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2016.06.12
陸上競技

[陸上競技]桐生「10秒01」リオ五輪派遣タイム突破!3種目で表彰台に上る

2016日本学生陸上競技個人選手権大会

6月10日(金)  ~12日(日)  Shonan BMW スタジアム平塚


 ▼2日目

男子100m 予選

2組

6着 森下 10"69

3組

DNS 与那原

7組

DNS 田村

8組

1着 桐生 10"17 ※準決勝進出


男子100m 準決勝

4組

1着 桐生 10"01 ※決勝進出、大会新、日本学生新


男子100m 決勝

1位 桐生 10"10


男子400m 決勝

1位 ウォルシュ 45"64 ※大会新

5位 松原 47"70


男子走高跳

NM 山下


男子走幅跳

2位 津波 7m86


女子5000m タイムレース決勝

1組

6着 白川 16'40"27 (総合18位)



桐生の快走に会場は終始賑わった


ウォルシュは日本選手権でリベンジを誓った


津波はスピードに乗って大ジャンプ


 多くの決勝種目が行われた個人選手権2日目。注目の男子100mで桐生(法3=洛南)が準決勝でリオデジャネイロ(以下リオ)五輪の派遣設定記録を突破した。また男子400mでウォルシュ(ラ2=東野)が優勝、男子走幅跳で津波(ラ1=那覇西)が2位と輝かしい結果を収めた。

 男子100m、予選で後半流して10秒17のタイムで大会新記録更新した桐生は準決勝では記録を狙う。スタートしてから体が起き上がったときにはすでにトップを走り、そのまま勢いを落とすことなく2着以下を大きく引き離してゴール。電光掲示板に出た「10秒01」のタイムに会場からは歓喜の声が上がった。追い風1.8mの風にうまく乗り3年前に出した自己ベストタイで日本学生新記録を更新し、決勝では9秒台が出るのではないかと期待が募った。向かえた決勝、男子100mの決勝レースだけ向かい風が吹いた。9秒台とはいかなかったが、10秒10とまずまずのタイムで優勝し3本のレースをけが無く走り終えた。桐生は「夏に向けてだんだん調子が上がってきていた」と話しており、2週間後に迫った日本選手権に向けて調子の良さをアピール。先日行われた布勢スプリントでは山縣(セイコー)に今季2敗目を喫したが次こそは勝ってリオ五輪代表を確実に決めていきたいところだ。
 男子400m決勝ではウォルシュも桐生に続いて好記録を出したいところ。前半からハイスピードで飛び出すと誰もウォルシュに追い付くことはできない。この勢いのままリオ標準突破なるかと思われたが、「最後があまり動かなかった」と振り返るようにあと0.24秒届かず、優勝したが標準記録を狙っていったため悔しさが残った。同じく決勝に出場した松原(法1=九州学院)は高校からのライバルである松清(福岡大)に勝てば世界ジュニア代表が決まる。決勝でも後半粘りの走りを見せたがライバルの松清が先着し惜しくも5位。マイルメンバーとして世界ジュニア出場の可能性もあるが「個人でいきたかった」と悔しさをにじませた。
 一方、男子走幅跳では津波が1年生ながらも全国大会で大幅に自己ベストを更新し、表彰台に上った。試技ごとに記録を伸ばしていった津波は3回目に7m86の記録を叩き出し2位に浮上。助走のスピードもあり踏み切りもぴたりと合わせ、大ジャンプを見せた。インターハイチャンピオンなど実績のある選手を抑えての2位に津波は「素直に嬉しい」と話す。梶原監督も「踏み切りの細かい技術がもう少し身に付いてくれば8mを狙っていける」と津波が今後の目標に挙げた全日本インカレ優勝に期待を覗かせた。


 桐生やウォルシュのエース二人が力を十分に見せつけた2日目。2週間後の日本選手権ではそれぞれリオ五輪代表の座を勝ち取っていきたいところだ。また他の選手も新たな目標に向けて夏でしっかり課題を修復し、秋シーズンを迎えていく。


◾︎コメント

・梶原監督
記録だけを見るとジュリアンもリオ標準に届かなかったり、松原も自己ベストというところにはいかなかったけれど決勝でジュリアンは積極的にいって向かい風さえなければ、タイムも切れたと思う。条件が整わなくて切れなかったが十分力があることを示してくれた。次は日本選手権の本番で狙っていく。松原も大学で初めて決勝を走ってそれなりのレースをしてくれた。桐生は練習をしっかりした上でここに来ているので必ずしも記録を狙うという体の状態ではなかったけれど、うまく追い風に乗って課題を持って一本、一本レースに臨んで自分がやろうとしたことについて十分できた。10秒01は派遣設定記録であると同時にシルバーという陸連の記録でもあるのでそういう意味でも非常に大きな結果を残してくれて良かった。これで3本しっかり質の高いレースができたので、9秒台というのはこの冬の練習からいつ出てもおかしくないという気持ちでいたが、これがますます実感として持てた。日本選手権では条件が整えば出るだろうし、整わなくてもオリンピックに向けていいレースができると思う。津波は追い風参考だが大幅に自己ベストを更新して、強い選手や昨年のインターハイチャンピオンがいる中でそういう選手に勝って2位になれたのは良かった。あとは踏み切りの細かい技術がもう少し身に付いてくれば8mを狙っていける跳躍をしてくれた。本人は少し緊張気味だったので、自分の精神的なコントロールが上手にできるようになれば、安定してこういう結果が出せると思う。心の成長と同時に踏み切りでの技術をこれから磨いて、これで世界ジュニアに選ばれる可能性が出てきたので選ばれると嬉しい。日本選手権ではハイジャンプの山下は2m20。今日は高い高さから挑戦して失敗してしまったが、3本目はいい跳躍をしてくれた。桐生は日本選手権で勝つ。記録は条件が整えば出るだろう。ジュリアンはリオ標準突破で優勝を狙ってあと少しの期間で修正あるいはもう一度確認する作業をしながら日本選手権に臨みたい。他の選手はそれぞれ地方での選手権があるので、そこで課題の一つ一つを解決に向けて練習しながら試合で課題が少しでも解決できればいいと思う。

・桐生(法3=洛南)
(今大会は)日本選手権の調整で3本走ってどうなるかというのは走ってみてわかることなので、記録を出して3本走って帰ることを意識した。(10秒01を出した準決勝は)タイムを狙ってのレースだった。最後まで流さずというよりもそのままゴールした感じ。夏に向けてだんだん調子が上がってきていたので、そのぐらい(10秒01)出るかなと思っていた。(日本選手権に向けて)夏は日本選手権と五輪なので、日本選手権でしっかり優勝してリオ五輪を決めたい。(リオ五輪では)しっかりラウンドを重ねて海外の選手などと勝負したいと思う。

・ウォルシュ(ラ2=東野)
リオ五輪の標準を切れなかったので悔しい。(準決勝では前半の走りに課題を上げていたが)決勝では前半結構いい感じにいけたので良かったが、最後があまり動かなかったので直していきたい。(修正点は)最後の100m。44秒台は日本選手権で狙いたい。(日本選手権には10連覇中の金丸選手も出場するが意識する選手は)金丸さんぐらい。(日本選手権に向けて)自信はあるので大丈夫だと思う。

・津波(ラ1=那覇西)
7m80以上と表彰台に立つことが目標だった。素直に嬉しい。スピードが出ていて、自分ではわからなかったが跳んだ場所を見たら結構いっていたので良かったと思った。踏み切る前に体が後傾してしまうので、それを正面に捉えることができたらもっといけると監督からアドバイスをもらっていた。(コンディションは)昨日の練習の動きが良かったので、はまったらうまくいくと思っていた。今後の予定は9月の全日本インカレ。そこに向けてはスピードの強化と踏み切る前の動作を修正していく。全日本インカレでは優勝したい。

・松原(ラ1=九州学院)
(目標は)46秒台、自己ベストを出すことと決勝にいって走ること。予選でタイムが上がってそれからは下がっていたので課題が残るレースで自己ベストも出せなかったので狙っていっただけに悔しい気持ちの方が大きい。同級生に負けたことが悔しい。3位の松清とは高校から戦っていたので自分の課題とかよりもライバルに負けたことが悔しかった。(世界ジュニアは)個人では落としてしまったと思うが、まだマイルあるので日の丸を背負う可能性はゼロではない。個人でいきたかった。松清に勝てばいけたので悔しいレースだった。今後は試合もあまりないので試合というよりもまずは、いつも練習を一緒にするジュリさんに前半付いていける練習をして、一皮剥けて秋のシーズンに入れるように練習を頑張りたい。



TEXT=福山知晃    PHOTO=福山知晃、畑中祥江

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