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2016.07.28
硬式野球

[硬式野球]特集 春を終えて9日連続インタビュー最終日 阿部健太郎

神宮球場の電光掲示板に3年ぶりに東洋の文字が躍った今季。投手陣が不安視されていた中、大健闘の勝ち点4。初の1部でのリーグ戦を終え、選手たちはこの結果をどう捉えているのだろうか。7季ぶりの一部で8勝できた理由を9日間に渡ってお届けする。

最終日は阿部健太郎(営4=帝京)。今春副将として、そして内野の要として常にチームを鼓舞し続けた。リーグ戦中盤までなかなか思うような結果が残せず、試合途中でベンチに退くこともあった。しかし、終盤は少しづつ本来の姿を取り戻し、秋に向けて良い形でシーズンを終えた。そんな阿部健へのインタビューで、9日間に渡った連続インタビューをしめくくる。(取材日:6月12日、聞き手=菅野晋太郎)


――今シーズンを振り返って

昨年に比べて点が取れていて、不安材料だった投手陣に石倉(営4=帝京)と山下(営1=東邦)が出てきて助かった試合が多かったなと感じています。

――自身の調子はどうでしたか

(打撃について)何やってんだろうなって。オープン戦では自分の形が出来てきていた。社会人相手であっても結果が出ていて、自分の中では自信を持って臨めたリーグ戦だった。いざリーグ戦に入ると打てなくて、なんでだろうなという気持ちでやっていた。

――副将として責任は感じていましたか

それはなかったですけど、打てなかったので守備にしても走塁にして全部引きずってしまった。

――そんな中でも四死球はリーグトップです。1番打者の役割は果たせたと思いますか

自分でも多いなと思いました。でも、自分が見極めたというよりも、ピッチャーがコントロールを乱してたまたま取れた四球だと思っています。それに関してはいい評価はできない。選んだり、ファールで粘って取ったものではないので。

――最終カードでは結果が出ていたと思いますが

やっぱり打つと気持ちも乗ってくるので。守備でも走塁でも乗れる。打てないからといって他のプレーにも影響が出るのはダメだと思うけど、打てたことによって自分のパフォーマンスができたのかなと思います。

――開幕前、自身の目標に激しくやりたいということを掲げていました。実際にはどうでしたか

できてないです。最後のカードの時ぐらい存在感を発揮していかないといけない。その前までの4カードはできていなかったので。コンスタントに結果を残していきたかったです。

――今春は昨年に比べて打ち勝つ試合が増えました

中大戦で逆転した時なんかは今まで自分が東洋で過ごした中で、一番点が取れている感じがした。もっとこういう試合をやって、ピッチャーを助けていきたいと思います。

――優勝校・亜大に対して差は感じましたか

亜細亜とやった時は2試合とも途中で代わってしまった。しっかりやるべき選手が結果を残せているかいないかの違いだと思います。自分も笹川(営4=浦和学院)も打てなかった。向こうの主力選手はやることはきっちりやっていたし、チーム全体でボールへの執念や細かいプレーがきちっとできていたと感じました。

――亜大以外からは勝ち点は落とさなかったですが、1部の相手に対して互角に戦えたと思いますか

少しは感じている。でも、これが秋にできるかと言われたら正直そうは思わない。勢いだけで、怖いもの知らずで取れた勝ち点4なので。全部が実力で取った勝ち点ではないと思う。そこはみんな勘違いせずに秋に向けて取り組んでほしいと思います。

――国学大戦、優勝の可能性がなくなってからの2連勝でした。チームとしてどんな気持ちで臨んでいましたか

初戦を落としてから、監督さんも自分たちも秋に向けてやろう、目の前での胴上げは阻止しようという気持ちでやっていた。

――初めての1部の投手との対戦でした。昨年までの2部の投手と何か印象は変わりましたか

2部とそんなに差は感じない。このピッチャー打てないなというようなピッチャーはいなかった。ただ真っ直ぐ一辺倒じゃなくて、ツーシームだったり動かすボールが多いなと感じました。変化球が多かったです。

――結果としては3位。8勝出来た要因として何が考えられますか

石倉と山下が頑張ってくれたなというのが、自分の中では一番だと思う。リーグ戦が始まる前に監督さんに、点を多く取られることを覚悟しておけと言われていたのでその中で石倉が完封したり、山下も要所で抑えてくれて、その2人が頑張ってくれたと思う。2人がいなかったら勝てなかった試合もあった。野手が頑張ったというよりも、ピッチャーが頑張ってくれたかなと思います。