Article

記事


2015.12.13
陸上競技

[陸上競技]第92回箱根駅伝共同記者会見が行われました

第92回東京箱根間往復大学駅伝競走 東洋大学共同記者会見

12月12日(土) 東洋大学川越キャンパス


Image title

王座奪還への意気込みを語った酒井監督(右)、服部勇主将


Image title

勝負の時が迫り、チームの結束はより高まっている


 3週間後に迫った箱根駅伝に向けて陸上競技部長距離部門が川越キャンパスで共同記者会見を行った。

 午前中にエントリーメンバーは公開練習を行った。また練習が終わってからは、学年の壁なく談笑する選手たちの姿も見受けられた。記者会見では酒井監督と服部勇主将(済4=仙台育英)が先日発表された16名の選手たちについての思いや来たる戦いへの意気込みを語った。

 昨年度の3位という悔しさから一人一人が1秒をけずりだす努力をし、先月の全日本大学駅伝で初優勝を果たした。これに過信するのではなく、もう一度気持ちを引き締め、全員駅伝で王座奪還を狙う。


以下、会見内容(一部抜粋)

・酒井監督

――全日本駅伝の優勝によるチームの変化は

 今まで4年生は服部(勇馬)だけしかメンバーに絡めない学年だったが、全日本で優勝したことにより非常に自信になった。そして、ラストスパートなど今までの東洋とは違う一面が出てきたことも良かった。新しい東洋の伝統になってきている手応えがある。勝ったことによるメリットもあるが、その後は疲労抜きのために例年より全日本後からのスタートが遅れていることもある。それにより箱根に向けたピーキングは例年とは少し変わっている。

 

――箱根での区間のポイントは

 やはり神野(青学大)くんの5区がどうなるかが今回の大きな注目だと思っている。青学大の5区がしっかり準備できている状態を想定して区間を組んでいきたい。おそらく、駒大や早大も序盤から流れに乗れるような戦術を組んでくる。各校4区までにトップでつなぐことを狙っていると思う。いずれにしても、集団で5区を迎えるよりはある程度しぼった展開で山に向かいたい。復路に関しては、往路の順位で走り方が変わってくる。前を追うのであれば、前が見える位置で走らなければいけないし、もしリードしていればそこで焦らないような走りを想定して調整したい。

 

――監督は福島出身だが、被災地の人にはどのような走りを見せたいか

 見ていて感動するような、元気になるような走りを画面を通じて伝えられたらと思う。勇気を与えるとかではなく、純粋にスポーツの感動を届けられるようにと思っている。

 

・服部勇馬主将

――この1年間、主将として苦しんだこと、そしてうれしかったことは?

 初めのころは走りでチームを引っ張っていこうと考えていたが、それでは下位の選手や故障している選手は付いてこないということが分かった。走れない選手がどうやったら走れるようになるかをすごく考え、走れない選手たちに少しでもアドバイスをして、走力があげられるように取り組んできた。うれしかったことは、自分が走れないときに周りの4年生が支えてくれたり、自分の代わりにチームをまとめてくれたこと。今回のメンバーにも4年生が8人入ったが、入学したときはこんなに入ることは考えていなかったのですごくうれしい。

 

――最後の箱根で個人としてはどんな走りをしたいか

 全日本とは違う自分でいる。全日本では練習が全然できていない状態だったが、今はそこから調子も上がってきている。全日本は同着の区間賞だったが、箱根では他の区間が楽に走れるように自分のところで貯金をつくりたい。

 

――(弟の服部弾とは)兄弟で走る最後の箱根だが、どんな気持ちか?

 一緒に出るのは最後になると思うが、お互い駅伝は通過点と考えている。なので、今後のステップにつながる走りをすることと、二人でチームに流れをつくれるような走りをしたい。


■コメント(一部抜粋)

・酒井監督

4年生8名、3年生4名、2年生と1年生はともに二名ずつとなり、4年生が半数を占めるエントリーメンバーとなった。3年生にあと二人、2年生にあと一人入ってほしい思いもあったが、最後となる4年生が意地を見せてくれた。走るメンバーは、全日本駅伝を走ったメンバーが中心になってくる。そして、そのときボーダーラインで外れた選手を含めて箱根は戦うつもり。内容は全日本の時に出した走りをしないと勝てないと思う。タイムだけを見れば青学大が1万m28分台を11名で東洋大は3名しかいないので走力では青学大の方が選手層が厚い。なので、一人一人の走りを生かした全員駅伝で勝負したい。全日本同様に主導権を握り、区間の最後で競り勝てるような走りを1区間でも増やしたい。我々が勝つときは競り合いになるが、負けるときは相手に独走を許してしまう時だと思う。しっかり競り勝てるように残り3週間で仕上げていきたい。

 

・服部勇(済4=仙台育英)

4年生が大半を占めるメンバー構成となっている。例年に比べると下級生が少ないが、上級生が秋以降に調子を上げてきた。しかし、16人から外れたメンバーにも気迫がある。チーム全員が「1秒をけずりだせ」のスローガンの下、取り組んできた。当日は16人の中のメンバーしか走ることはできないが、サポートしてくれている仲間、また支えてくれている家族や応援してくださっている方々の気持ちもタスキに込めて走りたい。前回3位という結果で悔しい思いをして今年スタートしたが、その悔しさを全員忘れることなくここまで走り続けてきた。残り3週間でさらにこのチームを成長させられるように、スタッフや監督をはじめ、選手全員がチーム一丸となり精一杯やっていきたい。


TEXT=福山知晃 PHOTO=石田佳菜子、伊藤空夢