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2016.11.23
ラグビー

[ラグビー]立正大と互角に渡り合うも...最終戦飾れず

2016年度関東大学ラグビーリーグ戦2部・立正大戦

11月19日(土) 14:00K.O 熊谷ラグビー場Cグラウンド

●東洋大 14{7ー15、7ー6}21  立正大


東洋大
スコア
立正大
前半
後半
得点
前半
後半
T
G
P

D



15
14合計
21


背番号/ポジション
名前
出身校
学年
1/PR
木田 大雅
国学院栃木
2/HO
岡部 景和
東福岡

3/PR
古舘 康大
盛岡工業

4/LO
常泉 達
国学院栃木
5/LO
川島 卓也国学院栃木
6/FL
黒川 眞琴
石見智翠館
7/FL
高野 雅義
報徳学園
8/No,8
石井 勇輝
日体荏原
9/SH
内野 晃成
長崎海星

10/SO
村上 春太
仙台育英
11/WTB
田淵 恵太
昌平

12/CTB
古川 拓実
目黒学院

⑬/CTB柳井 佑太荒尾
14/WTB
平原 賢国学院栃木
15/FB
尾花 耕平
国学院栃木


    Reserve Member  
16藤倉 拓郎黒沢尻工業
17舘澤 徹士盛岡工業
18小山内 健昌平
19小林 瑠偉日川
20釜 英将伊奈学園2
21渡邊 駿介春日丘
22佐々木 優悟仙台工業
23小宮 幸太長崎北


・選手交代/ポジション変更

後半12分 PR古舘→小山内

17分 No.8石井→渡辺

25分 PR木田→藤倉

   HO岡部→舘澤

   LO川島→小林

外国人擁する相手FW陣に怯むことなく押し切った

試合後、応援し続けてくれた仲間や観客に向けて最後の挨拶を行った。

 今季最終戦となった立正大との試合は14―21で惜敗。前半はキックゲームとなり厳しい戦いを強いられたものの、後半は対等にゲームを進めていく。しかし、前半の失点が響き有終の美を飾ることはかなわなかった。 

見えない壁を越えることはできなかった。前回の試合で入れ替え戦出場の可能性は消滅したものの、高野監督就任後1度も経験のないシーズン5勝を賭けて、そして主将の柳井(済4=荒尾)ら4年生の最後の試合に臨んだ。相手の立正大には春のオープン戦最終戦で見事勝利を収め、一見すると相性はいい。外国人を擁し、破壊力のあるチームだが、この試合も春の試合同様その破壊力を抑え続けていた。しかし、敵陣で攻めようとするもキックで相手に後退させられてしまい、立正大が「何をしても勝つという粘り強さが感じられた」と指揮官が話すように思うような攻め方が出来ない。さらに、前半はラインアウトがほとんど決まらず、不利な状況で戦うことを強いられ、先制を許してしまう。「縮んでしまっていた」と木田(済4=国学院栃木)が言うようにどんよりとした雰囲気が試合を覆う中、ようやく活気が出てきたのは前半30分過ぎ。今年の戦い方を象徴する、フォワードの力強さが表れたモールでトライを奪うと、選手たちの表情からは不安が払しょくされた。これでようやく勢いに乗ったフィフティーンは、後半では前半とうって変わって果敢に攻めていき、相手を委縮させていった。しかし「何をしても勝つ」という立正大の粘り強さは一筋縄ではなかった。トライこそ許さなかったものの、ゴールで点差を広げられ、前半に乗り切れなかったことが響き敗戦。後半にトライをもう1本奪っていれば、不動のキッカーとして得点を稼いでいた平原(総3=国学院栃木)のゴールで同点に追いつけただけに悔しい最終戦となってしまった。

 試合後監督は、試合に出場した4年生らに「誇りに思う」と声を掛けていった。最終戦は入れ替え戦が懸かっておらず、試合への臨み方はとても難しい状況だった。しかし、「人柄が出ていた」と主将である柳井の諦めない精神がチーム全体に波及。「後輩たちに何かを残したい」と古舘も口にしたように、自分たちが達成できなかった1部への夢を後輩たちに託した。4年生は卒業後もラグビーを続ける者、この試合でユニフォームを脱ぐ者と様々。残された後輩たちも試合が終わった後から来年に向けての戦いは始まっている。この悔しい思いを糧に、選手たちはそれぞれの道に歩んでいく。

▪コメント

・高野監督

 年間で5勝という自分が監督に就任してから1度もないことを達成するために、ここ1週間素晴らしい練習を行ってきた。後悔はなく、一つの見えない大きな壁を打ち破るにはとてつもないエネルギーが必要だなと感じました。ただリーグ戦を終えて悲観するのではなく、今年は1位から4位まで紙一重だったので見つめ直して、残る選手で頑張っていきたいなと思う。1部を経験している大学というのは何をしても勝つという粘り強さを感じられた。相手にいいロングキッカーがいて、キックゲームに持ち込まれてしまった。ラインアウトが前半精度が低く、後半は持ち直せたと思う。強い外国人がいたりと、破壊力のある相手だったが今までなら簡単に抜かれていたが、そこを耐えられるようになった。ラグビーの醍醐味である後半40分を戦えるようになったと思う。(試合終了後、4年生にどのような声をかけていたのか)簡単に言うと「誇りに思うよ君たちを」と。この試合は入れ替え戦出場も懸かってなくて、試合に臨むのが難しいところを最後まで諦めずにキャプテンの柳井の人柄が出ていたと思う。柳井組を誇りに思います。学生だから誰が伸びるかは分からないし、伸ばすために自分たちが頑張るしかない。東洋大学のラグビーを見てて熱くなれるという文化は根付いてきた。もっと熱いチームを作っていきたい。

・柳井主将(済4=荒尾)

    やってきたことはしっかり出ていた。後半は追い上げることができた。ハードな試合でした。相手には外国人選手や体の強い選手がいたけれど、それに対してはタックルでは負けていなかった。(大学最後の試合だったが)1部昇格を目指してやってきたので、結果を残せなかったというのと、もっとやれた部分もあったのかもしれない。でも、他に残せるものはあったので、それは残せたのかなと思います。(主将を務めて)やっぱり、チームをまとめるのは大変だった。自分自身まとめるのは下手で、しゃべるのも下手だったんですけど、みんなが助けてくれたので、最後までやり遂げることができました。(後輩達へ)もっともっと厳しくやって欲しい。上位校と3試合やってみて、やっぱりまだ壁があるので、そこをしっかりぶち破るくらいストイックにやってもらいたいです。1部の壁を乗り越えられるように、しっかりチャレンジして欲しいと思います。

・木田(済4=國學院栃木)
負けて悔しかった。始めにトライを取られたが、最終戦だったので崩れず、東洋らしく笑顔でプレーできた。前半マネジメントが悪くて、縮んでプレーしてた。心の持ちようが厳しくかった。後半はマネジメントが立ち直って、楽にできた。4年間あっという間だった。このメンバーで柳井のもとでできてよかった。東洋大学に来て良かったなて思えるチームに最後なれたので、悔いはない。4年生はみんな仲良い。出てないメンバーも後輩を引っ張って、応援してくれたり、東洋ファミリーを1番実感できた学年だった。(来年)一部昇格と自分の社会人チームに入ってくれることを期待してる。

・岡部(済4=東福岡)
悔しかったが、個人ではラグビー人生最後の試合だったので楽しもうと思ってプレーした。四年生が1番辛かった。最上級生として、と副キャプテンだったので、チームを引っ張らないと、という責任があった。でも終わってみると良い思い出だった。みんながみんな仲良かった。試合出てないメンバーも応援してくれたりと一つになって、良い学年だった。一部昇格してほしい。

・古舘(済4=盛岡工業)

 後輩に何かを残したいと。自分が教えられるのはセットプレーなので、ちゃんと後輩たちに教えたいなと思いました。100%出し切れたかと言えばそうではなかった。自分たちも対策はしてきたが、ちょっとしたところで相手が勝っていた。(春から立正大は)プレーの細かさが変わっていた。春は自分たちが体の大きさや我慢強さで勝っていたと思うが、シーズンに入って立正大が成長してきたと思う。最後にトライを取り切れなかったり、ゴールゾーンに持ち込まれてトライされてしまったり。本来自分たちがやらなきゃいけないことをやられた。フィールドプレーとかのディフェンスはスクラム等、こだわってきた所は上手く出来たと思う。前3人が4年生で、来年の三人は練習でいつも組んでいたので彼らは成長していくと思う。今後はラグビー続けるので、東洋で経験したことを糧に、次にステップアップしていきたい。

TEXT=青池藤吾 PHOTO=菅野晋太郎、星川莉那