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平成28年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
10月16日(日)ダイドードリンコアイスアリーナ
東洋大9―7法大
[ゴール(アシスト)]
8:06 佐藤
15:24 人里(佐藤、成田)
29:31 人里(渡邉、古川誠)
29:51 柴田(田中)
35:13 山田(坂井、出口)
43:11 人里(渡邉、古川誠)
45:16 出口(人里、古川誠)
48:18 古川誠
57:12石倉(宮倉)
同点ゴールと意地を見せたFW山田
逆転ゴールを決めガッツポーズで喜ぶFW人里
喜びを分かち合う
開始5分でまさかの3失点、2点を返すが2-3で2ピリへ。2ピリラスト5分にはFW山田(社3=埼玉栄)による同点ゴールが決まる。5-5で迎えた3ピリ、FW人里主将(社4=白樺学園)の逆転ゴールを皮切りに、その後も追加点を挙げ、9-7となんとか2次リーグ初戦を勝ち切った。
開始わずか5分だった。放たれたシュートが次々ゴールを破り、あっと言う間に法大が2点先制、そしてペナルティにより3人対5人のSH(ショートハンド)となった隙にも1点を追加されてしまう。しかしDF佐藤(社2=駒大苫小牧)が1点を返すことに成功。「ちょっとは流れを変えられたら」とタイミングよく足元にきたパックをゴールに放り入れた。その後FW人里が2点目を返すが、1点差を詰められず2―3で2ピリへ持ち越す。「1ピリのことはすべて忘れて2ピリ以降集中しよう」という鈴木監督のアドバイスを胸にリンクへ上がるが、またしても法大にゴールを許す。GKは古川駿から練習でもいい動きを見せていたというGK水田(社1=駒大苫小牧)にチェンジ。チェンジ直後に1点を入れられるものの、PP(パワープレー)のチャンスにFW人里が素早く反応しゴール。その20秒後にもシュートが決まり4―5と法大に迫った。そしてついに2ピリ終了5分前に、相手GKからはじかれたリバウンドをFW山田が拾い同点ゴールに結び付けた。
勝機は3ピリに訪れる。開始3分、逆転ゴールはFW人里によって放り込まれた。3点差からの逆転劇には場内も盛り上がりを見せた。その後法大に得点も許すが終始リードし9―7で試合終了した。
失点が目立った試合となり「守りの面で反省が多かった。もう一度修正していきたい」と監督も顔を曇らせた。しかし「優勝チームには、どんな状況でも勝つ道を見出すことが求められる。その部分で勝利できたということは評価できる」と称えた。FW人里も「負けていた状況から逆転して勝つことができたのはチームにもプラスになる勝利だった」と勝利の重要さを再確認した。
守備の課題が見つかり反省も残る試合になったが、2次リーグ初戦は白星スタートを切った。FW山田は「二巡目になってくると、東洋はこういう試合をしてくるというのが知られると思うが、関係ない。自分たちの"走って当たる"ホッケーをしていけたらいいと思う」と意気込む。優勝するためには、もう一戦も負けていられない。東洋らしさ全開で2次リーグを戦い始める。
■コメント
・鈴木監督
今日のような試合は選手時代も、スタッフになってからも経験があまりない試合。大きく反省するところはたくさんあった、チームのリーグ戦の中ではワーストゲームの内容。しかし優勝するチームというのはどんな状況においても勝つ道を見つけなければならない、守りの点も反省は多かったがその分全員でカバーしてゴールに向かい続けたということが9得点に、また勝利できたということは評価できる。(GKのチェンジは)アンラッキーな失点もあったんですが、古川駿もちょっと落ちつかない試合だった。水田は練習でもいいもの見せてましたし、いい評価があったので、1度水田にもチャンスを与えようと、また水田もよくやってくれた。他にも1年生のフレッシュな選手たちがチームに勢いを与えてくれた。(1ピリ後には)1ピリのことはすべて忘れて2ピリ以降どれだけ集中できるかが大事という話をした。(反則は)メンタル面も大きくあった、ただジャッチの基準を探しきれなかったのが1番反則が多くなった原因。(今後は)守りをもう一度修正したい。2次リーグ始まったので、新しい気持ちで。どんな形であっても今は勝ち切ることが重要。
・FW人里主将(社4=白樺学園)
(立ち上がりの3失点は)そうですね。昨日は氷上練習が無くて、あまり言い訳はしたくないんですけど自分達の準備不足でああいう形になってしまったのかなと思う。(ガッツポーズも見えた自身のプレーは)まぁ、あんまりいつもはガッツポーズなんかしないので、とりあえず決められて良かった。チームを少し勝利に近づけたかなと思ってホッとしました。(2次リーグが始まったが)僕達はもう後が無い。もう負けられない試合が続く中で、今日負けていた状況から逆転して勝つことができたのはチームにもプラスになる勝利だと思います。これでまだ優勝の可能性も残っているので、今日悪かった点を修正して今後の試合につなげられたらと思います。
・FW山田(社3=埼玉栄)
最初の5分をしっかりやろうと思っていたが、開始早々点を取られてしまった。取られたことは仕方がないので、みんなで切り替えて勝つチャンスは残っていることを話し合って巻き返して、大味な試合になったが勝てたので良かった。(同点ゴールについて)あれは周りのみんなが走って努力してくれて、ちょうど僕のところにパットが来ただけなので。周りのラインメイトがくれたゴール。(点差が開いていた時のプレッシャーなど)3点入れられた後に、2点をテンポ良く取り返すことができたのは、自分たちの"走って当たって"というホッケーがしっかりできたから。それができれば得点はついてくるので、焦りもなく60分プレーできたかなと思う。(試合の流れが第2ピリオドのタイムアウト後から変わったが)点差が離れて、第2ピリオドに変わる前にも、「前のピリオドは忘れて、次のピリオドに集中しよう」ということだったが、そこで気持ちの面が切り替えられていない選手がいたのが見受けられた。そこで改めてタイムアウトを取ったという形。あそこでみんなが気持ちを切り替えることができたと思う。(リーグ戦後半戦を勝利で飾ることができたが、この後の試合はどのように戦っていきたいか)2巡目になってくると、相手も東洋はこういう試合をしてくるというのが分かられると思う。それを分かられても、東洋は関係ない。相手の手の内や、チームカラーもこっちも分かるので、条件は同じ。自分たちの"走って当たる"ホッケーをしていけたらいいと思う。
・DF佐藤(社2=駒大苫小牧)
最初一気に3得点されて、1点決めることはできたが1ピリ終わって2-3で負けていて、失点しないようにとは思っていたが7点も入れられてしまった。でも9得点できたことはよかった。(最初の3失点は)1ピリだったのでそこまでヤバイという気持ちはなかったが、少しは焦る気持ちがあった。(1得点目を決めれたことは)ちょっとは流れを変えるきっかけになったと思う。いいスクリーンがあって、ゴールがガラ空きだったので簡単に決めれた。(DFとして)良かったところはない。リバウンドとかかなり叩かれたり、球出しも遅かったし、Dゾーンの時間が長かったから。7失点したら基本勝てないので、今後は悪くても3点に抑えたい。いい形で勝ったわけではないので、次の試合までに調整していきたい。
・FW古川誠(社2=白樺学園)
今日は2次リーグの初戦だったのに立ち上がりがすごく悪くて、勝てたっていう結果だけが今日の中で良かったことです。普段出てない選手も良いプレーを見せていたと思う。(今日のオフェンス陣は)春の時から同じセットでやって、調子悪い時はよく喋るようにしてるんですけど、調子良い時はあんまり喋らずに自分達のやりたいことをやっている。それにみんなが合わせるという形。自分のセットはみんな得点能力が高いのでアシスト、ゴールともに誰でもできる。(次へ向けて)もう負けられないので。負けたら優勝も無いですし、どんなチームとやっても勝ちにいきたいと思います。
TEXT=玉置彩華 PHOTO=菊池美玖、美浪健五