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2026.06.28
硬式野球

[硬式野球] 石澤、101球完投初勝利!全員でつかんだ執念の1部残留/春季入替戦・第3回戦

[硬式野球]東都大学野球 春季入替戦・第3回戦

6月26日(金)明治神宮野球場

◯東洋大3ー2専修大


東洋大
専修大


石澤ー熊谷

勝利投手:石澤


本塁打:福(1回)

三塁打:熊谷(3回)


・打者成績 ※先発のみ表示

打順

守備

名前

打数安打得点打点

福正吉(営3=国士舘)

大城戸陸琥(総3=九州学院)

山田隼(総4=木更津総合)

金丸健司(営4=上尾)

山内教輔(総3=東海大相模)


髙中一樹(総3=聖光学院)

浅嶋大和(営3=九州国際大付)

中村瑠斗(営4=拓大紅陵)

熊谷俊乃介(総2=関東第一)



・投手成績 ※先発のみ表示

勝敗名前回数球数被安打四死球三振失点自責点

石澤順平(総2=木更津総合)101



 

 一進一退の攻防の末、山内(総3=東海大相模)の起死回生サヨナラ2ラン本塁打で幕を閉じた第2戦から2日後。東洋大は専修大との最終決戦を3ー2で競り勝ち、見事に1部残留を決めた。


1部残留を決め、涙を見せる選手たち 


 第2戦の劇的なサヨナラ弾の余韻が残るなか、第3戦も一振りの本塁打で幕を開けた。

 初回、打席に立った福(営3=国士舘)が初球を強振。打球はセンターバックスクリーンへ一直線に飛び込む、今季第1号の先頭打者本塁打となった。


衝撃の初球先頭打者本塁打を放った福


「空振りでもいいから初球から仕掛けていけ、プレッシャーを与えていけ」という指揮官の指示を完璧な形で体現し、チームへ一気に勢いを呼び込む。

「入るとは思わなくて、越えたらいいなぐらいで思っていた。入ったときは本当に嬉しかった」

 入替戦2日目が自身の誕生日だった福。「2日目と今日、強い気持ちで挑んだ」と見事な“2日遅れのバースデイアーチ”を生み出した。


咆える熊谷 

 

 1回裏に同点とされるも、東洋大の牙は折れない。3回表、熊谷がセンターオーバーの二塁打を放つと、相手の失策も絡んで無死三塁の絶好機を演出。ここで再び福が右適時打で貴重な1点を奪い、勝ち越しに成功した。

 なおも大城戸(総3=九州学院)の犠打、山田(総4=木更津総合)の安打でつないだ一死一、三塁の好機。指揮官が大城戸、山田、金丸(営4=上尾)の3人を集めて声をかける。直後に打席に立った金丸がセンターへの鮮やかな適時打を放った。これが結果的に、1部残留を手繰り寄せる貴重な決勝点となった。

 

決勝点となった金丸の適時打 


 守備陣も最後まで石澤(総2=木更津総合)を盛り立て、要所で好プレーが光った。

 2回には二塁手・浅嶋(営3=九州国際大付)が鋭い打球を好捕し、流れを引き寄せると、石澤が空振り三振を奪ってチェンジ。3回、犠飛で3ー2と1点差に詰め寄られる。一死一塁の場面で、三塁手・中村(営4=拓大紅陵)が正面の痛烈な打球を丁寧に処理し、鮮やかなダブルプレーで逆転の芽を断ち切った。


好プレーを見せた髙中(左)と浅嶋(右)


 遊撃手・髙中(総3=聖光学院)も持ち前の守備力を存分に発揮する。6回に強烈なゴロをさばいて三者凡退に仕留めると、7回には一死二塁のピンチで、抜ければ同点も危うい当たりを完璧にアウトにする。2024年秋の2部リーグで遊撃手ベストナインに選出された本領を見せつけた。8回には、三塁へ回った浅嶋が魅せる。一回転しながら一塁へ送球する華麗なプレーを披露し、スタンドを沸かせた。


丁寧なピッチングを見せた石澤


 大一番の命運を託された先発右腕・石澤は、第2戦で99球を投げ切ってから、わずか中1日での先発マウンドだった。

「序盤から、この回で投げ終わるくらいの気持ち」と、エンジン全開で飛ばしていく。

「弱気の投手はマウンドに立つな」。木更津総合高校時代の恩師・五島卓道監督の言葉が石澤を再び奮い立たせる。高校時代に培った「考える野球」が大舞台で実を結んだ。


試合終了後、感情が溢れる石澤、熊谷バッテリー


 許した安打は3回までの4安打のみ。中盤以降は相手打線に隙を与えない丁寧な投球を見せた。9回2失点、無四球7奪三振の101球。1点差の重圧をはねのけてリードを守り切り、熊谷との2年生バッテリーで見事に1部残留に貢献した。

 入学後初の完投が、チームの命運を握る"1部残留"を手繰り寄せる価値ある初勝利となった。

「素直に嬉しい。本当に初勝利だったので。やっと勝ちがもらえて嬉しい」と初々しい笑顔を見せ喜びを噛み締めた。

 緊迫した入替戦でつかんだ大きな1勝は、確かな自信となるはずだ。東洋大を引っ張るエースへ上り詰める日は、そう遠くない。


石澤を労う選手たち

涙する山内(左)と笑顔の中島賢也(右)

スタンドの選手たちも大喜び 


 春季リーグ戦は立正大から奪った勝ち点1に終わり、入替戦へ回る結果となった。その悔しさを力に変え、最後は全員で1部の座を守り抜いた。


 「勝魂」――全員の魂を集結させて勝つ。

 まさにチームスローガンを最高の形で体現した第3戦。苦しみ抜いた春の最後に、東洋大が執念でつかんだ1部残留だった。



◼︎コメント

◇井上大監督

ーー最後に意地を見せてくれましたね。

もう本当に紙一重の試合でね、専修さんも必死だったし、うちも必死だったし。当然もう力の勝負なので、意地のぶつかり合いだと思うので。うちはもう当然、下に落ちたくないっていう気持ちと、専修さんはね、上がりたいっていう気持ち。そこの勝負だったと思うので。


ーー石澤投手が頑張りましたね。

石澤頑張りましたね。もう途中から4回、5回ぐらいから、逆に尻上がりに良くなってきた感じはしましたけどね。


ーーもう代える理由もなかったって感じですか?

うーん、ちょっと、何回かベンチからちょっと、お尻が浮きかけたんですけど(笑)。我慢してよかったなと。


ーーどこが良かったですか?

今日は高さはちょっと良かったですよね、いつもよりは。ちょっと左バッターに打たれちゃうのはあれですけどね。はい。まあでもちゃんと、高さが良くて。しっかりあの気持ちも乗ってましたし。


ーー福選手もよかったですね。

福ね、あの初回からね、チームに勢いをつけてくれたっていうね。それはもう大きかったと思います。初回のね、牽制がなかったら、もしかしたらもうちょっと楽になってたかもしれないですけどね。


ーーヒットを10何本打って、3点だと、ちょっと。

そうですね。でももう勝ったからいいですよ(笑)。でもね、本当はもうここ1本、何回か点取れるとこあったと思うんですけど、そこで点取れていれば、もうちょっと楽に試合を進められたのかなっていうのもありますし。でも当然ね、専修さんも必死で抑えに来るわけですから。でもどっちにしても次の1点取った方が勝つんじゃないかなと思ってたんで。そういう意味ではうちは追加点取れなかったんで、結局。でも取れなかったんですけど相手にも与えなかったんで、最終的には勝てたというところだったと思います。


ーー結構、要所で好守備も。

そうですね。最後の最後でね、髙中もいい守備見せてくれて。でもね、本来ならね、この試合はやらなくていい試合ですからね。(笑)もう1回秋に向けてしっかりと鍛え直して、秋はこのゲームがないように頑張りたいと思います。


ーー監督からご覧になられて、やっぱり今までと違う雰囲気が、チーム全体に流れてるみたいな、感じるものはあるんでしょうか?

おととい勝ってから、結構選手はリラックスしてたような感じはします。今日の入りも良かったです。でも今日ぐらいのね、攻めていってほしいなっていうのは、いつもどんなチームとやるときでも。


ーー秋は、もちろん上を目指されると思うんですけど課題といったところは

課題、技術的なことで言うと、そんな他の大学と大したことはない、差はないと思うんですよ。僕はもう、気持ちの人間なので。もうやっぱり気持ちを鍛えるしかない、思ってるんで。暑い中、厳しい練習をします(笑)。


ーーおとといは選手に打たせて、今日は朝一に何か監督はされたんですか?

いいえ、何もやってないです。昨日は中止決定が5時に来たので、もういつも通りのルーティンで、学校行くやつは学校行かせて。いつも通りの練習をしました。特にメンバーが集まって何かしたことはないです。


ーー声掛けも?

今5時半と9時からやってるんですけど、そこにいるやつには声はかけました。


◇大坪廉

ーー厳しい3試合でしたけれども、まず終わられて、率直な今の気持ちはいかがでしょうか?

終わってすごくホッとしてますし、石澤と一昨日(サヨナラ2ラン本塁打)を打った山内とか、特に後輩には本当に感謝してます。


ーー今日、試合前はキャプテンから何かみんなに声をかけたりとかあったんですか?

試合前は、ピッチャー陣が自分含めてなんですけど、ま、結構点取られてたんで。「今日は今までの点取られたこととかは全て忘れて、今日は今日で今日の試合に集中しよう」っていうことを、ピッチャー陣だけ集めて自分から話しました。


ーー一昨日厳しい試合をギリギリで勝って、チームの雰囲気がやっぱり変わったところはありますか?そこは。

勝ち方が勝ち方だったんで、すごくいい雰囲気で、帰りもそうですし、昨日の雨やったんですけど、室内練習場での練習もしっかりみんな元気よくできてたので。雰囲気はすごく良くなりました。1戦目と比べたらすごく良かったです。


ーー監督はなかなか苦しい展開の時に「もっともっと気持ちを出していけ」っていうことをおっしゃってたんですけど、昨日今日に関してキャプテンとしてどうですか?

1戦目は結構みんな硬い感じがしたんで、特に今日なんですけど、全員に「楽しんでいけよ」って声をかけて。リラックスして試合に挑めたらなと個人的に思ってたんで、「楽しんでいけよ」とはみんなに伝えて、あと「締めるとこは締めて」って感じで全員に伝えてやっていったんで。みんな結果楽しんでやってたんで、すごく良かったかなと思います。


ーー秋は当然上の方を狙うことになると思うんですけど、キャプテンから見て、このチーム、秋に向けての1番の課題みたいなのはどういう風に感じてますか?

やっぱ投手力。ホームランと点取られたりすることがもう多かったんで。ピッチャーがしっかり抑えるところを抑えてやっていかないと、今回みたいに苦しい展開になると思うんで。もちろん野手もそうですけど、野手は野手で、得点圏打率が多分低いと思うので。チャンスで打っていないイメージなので、そこをもっとものにすれば、全然上の争いできると思うんで。もう1回そこ見直してやっていきたいと思います。


ーー投手、ご自身としてはもちろん嬉しいと思うんですけれども、悔しい3日間、シーズンだったと思うんですけど、この秋に向けてどういう風にしていきたいですか?

こういう立場で、こういう結果で、すごい苦しかったんですけど、今日勝てて、もう1回リセットして、夏詰めて練習して。最後のシーズン、思い残すことがないように、必ず1位で終わって、神宮まで行って、笑って終われたらいいかなと思います。自分あんまりいい結果が出なかったんで、秋は全員、自分に頼ってもらえるような私生活から見直していきたいなと思います。


◇石澤順平

ーー振り返ってどこが一番良かったですか?

良かったのは、後半が良かったのもそうなんですけど、1番良かったのは、3回に1点取られたときに無死1、3塁だったと思うんですけど、そこを0で抑えようとしないで「1点取られよう」ぐらいの感じでキャッチャーの熊谷と話し合って投げられて、結果1点の犠牲フライぐらいだけで抑えられたのが1番良かったかなと思います。


ーーノーヒットで9回までいきましたけど、完投勝利はいつ以来ですか?

初めてです。


ーー完投して1部残留に導いた気持ちというのは、どうですか?

素直に嬉しいです。本当に初勝利だったので。やっと、勝ちがもらえて嬉しいです。


ーー勝ち方がギアを上げて、そこから少しずつリズムをつかんだみたいな…

そうですね。5回ぐらいまでは、制球が定まらなくて辛かったんですけど、後半は気づいたら8回、9回までいってました。


ーー後半に向けてちょっと変えたところは?

いや、特にないです。3戦目で「みんなで繋ごう」と話してたので、もう序盤から、この回で投げ終わるくらいの気持ちで。この回がラストだと思って投げてて、そしたら最後まで投げられていました。


ーー勝負球というのは?

真っ直ぐとスライダーとシンカーの3球種で組み立てました。


ーー監督、低めにっていうのはいつもおっしゃってましたけど、そこは意識しましたか?

そうですね。初球の入りとか、一発のあるバッターは低めを意識して、丁寧に投げられたかなと思います。


ーーかなりプレッシャーのかかるマウンドだったかと思いますが

久しぶりに、試合の前に緊張しました。


ーー高校以来?

高校の夏の決勝以来、緊張しました。


ーーそれに打ち勝てたのは何かあったんですか?

昨日から考えていたんですけど、高校の動画やノートとかを振り返ってて、最後になんか言われて、帽子に「弱気の投手はマウンドに立つな」っていうのを五島監督に言われて、それを昨日また思い出して、マウンド上がってピンチの時とかは自分の中でそれを思っていました。


ーー今日のプレイ、五島監督に何て報告したいですか?

初勝利できました。


ーー報告ですか?

頑張りました。


ーー昨日は、どんな練習をされたんですか?

練習は雨だったので、室内で軽くキャッチボールだけして、整体に行ってコンディションを整えてきました。


ーー井上監督から試合前に声かけられましたか。

2戦目が終わって、帰ってきたらすぐ部屋に呼ばれて、先発ってことは伝えられて。そのときに「行けるところまで行くから、強気で投げろ」って言われて、今日の試合前も「丁寧に、大胆に投げ込め」とそんな感じのことを言われました。


ーー木更津総合高校の選手は活躍する選手が多いですが、こういうのがあるからというはありますか?

大学は基本、1人1人の意識っていうのか、あまり全体練習よりかは、練習後の自主練習の時間とかを大切だと思うんですけど、木更津総合のときは毎日、最後に自主練習の時間があって、1人1人自分で考えてやっていたので、その練習が今の大学になって、自分で考えて練習するところにいきているのかなとおもいます。


ーー秋はどんなピッチングをしていきたいですか?

秋は今日のピッチングみたいな、チームが勝てばいいなと。とにかく勝てば、勝ちに繋げられるようなピッチングをしたいと思います。



◇福正吉

ーーどういう気持ちで打席に立ちましたか?

井上監督から空振りでもいいから初球から仕掛けていけと、プレッシャー与えていけと言われたので、空振りでもいいっていう気持ちでもう仕掛けていきました。


ーー初球から行くって決めて打席に入ったんですか?

はい。


ーー打った瞬間やホームベース回っているときはどんな気持ちでしたか

打ったときは入るとは思わなくて、越えたらいいなぐらいで思ってたんで、入ったときはもう本当に嬉しかったです。


ーー試合全体を振り返っていかがでしたか

本当に石澤がずっと踏ん張ってくれていたので、自分もずっとリーグ戦打てなくて悔しかったんで、本当にここにぶつけようという気持ちで挑みました。


ーー2試合目からDHでスタメンだったが

監督さんから自分スタメンだったらヒット打てないって言われてたんで、その悔しさもあり、(入替戦)2日目が誕生日だったので結構スタメンで嬉しくて、本当に頑張ろうっていう気持ちで、2日目と今日、強い気持ちで挑みました。


ーー秋に向けて

まずは1戦1戦本当に集中して、全試合がトーナメントで負けたら終わりぐらいの気持ちでもう1戦1戦勝ちにこだわって、全員で突き詰めてやっていければなと思います。


TEXT=福田和奏、PHOTO=佐藤結芽、吉田妃莉、髙梨美遼