スポトウ｜東洋大学スポーツ新聞編集部

平成28年度東都大学準硬式野球春季２部リーグ戦・亜大２回戦

５月９日（月）　朝霞市営球場

東洋大９－２國學大

（イニングスコア）

（東洋大）

割石（社２＝越谷南）、中村（ラ３＝青森）、松下（ラ４＝西湘）－多田（ラ２＝高松西）

藤本は４安打で打撃をけん引

逆転打を放ち、笑みを浮かべた

　３カード連続の勝ち点獲得を狙い國學大に挑んだ。緊迫した展開の中、勝ち越しを許した直後の八回に打線が爆発する。藤本（営４＝静清）の左越適時二塁打で逆転に成功すると、この回一挙５得点。九回にもダメ押し点を挙げ、優勝へまた一歩歩みを進めた。

　勢いはとどまることを知らない。七回に失策により貴重な勝ち越し点を奪われ、チームは落胆ムードかと思われた。しかし、好調なチームのベンチは「逆転できる雰囲気しかなかった」。そう語った藤本は八回、２死二、三塁のチャンスで「気持ちで絶対２人返すんだ」と意気込み打席に入る。思い切り振り抜いた５球目は左翼ポールのわずか左を横切る。そして直後の６球目も同様に左方向へ。もう少しで本塁打というような打球は左翼手の頭上をわずかに越える。ベンチの思いは白球へと伝わった。それまで毎回走者を出しながら得点に結びつかなかったが、この１本が猛打の口火を切った。

　「挑戦者の気持ちで」。藤本は今季この言葉を口にすることが多い。打撃では徐々に打順も上がり、この日は３番に入って４安打を放った。守備では今季から二塁手を務める。序盤は失策も多かったが、ここ数試合でその数は大幅に減少した。常に心がける挑戦者魂は、今季ここまでの藤本を大きく支えている。

　リーグ戦７連勝と波に乗るチームは、気づけば優勝が目前に迫っている。次戦、優勝を争う法大Ⅱとの直接対決に勝利すれば、その瞬間に栄冠を手にする。木藤主将（法３＝浦和学院）が「優勝を意識はしたくない」と語ったように、今季ここまでの投手陣を軸とした戦い方を貫くことが勝利へとつながる。いよいよ迎える大一番。チームは最高の状態でライバルに挑む。

■コメント

・木藤主将（法３＝浦和学院）

ピッチャーが頑張ってくれて、２点取られても回ごとに最少失点に抑えてくれてた。最後に連打が出て、序盤でチャンスはあったがその１本が出なくて苦しかったが、最後まとまったヒットが出て相手のミスだったりファールボールだったりで５点と３点を８，９回でとれたのは大きかった。（チームの調子は）そんなに良くはないと思うがピッチャーが頑張ってくれている。それで何とか勝っている状態。（次回へ向けて）優勝を意識はしたくない。もちろん優勝を目標に頑張っているんで法政Ⅱ部には負けたくない。優勝というより勝ちたい。

・藤本（営４＝静清）

序盤はなかなか自分たちの展開に持っていけなかった。流れが悪い中でもピッチャーがしっかり先発の割石が抑えてくれてそこから流れができて自分たちの攻撃ができた。（８回を振り返って）もう打つしかなかった。技術よりも気持ちで絶対に２人返すんだっていう思いが強かった。チーム全体として誰も諦めている人はいなかったので、逆転できる雰囲気しかなかった。負ける感じはしなかった。（次回へ向けて）優勝よりも目の前の試合を一戦一戦、挑戦者の気持ちで自分たちの試合をできるように頑張りたい。

TEXT＝當麻彰紘　PHOTO＝横山恵美、當麻彰紘