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平成27年度第1回国士舘大学長距離競技会
12月12日(土)国士舘大学陸上競技場
男子1万m競歩
1組
1着 山下 39'30"15
2着 河岸 39'39"49
DNS 及川
終始先頭で歩みを進めた山下(右)と河岸
競歩ブロックから山下(総2=富山商)と河岸(ラ1=飾磨工)が国士大競技会の1万m競歩に出場。二人そろって自己ベストを更新した。
故障明けの山下は感覚を取り戻すことを目的とし、今秋から練習を継続して積んでいた河岸はタイムを狙う試合となった。スタートするとすぐさま山下と河岸は先頭に立って歩き始める。4人で構成された先頭集団の前方でレースを進めるが、他の二人はそのペースに付いていけず3000m過ぎから3人、4000mからは東洋大の二人に絞られた。それでも交互に先頭に立ち設定通りにペースメイクする。8000mを過ぎると切り替えた山下はぐいぐいとスピードを上げ、最後は独歩状態でゴール。フォームなど満足していない点もあるが「故障から上がってきた段階としてはまずまず」と笑顔を見せた。一方河岸は残り1000m付近で山下から離れてしまい「キレがなかった」と課題が残ったものの、共に狙い通りのタイムを出すことができた。
箱根駅伝を控えている長距離ブロックには現在調子のいいメンバーが多く、「その流れに乗せてもらった」と山下は話す。また久々のレースとなった今回、故障中支えられた人たちに「恩返ししたい」という気持ちも持って臨んでいた。そして言葉通りの好記録。この結果もまた長距離ブロックの背中を後押しし、部にいい影響を及ぼすに違いない。
■コメント
・山下(総2=富山商)
個人としては、今年はずっと調子が悪くて全カレも出られなかったので、感覚を取り戻す復帰レースという形だった。チームとしては全日本で優勝して箱根に向かっていく中、東洋大陸上競技部として競歩ブロックが結果を出すことが長距離ブロックにもいい影響になるのかなと(河岸と)二人で話しながらやっていた。今長距離は調子のいい選手がすごく多いので、自分たちもその流れに乗せてもらった。そうして二人ともパーソナルベストを出せたので、いい影響を与えることができたのではないかなと思う。(調子が悪かったというのは)故障。陸上部に存在するためには結果を残すってことしかできないので、自分の価値観、存在意義を見出だすために結果を出してやろうということと、故障している間いろんな人に3ヵ月もお世話になったり支えていただいたので、しっかり結果を出して恩返ししたいと思っていた。(結果に対して)狙っていた自己新記録を出せたのは良かった。警告や注意も出なかったが個人的にはあのフォームでは戦っていけないと思ったので、そこに関しては満足していない。タイムは満足していないわけではないが、これではまだ戦っていけない。故障から上がってきた段階の位置付けとしてはまずまずだと思っている。(今後は)リオデジャネイロオリンピックの選考レースである2月の日本選手権は競歩ブロック全員で目指しているところ。自分もその大会に向けて段階を踏んでレースを重ねていきたい。
・河岸(ラ1=飾磨工)
記録会なのでタイム狙い。自分の中では最低でも40分台を出すということだった。山下さんが4分で押すとおっしゃっていたので、それに付いていって一緒にペースをつくってベストを出せればと思っていた。(振り返って)自己ベストを更新できたのは大きな自信につながったが、ラスト2000mが上げることができずキレがなかったので、ラストスパートのスピードをもっとつけなければと思った。コンディションも良かったので、この時期に40分切りできたのは2月の日本選手権につながっていくと思う。(ここまでは)4月中旬は故障して試合に出られず、その後の関カレや全カレは選考を外してしまった。秋からは故障もなく、体調を崩すこともなく練習が積めていた。(今後に向けて)日本選手権では1時間23分を切って、五輪選考会の雰囲気を感じながら少しでも上の選手と勝負できるように練習していきたい。
TEXT=野原成華 PHOTO=青野佳奈