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2016.02.25
コラム

第500回 伝える 執筆者・中田有香


 皆さんは「頑張れ」という言葉は好きですか?人によってはプレッシャーに感じてしまったり、すでに頑張っている人に言ってしまうと応援しているつもりでも、逆効果となってしまったりして、なかなか使うことが難しい言葉であるように感じます。ましてや私たちが普段取材をさせていただいていた東洋大の選手の皆さんは、日々惜しみのない努力をしていて、「頑張れ」という言葉をかけるべき相手ではないように感じたこともありました。しかし、私はこのスポーツ東洋で活動してきた3年間、選手の皆さんへのインタビューを終えたあとに、ほぼ必ず「頑張ってください」と伝えてきました。この私が発した言葉をプレッシャーに感じていたり、もう頑張っている、と嫌な思いをさせてしまった選手の方がいらっしゃったら本当に申し訳なく思います。それでも「頑張れ」を直接自分の言葉で伝えることができる。一観戦者として、こんな幸せなことはないと思っています。自分のワガママであったかもしれないけれど、記事も写真も決して上手ではなかったけれど、「頑張れ」を自分の言葉で直接伝えることができる記者という活動が、私はとても好きでした。


 一観戦者と書きましたが、私たちはただの観戦者ではありません。自分の思いを伝えることも時には必要なこともありますが、一番大切なのは選手のことを読者の皆様に伝えること。当たり前すぎる話ですが、そのことを第一に考えて活動してきたつもりです。また、読者の皆様の応援の声を選手に届けることや、選手同士の思いなどを記事やインタビューを通じて伝えていく中で、『伝える』ということの大切さを身を持って学ぶことができました。でもそれはスポーツ東洋という活動だけに限ることではないと思います。これからも応援したい人がいたら「頑張れ」を、感謝すべきことがあったら「ありがとう」を、好きな人には「好き」という気持ちを、しっかりと伝えていけるような人になっていきたいです。



 スポーツ東洋として活動してきたこの3年間、本当に貴重な経験ばかりで、毎日楽しく活動させていただきました。記事を書くたびに自分の文章力の無さに絶望し、たくさん迷惑もかけてきましたが、もう取材をすることがないと思うと、ちょっぴり、いやだいぶ寂しいです。今まで取材に協力してくださったアイススケート部と準硬式野球部の皆様、保護者の皆様、報知新聞社の方々、尊敬する先輩方、大好きな後輩たち、最強の同期のみんな、これまで私に関わってくださったすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。そしてこれからも東洋大学スポーツ新聞編集部をよろしくお願い致します。