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IAAFワールドチャレンジ第3戦
兼 第31回オリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ)代表選手選考競技会
セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎
5月8日(日) 川崎市等々力陸上競技場
男子100m決勝
4位 桐生 10"27
男子400m決勝
1位 ウォルシュ 45"68 ※東洋大新
桐生はスタートの出遅れが響いた
ウォルシュは連戦でも自己ベストを更新
セイコーゴールデングランプリに、ともにリオ五輪を目指す桐生(法3=洛南)とウォルシュ(ラ2=東野)が出場した。外国人選手も多くどちらもレベルの高いレースとなったが、注目の100mでは桐生がスタートで出遅れ4位と悔しい結果。一方、400mではウォルシュが東洋大新記録を更新した。
桐生は今回が国内初戦。100m決勝にはサニブラウン(城西大附属高3年)やガトリン(アメリカ)などトップアスリートが集結し、桐生にも“日本人初の9秒台なるか”と大きな期待のかかったレースだ。しかし、スタートで出遅れてしまい「最初の30mがよくなかったら、あとはよくないという自分の悪いパターンに入ってしまった」と振り返るように中盤も立て直すことができなかった。トップのガトリンと肩を並べることなく4位でフィニッシュ。悔しい結果になったが、レース後のインタビューでは「次は勝ちます」と力強く宣言し、次の目標に向かい闘志を燃やす。
400m決勝、ウォルシュはスタートから飛び出すと前に迫っていく。ペースを落とすことなくラスト100mを迎えると、さらに他の選手との差を広げ1位でゴール。また、ウォルシュの自己ベストよりも上のタイムを持つ外国人選手を差し置き、まさに圧巻の優勝となった。しかし、リオ五輪の標準記録(45秒4)を狙っていたために悔しさが残った。最近では3日の静岡国際陸上競技大会にも出場してセカンドベストをマークした。連戦になったが疲れを見せず、今大会でも自己ベストを更新し安定して記録を出せている。次こそはリオ標準の突破を目指していきたい。
両選手とも納得のいくものではなかった。しかし、ハイレベルのレースは目標のリオ五輪へいい経験となったはずだ。来週には関東インカレを控えている。エースの2人はそこでしっかり記録を出し、更なる上の世界へつなげていきたいところだ。
■コメント
・桐生(法3=洛南)
スタートしたときに完全に遅れたと思っていた。自分が思っている音もワンテンポ早くきて、日本でそういう想定はなかった。日本はどっちかというと遅いと思っていた。そこでミスをしてしまったという感じだった。最初の30mがよくなかったら、あとはよくないという自分の悪いパターンに入ってしまった。これ以上負けた方がどんなに言ったってどうにもならないと思う。結局次勝てばいいかなという感じ。今日の結果を踏まえてしっかりまた夏のために練習していきたい。(国内では初戦だが)いい結果ではなかったが、次の関カレも踏まえているのでそこでしっかりタイムを出したい。(1本しかなかったのはやりづらかったか)それが勝負なので仕方ないと思う。(スタートが出し切れなかったか)本番でできなかったら意味ない。出遅れた瞬間に出遅れたと思った。(メンタルは影響したか)メンタルというよりも最初の3歩がうまくいかなかった。次勝てば何も言わせないようなタイムを出すと思うので、次勝って今日のことを忘れられるようなタイムを出して、応援してもらっている方々にしっかりタイムで恩返ししていきたい。
TEXT=福山知晃 PHOTO=畑中祥江、福山知晃