Article

記事


2026.06.24
硬式野球

[硬式野球] 東洋大、劇的サヨナラで望みつなぐ 山内が9回に決勝2ラン 運命の第3戦へ / 春季入替戦・第2回戦

[硬式野球]東都大学野球 春季入替戦・第2回戦

6月24日(水)明治神宮野球場

専修大3ー5東洋大◯


専修大
東洋大


石澤、谷、中島(賢)、南ー熊谷

勝利投手:南


本塁打:山内(9回)

二塁打:山内(2回)


・打者成績 ※先発のみ表示

打順

守備

名前

打数安打得点打点

福正吉(営3=国士舘)

大城戸陸琥(総3=九州学院)

山田隼(総4=木更津総合)

冨安海来(営4=履正社)


山内教輔(総3=東海大相模)

髙中一樹(総3=聖光学院)

浅嶋大和(営3=九州国際大付)

西田瞬(総1=浦和学院)


熊谷俊乃介(総2=関東第一)



・投手成績 ※先発のみ表示

勝敗名前回数球数被安打四死球三振失点自責点


石澤順平(総2=木更津総合)51/399


 


    勝利の瞬間仲間と喜びを分かち合う選手たち


 東洋大は24日、明治神宮野球場で行われた東都大学野球春季1・2部入替戦第2戦で専修大と対戦し、5―3でサヨナラ勝ちを収めた。第1戦を落とし、敗れれば2部降格が決まる後のない一戦。劇的な勝利で対戦成績を1勝1敗の五分に戻し、1部残留を懸けた運命の第3戦へ望みをつないだ。


         先発投手=石澤


 先発した石澤(総2=木更津総合)は、3回に先制点を許したものの、粘り強い投球で試合をつくった。走者を背負う場面でも要所を締め、6回途中1失点と先発の役割を果たした。


 石澤は「4年生は負けてしまったら最後のリーグ戦が2部になってしまうので、とにかく勝てばいいという気持ちで臨みました」と入替戦への思いを語った。その上で、「今日はあまり良くなくて、でも悪いなりによく投げられたかなと思います」と自身の投球を振り返り、「リーグ戦後半は力んで投げていたので、力感なく投げることを意識して調整しました」とこの1か月を回顧。「勝ち方も含めて勢いがついたので、第3戦につながるいい勝ちになったと思います」と最終戦へ向けた手応えを口にした。


  自身の適時打に天を仰ぎガッツポーズを見せる中村


 打線は3回に先制を許したが、6回に反撃を開始。浅嶋(営3=九州国際大付)が左方向へ勝ち越し適時打を放ち、チームに流れを引き寄せた。しかし、7回で逆転を許すと8回に途中出場の中村(営4=拓殖大紅陵)が右中間へ同点適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。


 中村は「何が何でも打ってやろうという気持ちでした」と打席を振り返り、「4年生が今回スタメンで2人しか出ていない中、自分たちの代で後輩たちを2部で戦わせたくないという思いがありました」と強い責任感を明かした。また、「技術よりも気持ちを鍛えました。下から上がってくるチームに負けないくらいの気持ちで臨もうと練習してきました」と、入替戦までの1か月を振り返った。


 試合は3―3のまま最終回へ。9回裏二死一、二塁。あと一本が出なければ敗戦もよぎる場面で打席に立ったのは山内(総3=東海大相模)だった。相手エース・梅澤の直球に食らいつき、何度もファウルで粘る。そして最後に振り抜いた打球は、高々と右翼席へ。劇的なサヨナラ2ランが決まると、ベンチを飛び出したナインは山内を囲み、神宮球場は歓喜に包まれた。


  サヨナラ2ランホームランを放ち涙を浮かべる山内


 山内は「何が起こったかわからないというのが今の気持ちです」と興奮冷めやらぬ様子で話し、「握り拳一つ分くらいバットを短く持ったことが最後につながったと思います」と打席内での修正を明かした。また、「長打・短打関係なく気持ちで打つことしか考えていなかった」と勝負の一打を振り返り、「自分が引っ張るくらいの声を出すつもりでいたので、あの場面で打ててよかったです」と笑顔を見せた。


井上大監督は「最後はうちが粘って勝った。先攻・後攻の差ですかね」と接戦を振り返り、「今日負けたら明日から2部だぞ、と選手には伝えました」と試合前の言葉を明かした。また、「最後は気持ち。実力はそんなに変わらないので、1部の意地を見せたい」と、決戦を前に力強く語った。


試合前には、チーム全員が500スイングを行い、入替戦への覚悟を示していた。井上監督は「500スイングやってきたので、やったことが報われないとね」と話し、山内も「このくらい振ったんだから打てるだろうという気持ちで試合に入りました」、中村も「気持ちで勝つために500スイングしてきました」と、それぞれ努力の意味を語った。


その積み重ねが、最後の最後で山内のバットから放たれた一振りにつながった。あと一歩で夢が途絶える極限の状況で放たれた一発は、チームの1部残留への希望をつなぐ値千金のサヨナラ弾となった。「またこの神宮でみんなで野球をやりたい」――山内の言葉どおり、東洋大は自らの力で運命の第3戦への切符をつかみ取った。ナインは1部の意地を胸に、最後の戦いへ挑む。


◼︎コメント

・井上大監督

粘りは見せてくれました。

ーー接戦の中の試合をご覧になってみて

流れ的には苦しかったですよね。まぁ、向こうも押しきれなかったところもありますからね。最後はうちが粘って勝った、先攻・後攻の差ですかね。お互い決定打がなかったというか。


ーー山内くんファールで粘って最後ホームラン

勝負強さもありますけど祈ってはいました。結果がホームランってだけであって、間打ててたらサヨナラだったと思うので、今日はまさかね、500スイングやってきたのでね。


ーー全員ですか?

そうですね。全員です。それぐらい振ってきたのでやったこと報われないとね。


ーー石澤くんの出来っていうのは

まぁ、あんなもんですよね。でもあれが彼っぽいと言えば彼っぽいので。本当はもうちょっとできるとは思うんですけど、よく粘りながら投げたと思います。


ーー福くんを1番に起用して結果も出したということで

そうですね。起爆剤になってくれないかなというふうに思って、僕は基本的にファイターが好きなので戦うやつじゃないとね。


ーー昨日の試合も気持ちを前に出していたと思うが、今日は選手にどんなことを言ったのか

今日負けたら明日から2部だぞ、簡単なことだぞ、落ちたくなかったら今日頑張れって。まぁ、今日勝てたので明日もまだ1部で戦えるのでよかったかなって思います。今日これで気持ち的にはごぶになったんじゃないかって思いますね。僕はそう思ってます。明日どうなるかわからないですけど。


ーー次も勝つってなったらなにが必要になってきますか?

最後は気持ちですよ。そっちは残りたいっていうか1部の意地というか専修さんは専修さんで上がりたいと思うので、せめぎ合いじゃないですか?実力はそんなに変わらないと思うので。


ーー9回はスチールスチールで

そこはちょっと失敗しましたね。大城戸だったのでうまく行くかなって思ったんですけど、7割くらい読まれてましたね。(山田くんのは)あれは僕が動かしましたね。


ーーそれはこういうところだからこそ前に前にという気持ちだったのか

同点であの回は点が入らなくてもうちは裏なので負けはないのかなととりあえず攻め続けろって試合の前に言ったんですよ。引くな、受けるなということを言いました。ピッチャーもね攻めた結果でホームランとか大事なところで出ちゃったんですけどね、それはそれでしょうがないとは思うんですけどね。まぁ、リーグ戦よりはゾーンで勝負してるようには見えるので。ただ、打たれるのはそもそもの力がないからだと思うんですよ。そこはみんなでカバーしてやるしかない。


ーー試合前に500スイング今まであったんですか?

あんまりないですけど、最終戦なのでみんなでバッティング練習をしてきたんですよ。500は連続Tやっとけよって。山内はあそこでびっくりした顔してますけど笑。えっ500!?っていう顔をみんながしてましたね笑



・山内

ーー最後打った瞬間の手応えを教えてください

正直、なにが起こったかわからないっていうのが今の気持ちです。


ーー入ったときを見届けた思いっていうのは

それもほんとに自分が打ったのかなって感じでした。


ーー梅澤くんのストレートをかなり粘っていましたけど触れてるなと思ってた感覚はあったんですか?

いや、まだ遅れてたので握り拳1個分くらいバット短く持った結果が最後よかったのかなと思います。


ーー打席の中で変えた?

はい。変えました。何球打ったかわからないですけど、最後の2球くらいは短く持って打ちました。


ーー絶対当てるみたいな思いがあったんですか?

そうですね。でもシンプルにまっすぐが遅れていたので、狙いというよりは長打・短打関係なく気持ちで打つっていうことしか考えてないです。


ーー昨日先発した梅澤投手から打ったと思うんですけど、そこの意識っていうのは

昨日やられたので今日は打ってやろうという気持ちでいました。


ーー狙いはまっすぐ?

そうですね。まっすぐを狙っていきました。


ーーサヨナラホームランの経験は?

ホームランはないですね。


ーー1部に残った気持ちは

この春1部の最高の舞台でやったので自分は1年生のころは2部でやってて、その悔しい経験を活かしてまた1部でやりたいなという思いがあります。


ーー500Tバッティングっていうのは体力的にはどうなんですか?

いや、めちゃくちゃしんどいですよ笑。ほんとにやるの?みたいな笑前も200スイングとかはあったんですけど、500はないですね。


ーーどのくらい時間がかかったんですか?

自分は一回に100球くらい打ったりして何回かに分けて30分くらいですかね。


ーーそれをやって試合に影響は

出てはないんですけど、スイングちょっとおかしくなっちゃったっていうのはありますね笑。みんなあると思います。なので、気持ちの面でこのくらい振ったんだから打てるだろって思ってやりました。


ーー今年に入って500スイングはなかったのか

いや、冬とかは1000スイングとかも全然あったんですけど試合前に500スイングは初めてですね。


ーー監督は気持ちでと言っていたが選手にはどんな言葉をかけたのか。

自分はみんなビビってたのが感じたので、今日自分が引っ張るくらいの声を出すつもりでいたのであの場面で打ててよかったです。自分は普段はそんなにうるさいっていうか話すタイプではないんですけど、グラウンドに立ったら結構声を出すタイプなので。


ーー次戦に向けて

今日勝ってまたあるので最後はこういう厳しい試合になると思うんですけど、またこの神宮でみんなで野球をやりたいので勝ちに行きたいと思ってます。



・石澤


ーー今日の試合を振り返って

自分が先制されてしまったんですけど、取り返して最後はサヨナラ勝ち出来たので良かったです。


ーー入替戦にかけた想い

4年生は負けてしまったら最後のリーグ戦が2部になってしまうので、とにかく勝てばいいと思うのでそういう気持ちで臨んでます。


ーー自分の中での出来栄えは

今日はあまり良くなくて、でも悪いなりによく投げれたかなと思います。


ーー今日、先発することはいつ決まったのか

先発することは元々言われてたんですけど、2戦目ということは先週の土曜日に言われました。


ーー1ヶ月の練習は主に何をしていたか

リーグ戦後半は力んで投げていたので、力感なく投げることをやってあとは入れ替え戦に向けて調整しました。


ーー練習の成果は試合にどのように影響したか

初回なんかはいい力感で投げれていたのかなと思います。あとは、考え方の部分でオープン戦で学んだので今日はそれを活かせました。


ーー今日の勝利でチームにどんな変化があったか

勝てたことであったり、勝ち方も含めてすごく勢いが付いたと思うので、次の3戦目に向けてすごくいい勝ちになったと思います。


ーー次戦に向けて意気込み

どの場面で投げるかわかんないんですけど、自分のやるべきことをしてチームの勝ちに繋がればと思います。



・中村瑠斗


ーー適時打を打った場面を振り返って

始め自分は出てなくて、4年生が今回スタメンで 2人しか出てないということで、やっぱり入替戦で負けて自分たちの代で後輩たちが2部でやるとかさせたくないので、何が何でも打ってやろうっていう気持ちでした。また、打席に入る前にスタンド見た時にすごくみんなが応援してくれるのが見えてそれが力になって、それが打てた秘訣かなと思います。


ーー入替戦までの1ヶ月で調整したことなどはありますか。

練習的には技術より気持ち面を鍛えました。上から下と、下から上に上がるのだったらやっぱりプライドとかそういう気持ち面が違うと思うので、それに下から上がってくる気持ちに負けないぐらいの気持ちで行こうっていうのは第一に意識して練習やってきました。


ーー今朝500スイングしたという話については

気持ちの戦いだと思うので、ここまで来たら。その気持ちで勝つために500スイングしてきました。


TEXT = 吉田妃莉 / PHOTO = 吉田妃莉・髙梨 美遼・佐藤結芽