警報が鳴り始めて、野球部かどこかの寮から鳴り始めたみたいなのですが、ラグビー部の方も(警報が)鳴ってしまって、それでみんなびっくりして急いで外に逃げたのが本当に楽しかったです。(笑)


ーー楽しかった?

めっちゃ面白かったです。(岩崎)ヴィージェー(総2=目黒学院)さんと『うわ、やばいやばい』、『どうするどうする』ってなりました。(笑)


ーーニュージーランドに居た時は寮だったか

ホームステイをしていました。


ーーホームステイと寮を比べてどうか

僕は寮の方が好きです。ホームステイだと1人の時間が多いのですが、寮は同期と先輩と来年からは後輩もいて、そういう人との繋がりが大事になる場なので

気は使わないでいい時と使う時があるんですけど、やっぱり楽しいです。普通に寮の方が仲のいい人たちがいて、ラグビー以外で遊んだり、コンビニに行くときとかも誰かを連れていける。



ーー見て欲しいプレーは?

自分の見て欲しいプレーはゲーム中のゲームコントロールとキックパスのスキルの部分でハイレベルなスキルを持っていると思っているので、状況判断とキックパス、パスやキックを見てほしいです。でも試合中のトークとか、コミュニケーション能力というのも会場で見てもらえれば嬉しいです。


ーーさらに伸ばしたいところは?

自分の伸ばしたいところは、ディフェンスの部分で天羽(進亮・令和7年度済卒=日立Sun Nexus)さんみたいなハードタックラーになりたいなと思っています。


ーー憧れ、意識している選手は?

世界レベルで言うとダンカーターだったのですが、東洋大学で言うと、去年までチームにいた天羽さんが憧れというか天羽さんみたいなタックラーになりたいなと思います。

ダンカーターを選んだ理由はオールブラックスで一番輝いていて。10番という色々と考える難しいポジションの中であそこまで目立つのはすごい選手だと思って、一つ一つの状況判断やパスキックがオールブラックスということでレベルがすごい高くて、見惚れるもの、憧れるものがあって好きになりました。


ーー色紙に書いた言葉について

天羽さんが色んなところで優れていて、私生活でも人に優しくしていた。グラウンドでもトーク、タックル、すごい優れていたところがあって、やっぱり人と違うところを作りたいというのが、自分がずっとニュージーランドに行った時から(思っていて)、ニュージーランドの外人の選手と日本人の自分だったらどういう違いを作れるかどういうところで優れるスキルがあるかを考えていたので「優れる」にしました。


ーールーキーイヤーの目標について

今年の目標はA(チーム)で定着して、秋もずっとスタメンで出て、選手権、早稲田、明治、帝京を倒して日本一になりたいです。



ーー4年間の目標は?

日本一は絶対に達成したくて、対抗戦の有名チーム、筑波、帝京、慶応、早稲田、明治を全部倒したいです。


ーー日本とニュージーランドのラグビーのプレースタイルや考え方の違いは?

ニュージーランドは基本的に個人技が多くて、日本のラグビーはどっちかというとサインプレーとかシステムコールがとても多くて、その選手が困らないようにというか、コールが出ればそのフェーズは、そのプレーはその通りにやっておけば大丈夫なのですが、ニュージーランドは瞬時の判断でどうやりたいかを決めるので、そこの違いが大きいかなと思います。


ーー日本に帰ってきてから逆に感じたカルチャーショックは?

最初、お風呂にみんなで入るのは少し無理でした。それでみんなでお風呂入るんだというのが少し無理だったのと日本語ですね。 日本語で勉強したことが6年間ぐらいなかったので、そこで絶対苦労するだろうなと思っていてニュージーランドにいる間も、日本人の人がいて日本語で喋っていたので、ある程度は(日本語を)保っていました。


ーー今後、ニュージーランドに行く予定は?

今は無いのですが、将来スーパーラグビーでニュージーランドに戻れればいいなと思っています。



◇永吉天馬(ながよし てんま・総1=クライストチャーチ・ボーイズ)

生年月日/2007年11月16日

出身地/大分県大分市


PHOTO=土田夏帆、市澤結衣、北川未藍