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第92回関東大学バスケットボールリーグ戦
10月2日(日) 日体大世田谷キャンパス
東洋大48―77国士大
16|1Q|18
8|2Q|12
10|3Q|26
14|4Q|21
スターティングメンバー
2山口健大
10鷲見隆行
11中村晃太郎
30川上海斗
88山本大貴
安定的なシュート率の山口
けがから復帰した榎
チームの流れを変えようとする岩淵
前半はロースコアでスタートし、後半で大きく点差をつけられ29点差で敗北。連敗記録に歯止めがかからないが、2・3年生が中心となって奮闘し試合を展開した。
前日の7連敗から誰もが勝利することを願っていた。勝って連敗に歯止めをかけるべく2巡目となる国士大戦には岩淵(済3=新潟商)や榎(済3=市立船橋)など、多くの3年生が起用された。
前半はロースコアな試合展開でなかなか点が動かなかった。しかし、ファールが多くかさみ1Q、2Qともにチームファールがいっぱいで相手に何度もフリースローの機会を与えてしまった。点差はそこまで開いてはいないはずだが気持ちで押されてしまう。取っては取られ、なかなか詰まらない点差。そんな中、榎は全員に声をかけチームを鼓舞した。「これはもう自分が出すしかないと思っていた」と榎。目(さっか)監督もその姿に「ガードとして良く話すから、期待していた」と榎に信頼を寄せた。
後半は3Q開始早々から相手にターンオーバーされ、完全に相手のペースになった。基本的なプレーのミスなどが積もり積もってメンタル的に追いやられる。今、苦しい状態が続いている4年生の中でも山口(済4=桐光学園)が安定的に得点を重ね、岩淵もパスカットからターンオーバーを決めるなど、なんとか悪循環から抜け出そうとする。だが、気がつけば前半6点だった点差は29点となり、後半は1度も逆転することなく試合終了。「今の自分たちは気持ちよくバスケットをできていないと思う」と岩淵は連敗の状況を重く受け止め振り返った。
この連敗を打破するためには技術面はもちろんのこと、まず精神面の強化が絶対条件だ。今回、榎が声かけをかけるなど現状打破をするための頑張りが多くみられた。敗北はしたものの、「本当に本当に勝たなきゃいけないと思う」と榎が語るように勝利への気持ちは堅く、連敗の泥沼から抜け出す兆しが見えてきそうだ。まずは一勝、東洋大の底力を見たい。
■コメント
・目(さっか)監督
指示はしていたんだけど、3Qの出だしで戻らない、キャッチアップをしないとなると、ダメージが大きい。敗因はディフェンス。ディフェンスで向こうが苦しんでいるのに、キャッチアップしなくなる。6点差からどんどん離されていく。相手のシュートがマグレで入ったときに、もう一回ディフェンスで頑張れれば良いんだけど、頑張りきれない。心のスタミナがない。同じ負けでもディフェンスを頑張ってくれていればまだ活路は見い出せる。ディフェンスでリバウンドを頑張らなきゃいけない。そこが今チームが負け込んでいる原因。後半が勝負だなと思って、4年生を休ませる意味で3年生を出した。榎は経験もあるし、怪我から復帰したばっかりなのでゲームに慣れさせるために出した。ガードとして良く話すから、期待していた。対策は色々してきたけど、得点につながらない。得点力がうちは低い。でも山口が中心になって攻めてくれることが重要。入り始めると止まらないから、彼。期待している。負けるのはディフェンスが原因。誰が、じゃなくて、全員。ディフェンスが一番人を見れる。できなくはないんだけどね。次戦はディフェンスを頑張らない限り勝ちはない。選手も頭では分かっていると思う。選手自身がどう変わるか。絶対、俺は諦めないので。まず一つ、まず一つ勝利に向けて、ディフェンスをやらせます。
・岩淵(済3=新潟商)
あそこまでシュートが入らなかったり、ターンオーバーが多かったりしたことが今まで無かったので、もう正直何をすれば勝てるのかが分からない。技術というより、気持ちで負けているのだと思う。3Qはスタートがターンオーバーが入ってしまって、そこで気持ち的に落ちたことで、点差が離れてしまってこの結果につながった。ターンオーバーをしたとしても、しっかり戻って守ることができれば良かったが、そのまま戻らず、相手に気持ちよくバスケットをやらせてしまった。今の自分たちは気持ちよくバスケットをできていないと思う。去年の勝ってる試合を見ると、自分たちの持ち味の速いオフェンスができていた。それが今年は全然できていなくて、いつもセットオフェンスになっている。そういうことをミーティングで話してはいるが、まだいい結果に結びついていない。もう落ちるところまで落ちているので、みんなが思い切りプレーしていくしかない。それを結果につなげてまず1勝して、この連敗を止めなければならない。
・榎(済3=市立船橋)
歯車が合わないというか、みんなばらばらすぎてどうすればいいのか自分の中でためていたのが問題だなと思う。次、負けたらまずいので来週からの練習を気を引き締めてやらないと本当に3部降格がみえてきてしまう。今、4年生が苦しんでいる中で3年の自分たちがサポートしてあげなきゃいけないと思う。(今日の1番の課題は)キャッチアップが遅れているというのと、ディフェンスでミドルレーンばかり抜かれてそこからのパスアウトで相手に気持ちよくやられるというのが多かったので、オフェンスよりもディフェンスを意識してやるのが課題だと思う。(今日重要視した点)今までの負けている敗因としては得点が取れないというところ。何で取れないかというとペースがすごく遅い。なので、そのペースを上げるために自分がきりこんで早い段階でボールをさばいたりしてウイングマンに気持ちよく1対1させるということを意識した。(声かけを多くしていたが)相手のリズムになるとどうしても4年生が考えすぎて喋らなくなってしまう。そうなると、さらに歯車が合わなくなって、ずっと相手のペースのままになることが多い。自分が声を出せば4年生もそれについてきてくれるっていうのは分かっていたので、これはもう自分が出すしかないと思っていた。(けがからの復帰について)正直まだ痛い。肩を脱臼してまだ全然上がらない状態。本当は復帰はまだだったが、チームのことを考えたらこのままじゃまずいなと感じ復帰するしかないと思った。(4年生について)壁にぶつかっているが、いつかはかみ合うだろうと思って自分たちはサポートするしかないと思う。(次戦に向けて)いろんな人が言っていると思うが、次こそ勝つ。本当に本当に勝たなきゃいけないと思う。このままじゃ駄目というのは思っているので、そのためにもこの1週間の練習しっかりやって頑張っていきたいと思います。
TEXT=水野桜 POHTO=木谷加奈子、高橋雪乃、水野桜