Article

記事


2015.11.23
ボクシング

[ボクシング]秋山が準優勝!馬場ら4名が3位と大健闘

第85回全日本ボクシング選手権大会

11月19日(木)~22日(日) 水沢体育館

 

◆フライ級

3位 馬場(文2=王寺工)

1回戦敗退 川田(営1=崇徳)

1回戦敗退 星(営3=黒沢尻工)

1回戦敗退 工藤(営3=作新学院)

 

◆ライト級

2位 秋山(営3=淀川工科)

1回戦敗退 吉田(社2=出水工)

2回戦敗退 中川(ラ1=高知)

 

◆ウェルター級

3位 金城(営4=那覇)

3位 原田(営1=崇徳)

 

◆ミドル級

3位 高江洲(営4=沖縄尚学)

 

Image title

準優勝の秋山


Image title

馬場は3位と健闘した


Image title

国体に続き調子の良さをみせた原田


Image title

左から高江洲、馬場、秋山、金城の4人は試合後笑顔をみせた


 岩手県で行われた全日本ボクシング大会(以下、全日本)は、ライト級秋山(営3=淀川工科)が準優勝、フライ級馬場(文2=王寺工)など4名がベスト4に進出し健闘した。


 「強かった」。秋山は淡々と振り返った。大学に入ってからは初となった決勝の舞台。相手は大会5連覇中の成松(自衛隊体育学校)となったが、「プレッシャーはなかった」と1ラウンドから軽いフットワークで攻め立てる。「自分の距離で戦おうと思った」と語るように、動きの少ない相手に対して積極的に手数を稼ぎにいった。しかし、守備を固める相手に秋山のパンチは空振りが目立つ。すると徐々にリズムをつかみ始めた相手も攻勢に出始め着実にポイントを重ねられていく。後半も絶対王者相手に必死に食らいついたものの、結果として判定負けを喫した。試合後には涙も見せていた秋山。「向こうの方が奥深いボクシングをしていた」と三浦監督が話す通り、相手のほうが一枚上手だった。しかし、「最後まで食い下がることができたのは収穫」と称えた。来年も同じ舞台に、そして今度は優勝を勝ち取るために秋山はリベンジを誓った。

 また、3位に入った4人の内、成長が目立ったのは馬場だ。2回戦で今まで勝利したことがなかった選手を破ると、準決勝でも「自分の力をすべて発揮したいい試合だった」(三浦監督)と称賛される試合を展開。先月の国体に続いて二度目の3位となったが「もっと上を目指したい」と満足することはない。一方で、国体優勝者の原田は国体決勝で一度勝った相手にリベンジを果たされる。高江洲や金城も、以前敗北した選手にうまく対応することができず悔しさが残った。


 今大会は準決勝に5人の出場者を出し、国体に続き好成績を収めた。しかし決勝に進出したのは、秋山だけ。三浦監督が「決勝までに2、3人は出したかった」と話すように、少し物足りなさも否めない。そして、もう一段階上の舞台にいくためには、「奥の深い、戦略の整ったボクシングを追及しなければならない」とも語る。今大会で今年の試合は終わるが、来季までにどれだけ「奥の深いボクシング」を追求できるかが課題となるだろう。新たに主将を任される秋山を筆頭に来季はどれだけの成績が残せるか、期待がかかる。 


■コメント

・三浦監督
最低限の目標はだいたい届いているが、決勝まで2、3人は出したかった。準決勝に5人出場させたことは良かったが、その次に進める人数を増やしていきたい。(そのためには)もう少し奥の深い、戦略の整ったボクシングを追求していかなければいけないと思った。それができたのはまず秋山で、その他はボクシング自体の深みが無かったので、当てるために何をするのかということを考えたボクシングをこれから指導していきたい。(秋山の決勝戦は)相手は強い、絶対王者だったが、あそこまで食い下がってできたのは収穫でもあり、欲を言えば勝ち切れなかったのは残念。(敗因は)向こうの方がボクシングが深くて豪快なポイントの取り方をしていた。秋山も頑張っていたがさらに奥深いボクシングをされたので、キャリアをもう一つ積んで来年この決勝の場所に戻ってきたい。(馬場は)やる前は3位までいけるとは思っていなかったが日に日にいいボクシングを展開していった。準決勝でも結果は負けだったが周りからは「勝った」「勝っていた」と声を掛けられるような試合を展開して、自分の力をすべて発揮したいい試合だった。今後に期待できる。(大会を通してよかった選手は)秋山はやらなければいけない立場なので当然だが、馬場が一番良かった。中川もリーグ戦は出られなかったが一勝をあげて他の大学にも少しは名前が売れたかなと。2回戦でも木本(日大)相手にあそこまで五分の試合をしたのは収穫だった。(今後に向けて)去年よりも一つ成績が上向いているので、リーグ戦同様、毎年成績を一つずつ上げ、チャンピオンを輩出できるように頑張っていきたい。


・金城(営4=那覇)
(昨年の全日本で敗戦した相手との試合では)判定に持ち込まないでどんどん攻めて、倒そうと思った。対策は近くだと自分の方が手を出せるので、懐に入っていこうと考えていた。1ラウンド目は、3ラウンド目のつもりでやっていた。2ラウンド目は、入り方が悪くかった。相手の懐には入れても強いパンチが打てる距離で、中途半端でしっかり動いていなくて、強いストレートをもらってしまった。カウントを取られた時もガード越しだったけど、きれいにパンチをもらってしまっていた。3ラウンド目は、いくしかないと思っていたけど相手も途中から意地を出してきたので、やっぱり強かった。(敗因は)対策をされていた。しっかりイメージができていなかったので、そこで差が出た。(昨年と比べて成長出来ていた部分は)しっかりと力を入れてパンチを打てたところ。大振りをせず、手数で攻めることができた部分で成長した。今のところできているので、今後は懐に入る前のディフェンス、打ち合っていないときのディフェンスを強化していきたい。


・高江洲(営4=沖縄尚学)

(国体の決勝で負けた相手でもあり)倒すつもりで臨んだ。攻めるプレーを心がけて試合をした。しかし自分自身に成長はあまり感じられなかった。(今日の試合は)相手が逃げ回る状態で、それを追いかけるのが続いて簡単に言えば足が疲れてしまった。3位ではなく金が欲しかった。(今後は)あまりなにも考えてない。とりあえずゆっくり休みたい。


・秋山(営3=淀川工科)

(準決勝の相手とは試合経験があったが)やっぱり相手も対策してきているのでやりにくかったが、自分の動きが結構できたので大丈夫かなと思った。必死だったのであまりわからなかった。1回戦は小さくてちょこまか動くタイプでやりにくかった。2回戦は負けたことがあったので気持ちが入って前のめりになってしまった。それに比べると準決勝の方が自分のボクシングはできたと思う。(目標の優勝まであと一歩だが)次がラストだが、相手は5連覇をしていてすごいチャンピオンなので胸を借りるつもりで頑張ります。(決勝は)思っていたよりもできたと思う。しかし強かった。自分の距離で戦おうと思っていた。最初のほうはできていたものの、徐々につめられて最終的には相手の距離になってしまった。(敗因は)相手のリズムになってしまったところだと思う。(決勝のプレッシャーは)高校のとき以来決勝戦の経験は無かったが、自分はプレッシャーを感じないタイプなので緊張は無かった。(来年度キャプテンとなるが)リーグ戦や全日本などタイトルは全部取って4年生を終えたいと思う。

 

・馬場(文2=王寺工)

(1回戦は国体に続いて同門対決となったが)普段一緒に練習している先輩なのでやっぱり意識はしているし、もちろん向こうもしていたと思うのでやりにくかった。先輩は開催地出身ということで気合も入っていたが、それに負けないようにと思っていた。(2回戦の対戦相手は)高校の時に1回負けて今年の国体でも負けていたので、三度目の正直だと思って臨んだ。体の調子も良くて自分の思う通りに試合を運べた。(2ラウンドは様子見、3ラウンドの終盤は自分のペースに見えたが)1ラウンド目は結構パンチが当たってとれたので、2ラウンド目は相手が「どう出てくるかな」と思って見過ぎてしまった部分があった。3ラウンド目の最後は判定に響いてくるので、いい印象で終わろうと思っていた。(準決勝は)立ち上がりが悪かった。終盤になるにつれてよくはなったが、最初が良くなかったことが原因で負けてしまった。あといろいろな人から「手数が少なかった」と言われた。過去に2回戦っていて今日で3回目となったが、前はカウンターをもらってしまったのでそこを意識して戦った。カウンターはもらわなかったことは良かった。2ラウンド目は手応えがあって、でもそこから油断してしまった。(3位という結果は)国体でも3位止まりだったのでもっと上を目指したい。そのために技術面だと手数、精神面だと攻める気持ちをもってやりたい。(来年には上級生となるが)後輩の見本となれるような選手になりたい。このままでは来年のリーグ戦では勝てない。だから、リーグ戦で全勝できるように頑張ります。

 

・中川(ラ1=高知)

リーグ戦に出られなかったので、この大会で活躍して次につなげたいという思いで戦った。(1戦目勝てたことは)リーグ戦に出ている人たちに追いつくためには勝つしかないと思っていたので勝てて良かった。とりあえずやっと1歩ステージに上がれたという気持ち。練習してきた分の成果が出て素直にうれしい。気持ちにも余裕を持ってプレーできたことでカウントも取れたと思う。だけど、バランスの悪いプレーをしてしまったので、どんな相手でも一定の状態で戦えるようになりたい。(周りの声援は)聞こえている。落ち着けている時ほど周りの声がよく聞こえる。今日は声援がよく聞こえていたから、緊張せずに試合に挑めた証拠だと思う。明日は強い相手。強い相手だからこそ逃げるボクシングではなく攻めのボクシングで戦いたい。


・原田(営1=崇徳)

今日の試合の出来は20点くらい。国体で勝った相手なのにリベンジされて悔しいし、反省しなくてはいけない。(全日3位の結果は)優勝を目指していたから喜んではいけない順位。相手がつめてきて自分の距離を保てずにどんどんつぶされてパンチを打てなかった。自分のボクシングが出せなかったことが負けた原因。(全日本チャンピオンの鈴木さんなど)世界で戦っている人の力を知りたかったけど当たることも出来ずに散ってしまったので、来年に向けて挑んでいけるように力をつけていきたい。リーグ戦は、同世代の人と戦うので負けるわけにはいかない、5勝して必ず階級賞を獲ります。


TEXT=河西樹、野原成華 PHOTO=山下華歩、高橋雪乃、玉置彩華、野原成華