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2015年度 関東大学ラグビーリーグ戦 2部
11月22日(日) 12:00K.O 熊谷ラグビー場A
●東洋大 25{8-12、17-23}35関学大
東洋大 | スコア | 関学大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 3 | T | 2 | 3 |
0 | 1 | G | 1 | 1 |
0 | 0 | P | 0 | 2 |
1 | 0 | D | 0 | 0 |
8 | 17 | 計 | 12 | 23 |
25 | 合計 | 35 |
背番号/ポジション | 選手名 | 出身高 | 学年 |
1/PR | 木田 大雅 | 国学院栃木 | 3 |
2/HO | 岡部 景和 | 東福岡 | 3 |
3/PR | 古館 康大 | 盛岡工 | 3 |
4/LO | 檀上 利大 | 御所実 | 4 |
⑤/LO | 野崎 伊織 | 国学院栃木 | 4 |
6/FL | 高野 雅義 | 報徳学園 | 1 |
7/FL | 荒岡 悟 | 法政二 | 4 |
8/NO.8 | 土肥 航 | 長崎海星 | 1 |
9/SH | 篭島 優輝 | 東京 | 4 |
10/SO | 村上 晴太 | 仙台育英 | 2 |
11/WTB | 石井 勇輝 | 日体荏原 | 2 |
12/CTB | 古川 拓実 | 目黒学院 | 2 |
13/CTB | 柳井 佑太 | 荒尾 | 3 |
14/WTB | 菊池 優介 | 国学院栃木 | 1 |
15/FB | 清原 祥 | 荒尾 | 4 |
Reserve Member | |||
16 | 桐山 大輝 | 御所実 | 3 |
17 | 村上 卓史 | 荒尾 | 4 |
18 | 小山内 健 | 昌平 | 1 |
19 | 杉山 直 | 常葉橘 | 4 |
20 | 常泉 達 | 国学院栃木 | 2 |
21 | 内野 晃成 | 長崎海星 | 2 |
22 | 平原 賢 | 国学院栃木 | 2 |
23 | 高橋 亮太 | 東農大二 | 4 |
・選手交代/ポジション変更
55分 PR木田→村上卓
55分 FL荒岡→杉山
61分 SO村上晴→高橋
65分 LO檀上→常泉
71分 PR古舘→小山内
71分 SH篭島→内野
◆関東大学リーグ戦2部 星取り表◆
チーム | 日大 | 立正大 | 関学大 | 東洋大 | 国学大 | 国士大 | 玉川大 | 白鴎大 | 勝ち点 |
日大 | ※ | 〇50-12 | 〇29-20 | 〇25-20 | 〇66-5 | 〇58-14 | 〇113-10 | 〇67-0 | 28 |
立正大 | ●12-50 | ※ | ●10-32 | 〇18-12 | 〇57-14 | 〇50-14 | 〇71-12 | 〇57-0 | 22 |
関学大 | ●20-29 | 〇32-10 | ※ | 〇35-25 | 〇64-19 | 〇54-12 | 〇125-0 | 〇69-5 | 25 |
東洋大 | ●20-25 | ●12-18 | ●25-35 | ※ | 〇44-17 | 〇29-5 | 〇95-5 | 〇90-14 | 19 |
国学大 | ●5-66 | ●14-57 | ●19-64 | ●17-44 | ※ | ●22-31 | 〇50-7 | 〇57-7 | 13 |
国士大 | ●14-58 | ●14-50 | ●12-54 | ●5-29 | 〇31-22 | ※ | 〇52-0 | 〇38-12 | 16 |
玉川大 | ●10-113 | ●12-71 | ●0-125 | ●5-95 | ●7-50 | ●0-52 | ※ | △14-14 | 8 |
白鴎大 | ●0-67 | ●0-57 | ●5-69 | ●14-90 | ●7-57 | ●12-38 | △14-14 | ※ | 8 |
先制トライを決めたFL荒岡(中)は喜びを爆発させる
独走でトライを決めた古川
清原はドロップゴールを決めるなどキックで存在感を示した
最後まで食らいついたが入れ替え戦まであと一歩届かなかった
わずかな望みは届かなかった。リーグ最終戦は関学大と対戦し25対35で敗戦した。15点差以上の勝利で入れ替え戦に近づく一戦は、前半東洋が先制するも4点リードされ折り返す。後半は一進一退の攻防が続くも徐々に点差を離され最後は追い上げるも及ばす、ノーサイド。この結果4位が決まり、ラグビー部の1部昇格を目指した戦いは幕を閉じた。
ノーサイドの笛が無情にもピッチに響いた瞬間、選手達は悔し涙を浮かべ天を仰いだ。高野政権6年目の今季は17年ぶりにリーグ戦で4勝を挙げるなど過去最高の滑り出しでスタートした。そして入れ替え戦のチケットを手にするべく運命の一戦を迎えた。
東洋大ラグビー部のフィロソフィーであるhard、never、together の3つを出し切るという「TOYO GAME」。この目標のもと選手たちは今日の試合に臨んだ。
前半14分FB清原のキックで敵陣に切り込むと最後はFL荒岡がトライを決め先制点を奪う。一気に引き離しにかかる東洋大だったが、思わぬアクシデントが起きる。CTB柳井のタックルが危険なタックルとみなされシンビンにより一時退場。人数が減った東洋大は直後に同点トライを許す。ところがその後ビックプレーで流れを引き戻す。ハーフウェイライン付近でパスを受けたFB清原が「気持ちがポールに当たって入った」という50メートル近いドロップゴールを決め3点差とする。
後半はWTB石井、CTB古川の連続トライで一時は逆転に成功するも、反則によるペナルティゴールやディフェンスを突破されてのトライなどで点差を広げられていく。それでも39分4年のWTB高橋がトライを決める。今季は1年生にポジションを奪われベンチを温める時間が続いた男が最後に見せたプレーにスタンドは今日一番の盛り上がりを見せた。
試合に敗れはしたが、この日訪れた地元・鶴ヶ島の人や、大学の応援を含めた約200人の心には間違いなく届いた「TOYO GAME」だった。
試合後、監督は「記憶に残る最高の4年生だった。感謝したい。」と一年間チームを支え作り上げてきた彼らにねぎらいの言葉を送った。開幕前「やっと挑戦できるところまできた」と語った通り今季は17年ぶりの4勝を挙げた。しかし上位3校とは全て僅差の試合も勝つことは出来なかった。来年はこの紙一重の差をどう埋めていくかが課題となる。それでもスタメンには下級生が多く名を連ねており今年以上に可能性があるのは確かだ。歴史を塗り替えたチームは、4年生の意志を引き継ぎ歓喜の瞬間を目指し歩みを進める。
■コメント
・高野監督
2週間準備できる事、メンタル面とトレーニング面で全て今の時点で選手もスタッフも全員でやれることをやって臨んだ試合なので、でもこれでは足りない。入れ替え戦に行くには全部僅差の試合はしているけど、これでは足りないということを勉強させてもらった。もう一つ、やっぱり実力的に五分五分じゃなくて6対4、7対3の実力がないと入れ替え戦にいけない。圧倒的な力がないとだめだなと感じた試合だった。(今季の戦いを振り返って)今までで一番いい成績だけど、彼らが目指している所は一つ上だったから結果に対しては残念だけど一年間振り返ってチームを作る4年生が過去記憶に残る最高の4年生だった。これがベースになって下級生が続けていくことに意味がある。(4年生に向けて)本当に試合に出ているいない関係なく、こちらが指示しなくてもいろんなところでチームのために動いてくれて東洋大学のラグビー部は自分たちが作るんだというのを見せてくれた。ほんとに感謝したい。(多くの方が応援に来ていましたが)東洋にもラグビー部があってこれだけ熱いゲームができるっていうのを感じてもらえた人もいたと思うのでそういう部分では今のうちの姿をみせれたと思う。(これから)紙一重だけどそこの差をどう埋めていくか、もう一回選手と色んな話し合いをしてチーム全員でもう一回やっていこうと思う。
・LO野崎主将(済4=国学院栃木)
チーム作りの面でも4年生のみんなに協力してもらって、ベストなチームを作れたと思って挑んだ試合だったが、ここまで努力してようやく同じ土俵に立てたレベル。ひとつの手応えと同時に、やはり上位校の壁を感じた。(試合を振り返って)15点差以上付けて勝つことを狙っていた。取った後に取られてしまうというところで、今までディフェンスをフォーカスしてやってきたことができなかった。そこが唯一後悔しているところ。チーム自体は最後まで諦めないで東洋のフィロソフィーであるNeverという気持ちを持って戦えたので感謝している。最終的には点差が付いてしまったが、いいチームとして東洋ゲームができたと思う。(主将としての1年間は)しんどかった。僕自身もキャプテンシーを持っ てないと思うので、個性の強い4年生のみんなが協力してくれて、それぞれが得意な分野でキャプテンになってくれているような感じだった。自分たちが能力を出せるフィールドで頑張ってきてくれていた。4年で作り上げたチームなので楽しかった。(1部昇格を目指してきた4年間を振り返って)やっぱり悔しい。いくらいいチームを作れても結果を残せていないので、絶対にやってくれると信じてるし、来年に期待したい。(今後は)ヤクルトの実業団でラグビーを続けていくので、そこで東洋の名前を上げていきたい。
・FL荒岡(法4=法政二)
今シーズンで一番チームが団結していた試合だった。出ている選手はもちろん、リザーブ、観客席にいた他の部員すべてが一つになった。試合については負けてはしまったが、スクラム、モールで相手に通用する部分もあったし、練習の成果が発揮できた。(トライについて)清原さんがいいパスを出してくれたので。あとは決めるだけでした。(涙の意味は)試合に負けてしまったことも悔しいが、4年間やってきてけがで試合できない苦しい時もあったがこうして今、この仲間たちとラグビーができて本当に良かったと思うと色々こみ上げるものがあった。(主務、4年生として)両立は最初大変だったが、マネージャー含めサポートメンバー、監督、コーチのおかげでここまでやり遂げられた。感謝したい。(後輩に向けて)1部に上がれるだけの力のある選手たちだと思うので、自分たちが成し遂げられなかった昇格を目指していって欲しい。
・SO清原(ラ4=荒尾)
15点差で勝ったら入替戦に行けるという中で、プレッシャーもあった。そのプレッシャーを楽しみながら立ち上がり良かったんですけど、相手の地力もあり、負けじとやっていたが簡単に点差は広がらなかった。ペナルティが多かったのが一番の敗因かと思います。(ドロップキックは)点差を縮め、勝ち越したいという時のために練習してきた。遠かったが、気持ちでポールに当たって入ったのかなと。4年ぶりに熊谷Aグラウンドに立って、観客がいつもより多かった。試合が終わった時も凄い拍手で迎えてくれて、感謝しかないです。自分たち的には、近隣住民に支えられているようなチームではないと思っていたが、これだけあつまってくれたので「ありがとうございます」という気持ちしかないです。5年間やってきて一番いいチームだと思います。自分たちの代で上げて今年1部でやってる予定だったんですがそれは出来なかった。正直、自分の代じゃないところに自分がいて複雑な気持ちがあった。でも、今の4年生の代が頑張ってくれて、それを支えた結果としてこれだけいいチームが出来たと思うので良かったなと思います。試合に出てるのは1・2・3年生が多いですし、いい経験をしたと思う。この経験を来年入ってくる1年生や下級生にしっかり伝えてくれると思うので、来年こそ1部に行ってくれると信じています。
・WTB高橋(済4=東農大二)
今年はとにかく1部に上がるという明確な目標を持って臨んできて、やっと1部に上がれるかもしれないというところまで来ていたので、今までやってきたことを活かそうと思ってプレーした。後半残り 10 分のところで行くぞと監督に言われていた。(トライを決めた時は)正直、時間が無いと思っていたので、嬉しいというよりも勝たなきゃという気持ちの方が強かった。(今季は菊池に出場機会を譲ることが多かったが)まだ1年生には負けていられないという気持ちでやっていた。でも、1年生には頑張って欲しいし、競い合ってやっていきたいと思って今季はプレーしてきた。今のポジションは2年生の秋からやり始めた。それまで SO をやっていて公式戦でいきなりの起用だったけれど、今のポジションに挑戦できたこと、試合に出られたことがこの4年間での成長につながった。( WTB とはどういうポジションだと思うか)自由にやりたいことができて、思いっきりプレーができるポジション。4年間、同期の仲間たちがいたからここまで来れた。1人じゃできなかったこともあった。仲も良いけど、厳しい時もあって、すごくいいチームだったと思う。(清原さんの存在は)1年生の時からの憧れであり、チームの柱だった。自分もチームも清原さんがいたから成長できたというのがあった。1年生、2年生の時はこんな感じでいいんだなと思いながらプレーしていたが、上級生になるにつれてチームが変わっていって、自分も引っ張られる形ではあったが下級生の時とは違った意識でプレーするようになった。(後輩たちに向けて) A チーム、 B チームなど関係なく、とにかく腐らないで、あきらめずに、みんなでやって欲しい。
・CTB古川(済2=目黒学院)
15点差以上で勝つっていう目標だったので、それが達成できなくて悔しいです。石井に続いてトライできて良かった。大学入って初めてのグラウンドだったので気負わずやろうと思ったが緊張して最初のほうはいいプレーができなかったが仲間を信じてやった。客席を見たら部員が応援していたので勇気をもらえた。残り3戦全部勝てた試合もあったので悔しい。このチームは4年生が作り上げてきたものなのでそれを引き継いで新チームを作っていきたい。東洋ゲームと言うことでハード、ネヴァー、トゥギャザーの気持で全員で臨んだ。(来年は)1部昇格です。
・WTB石井(法2=日体荏原)
4年生が頑張っていたので4年生のためにっていう思いで3年以下はがむしゃらにやったが結果がこうなったので来年4年生の思いをもって1部昇格を目指したい。(昨年とポジションが変わりましたが)どこでもできるように、そういうプレーヤーになりたい。(4年生に向けて)感謝しかない。ありがとうございました。
TEXT=千野翔汰郎 PHOTO=菅野晋太郎、小賀坂龍馬、千野翔汰郎