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第10回アジア水泳選手権2016
11月17日(木)〜20日(日)東京国際辰巳水泳場
(1日目・決勝)
◆女子200mバタフライ
3位 中野 2'10"90
◆男子200m自由形
4位 天井 1'48"14
◆女子400m個人メドレー
3位 大橋 4'44"75
(2日目・予選)
◆女子200m平泳ぎ
1着 青木 2'27"16
→全体1位で決勝進出
◆男子400m自由形
2着 天井 3'56"02
→全体5位で決勝進出
(2日目・決勝)
◆女子200m平泳ぎ
1位 青木 2'22"74※大会新記録
◆男子400m自由形
2位 天井 3'51"09
◆男子4×200mフリーリレー
1位 JAPAN(松元-天井-瀬戸-吉田)
7'13"14※大会新記録
青木は200m平泳ぎで優勝を飾る
一度もトップを譲らない圧巻の泳ぎ
天井は個人で銀メダル、リレーで金メダルに輝く
後半に怒とうの追い上げを見せた
応援に駆け付けた水泳部に笑顔を向ける大橋
準備不足を掲げ、残る200m個人メドレーに期待がかかる
友達、両親の応援を力に奮闘した中野
予選からタイムを大幅に修正した
17日から4日間に渡って繰り広げられている、アジアNo.1を決めるアジア選手権。青木(営4=武蔵野)、天井(文4=天理)、大橋(国3=草津東)、中野(文1=長岡大手)の4名が日本代表に選出され、大会2日目にして4選手全員がメダルを獲得する好成績を残した。
大会2日目の18日、女子200m平泳ぎに出場した青木は、予選を1位通過で決勝に進む。迎えた決勝レース、「最初のひと掻き、ひと蹴り、そして最初の3掻きまでを落ち着いていけ」という平井監督のアドバイスは吉と出る。飛び込み直後から他の選手に頭一つ分のリードをつけると、一度もトップを譲ることなくフィニッシュ。この種目においてリオ五輪銅メダリストである、シ・セイリン(中国)を差し置いて見事優勝を飾った。
自己ベストにはあと0.3秒届かなかったものの、人生2度目の2分22秒台が出たこと、さらに優勝できたことに本人も納得の「100点」。従来の大会記録を2秒以上更新する、圧倒的な泳ぎを見せ、表彰台の頂点で笑顔が弾けた。
大会初日、男子200m自由形で4位と悔しい思いをした天井だったが、気持ちを切り替え2日目の400m自由形に挑んだ。序盤は5位につけ、後半にパワーを温存した。天井の追い上げは残り100mで始まると、一気に3人を抜き2位でゴール。2008年アテネ五輪において、この種目金メダリストのパク・テファン(韓国)に続く銀メダルに輝いた。「応援にかけつけた水泳部の前で変なレースは見せられない」と、仲間の声援も力になった。
個人種目の決勝の後には、4×200mフリーリレー決勝が行われた。松元(明大)、吉田(明大)、瀬戸(早大)と組んだこのレースで、天井は第2泳者を務める。日本と中国のデットヒートが繰り広げられ、日本は大会新記録で優勝。天井は、金と銀、二つのメダルを獲得した。
また、初日の女子200mバタフライで中野が3位、女子400m個人メドレーで大橋が3位に入賞した。中野のレースはこの1種目だけだが、予選から決勝という短い間で泳ぎの感覚を調整するなど、国際大会で大きな収穫を得た。大橋はシニアでは初となるJAPANのユニフォームを身にまとい登場。大会4日目にも200m個人メドレーのレースが控えている。大会初日の不安を払拭し、さらに良い色のメダルを狙う。
■コメント
・青木(営4=武蔵野)
―1日目(17日決勝レース後)―
優勝できたのでよかった。22秒台が出たら100点だと思っていた。レース前には、最初の3掻きを落ち着いていけと言われた。ひと掻きひと蹴りして、最初の3掻きを落ち着いていって、ビルドアップ(だんだん上げていく)のような感じでいけとレース前に平井監督から言われていた。最初落ち着いていって、徐々に上げていくようなレースができたと思います。招集場で平井先生が前の人たちが金メダルを続けて獲っているから、お前も頑張れとプレッシャーをかけられていた。日本の平泳ぎは国内のレベルが高いので、しっかり国内で代表権を獲得して世界大会に出たいと思う。まずは、4月に世界選手権の代表権獲得を目指して頑張りたいと思う。
・天井(文4=天理)
―1日目(17日決勝レース後)―
もっといけると思ったが、力んでしまってあまり良い泳ぎは出来てなかった。自分より格上の選手と勝負出来るというのは楽しみだったが、もっと食いついていけるようなレースがしたかった。それが出来なかったのでこれからの課題だと思う。代表合宿から良い泳ぎで調子を保てていたので今日の結果は満足いけるものではないので悔しい。次は短水路での試合になるので、しっかり良い泳ぎをしてリレーではメダルを取れるように頑張っていきたい。
―2日目(18日決勝レース後)―
金メダルをとれてすごく嬉しい。400m自由形のすぐ後だったが、リレーなので自分の役割をしっかり果たそうと、今ある力を全部出し切った。こういう国際大会で予選決勝と調子を上げていけたこと、調整しながらできたことはこの大会での収穫になった。(昨日は)もっといくと思っていたが、気持ちと体がうまく噛み合わなかった。気持ちばっかりが先走ってしまった。噛み合ってなかったのかなって思う。タイム的には良くはないが、次に繋がるようなレースだったのでよかった。東洋のみんなと組むリレーとは違った雰囲気を味わうことができ、とても楽しかった。東洋の水泳部がみんな来てくれて、みんな見てくれているので、変なレースは見せられないなあと思って泳いだ。僕のレースの直前のレースで玲樹奈が優勝してくれて、あ、俺もいかないとな!って思えたのですごく感謝している。
・大橋(国3=草津東)
―1日目(17日決勝レース後)
思っていたレースが全然出来なかった。スタートやターンは段々良くなってきて試合で使えるようになっているが、今日は準備不足もあるし練習不足だったりで全体的に悪かった。予選からもっとしっかりしたレースをしようと思っていたが、出来なくて不安な面が多かった。直前のウォーミングアップは上手くいっていたのでもう少しどこがいけないのか考えなくてはいけない。(日本代表は)周りの選手も早いし、ベテランから若手の選手までいるがそれぞれ行動のルーティンとかかあってそういう部分を学んでいきたい。
・中野(文1=長岡大手)
―1日目(17日決勝レース後)
予選のアップの時は泳いでみて調子が良かったが、レースを泳いでみてこんなにタイムが悪いのかと思った。決勝では平井先生と相談して、アップのやり方を短距離でスピードを出すよりは200mに近い形でスピードを出す形に変えてみて、そっちの方が自分に合っていた。予選から3秒近く上げられたのは良かった。(今回の目標は)インカレでは予選で2分11秒、決勝で9秒だったので予選から上回る予定だったが全然出なかった。あんまり大会前に合宿をした事が無かったので、精神的に合宿っていうのが辛かったっていうのはあった。今後は世界短水路に向けて短水路での練習をしていきたい。やっと戻ってきたという感じはある。今日は両親も東京だからという事で夜行バスで来てくれて、応援があったからタイムを上げられたっていうのはある。
TEXT=菊池美玖 PHOTO=望月優希、菊池美玖