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平成28年度東都大学野球春季1部リーグ戦・亜大1回戦
4月27日(水) 神宮球場
東洋大0-9亜大
(イニングスコア)
1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
亜 大 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 2 | 9 |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(東洋大)
●石倉(3勝1敗)、野木、山下、藤井、上茶谷―西川元、澤田、佐藤
二塁打:中川
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (遊) | 阿部健(営4=帝京) | 2 | 0 | 0 |
遊 | 宇佐川(営3=済美) | 1 | 0 | 0 | |
2 | (三) | 田中将也(営3=帝京) | 1 | 0 | 0 |
捕 | 佐藤都志也(法1=聖光学院) | 0 | 0 | 0 | |
3 | (左) | 茶谷(営4=東北) | 4 | 2 | 0 |
走左 | 西村(営4=広陵) | 0 | 0 | 0 | |
4 | (中) | 笹川(営4=浦和学院) | 4 | 1 | 0 |
5 | (指) | 中川(法2=PL学園) | 4 | 2 | 0 |
6 | (二) | 津田(総1=浦和学院) | 3 | 0 | 0 |
7 | (一) | 鳥居(営4=愛工大名電) | 3 | 0 | 0 |
一 | 上島(営4=佐久長聖) | 1 | 0 | 0 | |
8 | (捕) | 西川元(営3=浦和学院) | 1 | 0 | 0 |
打右 | 宝楽(営3=PL学園) | 2 | 1 | 0 | |
9 | (右) | 安西(営4=聖光学院) | 2 | 1 | 0 |
捕 | 澤田(営4=新湊) | 1 | 0 | 0 | |
右 | 川本(営1=帝京) | 0 | 0 | 0 | |
計 | 33 | 8 | 0 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
●石倉(営4=帝京) | 51/3 | 28 | 8 | 4 |
野木(営1=九州国際大付) | 11/3 | 5 | 1 | 0 |
山下(営1=東邦) | 11/3 | 6 | 1 | 0 |
藤井(法2=富士市立) | 2/3 | 5 | 3 | 2 |
上茶谷(法2=京都学園) | 1/3 | 1 | 0 | 0 |
石倉は悪いなりに粘りの投球を見せるも今季初黒星を喫した
高橋監督から言葉をかけられた直後に追加点となる2点適時打を浴びた
亜大との初戦は、相手先発・山田義の好投の前に得点を奪えず、今季初の完封負け。投手陣も今季3勝負けなしの石倉(営4=帝京)が六回途中でまさかのノックアウト。後続の投手も追加点を許し、勝ち点奪取に向けて痛い一敗となった。
「ピッチャーの無駄な四球と、鳥居(営4=愛工大名電)のあのミスから石倉に負担がかかってしまった」と笹川主将(営4=浦和学院)が嘆くように、過去2カードにはなかったプレ―が敗戦へとつながってしまった。二回、先発・石倉が1死からこの試合3つ目の四死球を選ばれる。その直後、けん制で走者を上手く誘い出し、アウトと思われたが一塁手・鳥居(営4=愛工大名電)の送球が走者に当たり、三塁まで進塁を許す。後続の打者に適時打を打たれ先制されると、続く二人の打者に対し、いずれもフルカウントまで持ち込むも連続で四球を与えてしまう。4番打者を前に、マウンド上で高橋監督からかけられた「点を取られてもいいから、思いっきり投げろ」という言葉は、不覚にも現実となり、ボール先行の投球で4球目を左前へ弾き返され二者が生還。序盤で早くも4点が重くのしかかった。
初回から暗雲が立ち込めていた。石倉は登板した過去3試合、決して立ち上がりが良いとは言えなかったが、特に今日の試合は、開始早々に二者連続の死球を出し「緊張して地に足がつかなかった」と自身もピリっとしない状態を感じていた。指揮官が「体の切れが良くなくて、バランスが悪かった」と話すように、直球が高めに浮き、変化球も決まらず、いつもよりも制球に苦しんでいた。後続を何とか断ち切り無失点でしのいだものの、不安を残す投球内容。案の定、二回に失点を許したが、三回から五回まで三者凡退に抑え、立ち直ったかのように見えた。しかし六回、またしても守備のミスが出てしまう。無死1塁から投手前へバントの打球が転がると、石倉、澤田(営4=新湊)、田中将也(営3=帝京)が一瞬お見合い。結局、澤田が捕球するも一塁への送球が逸れ一つのアウトも取れなかった。そうなってくると、一気に流れは亜大へ。この回2本の適時打でダメ押しの3点を奪われ、万事休す。石倉は今季最短の5回1/3で無念の降板。打線も安打は出るものの、指揮官が「一本が出せなかった」と悔やむように勝負所で併殺打に終わるなど、三塁を踏むことすらできなかった。
1部昇格後、初めてカードの初戦を落とした。「(昨季の)チャンピオンには通用しなかった」と指揮官も脱帽。副将・阿部健(営4=帝京)は「次の試合は絶対に落とせない」と危機感を募らせる。選手たちが口々に叫ぶ「東都王者」に向けて、正念場を迎えた。
■コメント
・高橋監督
(昨季の)チャンピオンには通用しなかったね。石倉は体の切れが良くなくて、バランスが悪かった。(相手の山田義投手は)大事なところでしっかり低めに放ってきたから、一本が出せなかったね。(亜大は)さすが、チャンピオンですよ。
・笹川主将(営4=浦和学院)
(今日を振り返って)ピッチャーの無駄な四球と、鳥居のあのミスから石倉に負担がかかってしまった。打って点を取れなかったのが一番悪かったところだと思います。悪いものは全て出たので、次の試合からは良いものを出せると思います。(空き週は)多少は影響ありました。そういうことも分かって取り組んでいたのですが、上手くできなかったです。(優勝も見える位置にいるが)優勝どうこうより、まずカードを取れるように。今日帰ってしっかり練習したいと思います。
・阿部健(営4=帝京)
自分が足を引っ張ってしまった。(六回の守備は)もっと三遊間に寄っていれば捕れた。状況判断ができていなかった。打線はヒットは出ているけれど、あと一本が出ていない。ノーアウトのランナーを活かしきれていないので、チームとしてどうやってランナーを進めていくか考えたい。次の試合は絶対に落とせない。総力戦になると思うので、打ち勝てるようにしたい。
・石倉(営4=帝京)
(今日の試合を振り返って)空き週があり、ふわふわした気持ちだった。そこを(相手に)突かれたと思う。(制球が定まらなかったのは)緊張して地に足がつかない状態だったから。(二回には監督に)点を取られてもいいから思いっきり投げろ、と言われた。(次戦は)しっかりゲームをつくりたい。1部優勝できるように頑張りたい。
TEXT=菅野晋太郎 PHOTO=岩下碧、美馬蒔葉