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第65回関東大学バスケットボール選手権大会
5月1日(日) 東洋大総合スポーツセンター
東洋大83-89早大
26|1Q|21
27|2Q|22
18|3Q|16
12|4Q|30
スターティングメンバー
11 中村晃太郎(済4=幕張総合)
24 川上海斗(済2=市立船橋)
29 岩淵俊也(済3=新潟商)
33 平孝介(済3=東海大菅生)
88 山本大貴(済4=市立船橋)
川上はスリーポイント決定率の高さを見せつけた
インサイドの得点源となった山本主将
攻撃を組み立てていく中村
昨年は1度も白星をつけられなかった早大との一戦は83-89で惜敗。リベンジとはならなかったが、「1部の早大と互角に戦えることが分かった」と山本主将が語るように新たな強みを発見する試合となった。
上智大戦の反省点だった出だしの悪さを全員が意識し、先制点を奪取。好スタートを切った。その後の2Q、3Qもリードを譲ることなく、流れを完全につかんだと思われた。しかし1部の壁は厚かった。「少し点差があったことで、気が緩んでしまった」と中村が振り返ったように、少しの油断からターンオーバーが増え、その隙を突かれてしまう。勝利ムードから一転、足が止まりリバウンドも取れなくなったことで、オフェンスの時間は激減。早大の怒涛(どとう)の追い上げにラスト1分で点差は縮まり逆転負けを喫した。
敗戦はしたものの、今試合では東洋大の新たな強みが存在感を放った。「武器として持っておきたい」と監督が語るのが、シューター陣のシュート率の高さだ。特にスリーポイントシュートを8本以上決めた川上の活躍が大きい。山本主将も「期待以上の働きをしてくれた」と称賛する。「試合前のシューティングでは入らなかったけど試合では入った。びっくり」と本人も驚くほどだ。1年次から試合に出ていた川上は「上智大戦のときもシュートが結構入ってて、早大戦のときも決めようと思っていた」と経験の積み重ねが、自身も予期していなかった成長を生みだした。一時20点もの貯金を作り上げた一因だ。
初公式戦は閉幕となったが、休む間もなく6月から1、2年生主体の新人戦が始まる。今大会で活躍した川上、大野(文2=市立柏)に加え、今は療養している面々の復帰も見込まれている。「優勝を狙う」と監督も気合十分。最高位の更新に向け、激動の1ヵ月が始まる。
■コメント
・目(さっか)監督
残念だった。4Qで勝負になると分かっていて、タイムアウトも我慢していたんだけども。勝負どころで、ターンオーバーが4、5回連続してやっちゃったのは痛い。ありえないターンオーバーだったので。向こうを波に乗せてしまった。出だしは言われたことをきちんとやっていた。しっかり、練習したことを出していた。ただ4Qでやらなくなってしまった。やり通せば全然問題は無かった。センター陣がやらなくなってしまった。早大対策は完璧だった。間違いなくスリーポイントを打ってくるのと、ボール運びのときにルーティングというシステムを使って運んでしまえばオフェンスはうちに有利に働くからと。インサイドに大きいのがいるからって言ったんだけども。それはバッチリだったんだけども、後半が痛かった。残り5分がね。(シューター陣の調子が良かったが)最近入るから、あれを武器として持っておきたい。インサイドも動ける人間が増えてきたので。ただ勝たなきゃ駄目。(早大は)1部のチームだし、強いけれども勝たなきゃ意味が無い。やってきたことは良かった。だけどこれを1試合40分やりきれないと意味がない。チームはだいぶ良くなっている。(新人戦に向けて)優勝を狙う。川上もシューターでいるので。けが人も復帰してくるので、さらに層が厚くなる。1年生の福井がすごく良い。頑張ります。
・山本主将(済4=市立船橋)
今日は昨日みたいな悪い出だしをやってしまうと、相手が相手なのでゲームが決まってしまうから気をつけなければという話はしていた。あと、トーナメント戦のためにディフェンスの練習を積んできたので、ディフェンスからリズムを作って、東洋大の特徴である走りをやっていこうと。3Qまで本当にいいディフェンスをしていた。川上がスリーポイントを結構決めてくれて、期待以上の働きをしてくれたのもあって3Qまで良かった。4Qで崩れたのは、ファールが立て込んでディフェンスが引き気味になってしまって、そのときに自分たちのシュートも決まらなくなってしまったからだと思う。自分とか平とかがもう少し中で強いプレーをできたら、ゲームの内容が変わってきたかもしれない。早大は身長が無いので、外からだけじゃなくて中で攻められたら良かった。でも、1部の早大と今日みたいに互角の戦いができることが分かったので、今までやってきたディフェンスの持久力を上げて、あとはシュート力。今日の前半みたいなシュート率で決められれば上を狙えると思う。
・中村(済4=幕張総合)
早大は展開が速いチームで走ってくるのでそこを走り負けないように、ルーズボールなどもしっかり追うように、あとオフェンスは思いっきりやるということをみんなで話していた。前日の(出だしが悪かった)反省を生かすことができて、トーナメント戦のためにやってきたディフェンスも機能して、前半はいい展開だったと思う。川上がスリーポイントをよく決めてくれて助かった。でも、外からのシュートばかりになってしまった。自分がもっとボールコントロールをして、中からのシュートを狙えたら良かった。4Qの途中からは足が止まっちゃって、オフェンスも決めきれずで相手にチャンスを与えてしまった。疲れてきていたことと、少し点差があったことで、気が緩んでしまったのだと思う。もうああなったら取り返しがつかない。4年生がもっと厳しく言えていれば良かった。
・川上(済2=市立船橋)
練習から早大対策のディフェンスをやっていた。前半、3Qは良かったが、それ以降がリバウンドとかプレスに対するボール運びとかが、自分らの疲れがたまってしまっていてうまく運べなかった。出だしは特に意識せず、だけどディナイであったりカバーを中心に頑張って。それで相手も最初はシュートがあまり入ってなかったのと、自分らはシュート入っていたので流れが来た。(収穫は)今までは(ディフェンスとの)距離が近かったら打てなかったけど、今日は間合いが近かったときに打っても入ったこと。上智大戦のときもシュート結構入ってて、それを今試合も決めようと思っていた。試合始まる前のシューティングのときにはあんまり入らなかったけど試合では入った。びっくり。(新人戦に向けて)自分たちの代が今けが人が多くて、試合に出てるメンバーだと自分と大野しかいない。なのでセンターの杉田やフォワードの佐久間が復帰して、1年生の村上飛だったり福井が活躍してくれれば中大にも勝てると思う。その次の早大にも。目標はベスト4。
TEXT=髙橋雪乃 PHOTO=土橋岳、水野桜、木谷加奈子