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2015.11.26
コラム

第489回 地獄でなぜ悪い 執筆者・藤井圭


  初めまして。今週のコラムを担当する藤井圭(社1=豊島学院)です。今週は私の尊敬している人間と昔話をします。


  私の尊敬している人間に、星野源という男性がいます。俳優でありがら歌手をしつつ文筆家でもある。マルチな才能を発揮し、自分の好きなことを何でも職業にしてしまう凄い人です。私はスポーツや、それを文字にする事が好きで、そういうことを仕事にしたいと思ってこのサークルに入りました。なので、好きなことでお金を稼いでご飯を食べて生活してる彼をとても尊敬します。タイトルにもある「地獄でなぜ悪い」は星野源さんが2度のくも膜下出血による活動休止の間に、発売された曲になります。


  そして私は昨年12月中旬、地獄のような経験をしました。親から「大学進学以前に高校卒業も厳しいかもしれない」と通達されてしまったのです。それは成績が悪いとか問題を起こしたとかではなく、経済的な問題で。自分にはどうすることも、誰を責めることも相談することもできない。すでにセンター試験まで1ヶ月を切った時期であり、受験生としてはかなり切羽詰まった状態でした。そこに今までの努力が報われない可能性が出て、1人で悩み続けて…。結果的に東洋大学の2部という、ただ1つだけの道が残っていたので、私はそれに向かって努力しました。そして何とか高校卒業と東洋大学へ入学できました。もしあそこで全て嫌になって投げ出していたら、今ここでコラムを書いている自分はいなかった。この素晴らしいサークルにも出会えなかったと思います。それについては、この大学と自分のために努力してくれた親にとても感謝しています。


  某出版社のお方とお話しさせて頂いた時に「簡単な経験より難しい経験の方が、絶対に今後の自分の武器になる」という言葉が印象に残って。まさに昨年の経験は今の自分にとって最強の武器になっていると感じます。あの地獄があったから、もっと頑張ろうと思える。あれを乗り越えたからこそ、今の自分がいるんだと思うんです。だから今となっては、この経験が黒歴史とか嫌な過去だったとは全く思いません。


  星野源さんはこの曲の中で、「ここは元から楽しい地獄だ」と歌っています。幸せの時間はあっという間に過ぎてしまうのに、苦しい時間は永遠のように長く感じる。元々この世がすでに地獄で、そこで人間がどう乗り越えて楽しめるか。これはネガティブとかではなく、数学の符号の掛け算みたいに、地獄というマイナスの中でマイナスの事が起きた結果、ようやくプラスが生まれるのだと思うんです。


  こんな地獄の世界で星野源さんもくも膜下出血という地獄があって、自分を含め、人それぞれいろんな苦しみを味わう。それでもその地獄を乗り越えて、さらに強くたくましく成長できる。H Jungle with tというグループの歌に「散々虚しい夜も笑って話せる今夜は良いね」といいう歌詞があります。たまにある「今だから笑えるけど、あの時は大変だった」みたいな会話が好きです。あの時は大変だったことが、今はそれを乗り越えて、笑い話にできる。素敵なことだと思います。だからこそ、今回はこの話題を取り上げました。星野源さんは自らの著書で、退院後に「こうなって良かったと心から思う。後悔する気持ちは微塵もない。この人生はとても面白いし、楽しい」と書いていました。ただ地獄を進む者が悲しい記憶に勝つ。全て成功する人生よりも山あり谷ありの人生の方が良い。これからも、たくさん辛いことや苦しみを経験するけど、そんな地獄のようなこの世界を楽しみたい。



  最後までお読みくださいましてありがとうございました。読んでないよ長くて飛ばしたよという方は、私のことは嫌いでも、スポーツ東洋のことは嫌いにならないでください。







来週もまた見てくださいね〜!

ジャーンケーン!ポンッ!

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