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平成28年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
11月20日(日) ダイドードリンコアイスアリーナ
東洋大5―2中大
[ゴール(アシスト)]
2:55 山田(柴田、阿部)
6:14 渡邉(人里)
28:11 石倉(宮倉、坂本)
28:41 古川誠(出口、渡邉)
59:59 柴田(EN)
ゴールに沸く選手たち
FW山田がまず1点を返した
逆転ゴールを決めたFW石倉
現在首位・中大との直接対決。2点ビハインドから得点を重ね、見事5―2で逆転勝利を収めた。これにより依然として無敗をキープし、優勝戦線に残った。中大が学生相手に黒星を喫したのは2年ぶり。東洋大としては2014―2015シーズンの秋季リーグ一巡目以来の勝利だ。
このままでは終われない。これからは勝つチームなんだ――鈴木監督が選手にかけた言葉だ。1ピリ、中大にSH(ショートハンド)ゴールを含む2点を献上し、序盤で試合が大きく動く。すかさず1点を取り返したのは今季アシスタントキャプテンも務めるFW山田(社3=埼玉栄)だ。ゴール手前からリバウンドを押し込み、「狙い通りだった」と相手陣を研究し尽くした頭脳派ゴールを決める。さらに5人対3人の絶好のチャンスではパス回しからDF渡邉(社2=日光明峰)がワンタイムシュートを決め、2―2の同点に追い付いた。
試合が振り出しに戻った2ピリ、両校の固い守りがゴールに向かうパックの行く手を阻む。逆転劇は突然訪れた。「とにかく足を動かす意識をした」と、がむしゃらな1年生・FW石倉(社1=八戸工大一)が持ち前のスピードを生かしてパックをゴール前まで運び、逆転打を決める。そのわずか30秒後にはFW古川誠(社2=白樺学園)が追加点を挙げ、4―2と差を広げた。
一巡目では2点リードから追い付かれ、引き分けに終わった中大戦。春も同様に、中大はビハインドからの巻き返しに強く、決して気は抜けなかった。鈴木監督が「このままでは終われない。これからは勝つチームなんだ」と言葉をかけ迎えた3ピリ。ラスト1分30秒からの6人攻撃にも耐えしのぎ、最後はエンプティ―ネットゴールを決め5―2。今季無敗の中大に、ついに黒星を付けた。
攻守がかみ合った試合だった。持ち前の激しいチェックは健在ながらも反則は激減。DF陣の果敢なシュートブロックとGK古川駿(社2=八戸工大一)のナイスセーブでゴールを守り切り、PP(パワープレー)では攻めに徹しチャンスをものにした。「精神的にも成長が感じられた」と鈴木監督が評価するように、リーグ戦を通してチームは確実に強くなっている。
現在の東洋大はリーグ唯一の無敗ながらも引き分けが後を引き3位。他大学の結果次第では悲願のリーグ優勝への可能性を残した。「僕たちはあと2試合勝つしかない(山田)」。次戦は中大と勝ち点が並ぶ2位の明大が相手だ。勢いそのままに、明大の壁をも破りにいく。
◼︎コメント
・鈴木監督
(1ピリの2失点は)厳しいスタートだったが、早い段階での失点だったので取り返す時間がたくさんあった。ベンチでも焦りがないように感じたので、精神的にもチームの成長が感じられた。(第3セットの活躍は)1ピリでは特に第3セットが良い働きをしてくれていて、練習から良い動きをしていたのでそれを継続してくれた。PPもあのラインがほとんど取ってきてくれたので、彼らの活躍は大きかった。(同点に追い付いてからの指示は)追い付いたことで安心しないで、まだまだここからプッシュして上げていかなければいけないという話はした。(3ピリでかけた言葉は)このままでは終われない。これからは勝つチームなんだと。全員が勝てると信じているし、勝つチーム。それを実行してくれた。中大との1次リーグでは2点差を追い付かれて、明大との試合では逆に2点差を追い付いてという経験が3ピリの締まったゲームを生んだんじゃないかと思う。今までは同点から守りに入って失点していたが、今回はスコアリングチャンスがあれば攻めて、アグレッシブにプレッシャーをかけることができたと思う。(これで優勝への望みをつなげたが)もちろん大きな目標である優勝は変わらないが、目の前のものに戦っていくしかない。今回のような良いチャレンジ、フィジカル面やメンタル面で臨みたい。
・FW山田(社3=埼玉栄)
(今日の試合は)優勝するためにここからの3戦勝つしかないということで臨んだ。変に気負ったりすることなくすんなり入れたと思ったが、最初に失点してしまった。60分間の中で焦らずみんなで1点1点返そうということでやった結果、自分が先制点を決めてそこから5連続得点しで勝てたのは大きかったと思う。(ゴールシーンは)PPだったが、試合前にビデオを見て相手はつめてくると言われていたので、(ゴール前の)真ん中にいればチャンスになると思い真ん中に行ったら案の定チャンスになっていいところで決めることができた。狙い通りだった。(今日の試合で)良かった点は、60分走りきれて、相手に走り勝って、相手に当たり勝つ東洋のホッケーの軸を貫き通せたところ。スタートの2分で2失点してしまったので、もっとシンプルにスタートして試合に入っていけれたらより良かったと思う。中央に勝つことは目標ではなく優勝することが目標なので、僕たちはあと2試合勝つしかない。まずは(次節の)明治に勝ちたい。
・DF渡邊亮秀(社2=日光明峰)
1ピリの最初に2失点してしまい、後から2点を追う形になったけれど、チームが全然下向かないで前向いていて、1ピリで同点に追いつけたのが大きかったと思う。1点ずつ返していって2ピリで逆転できた。2ピリの途中で嫌な時間もあったが駿(古川)を筆頭に我慢して守り切って、3ピリでエンプティー以外では得点出来なかったけど、我慢して我慢して最後まで守ることができた。1次リーグは引き分けまで持っていかれてしまったが、2次では一瞬一瞬集中していたかな。勝てるかもしれない、とか先を考えないで、一回一回のプレーを大事にしていたから勝てたと思う。(自身のプレーに関して)自分はDFだが、みんなディフェンスをシンプルにフォワードに繋いだり無理なプレーしないで簡単にやったりしたのが個人的にも全体的にも良かった。得点したときは5人対3人って形だったが、いつも決めているので。少し固さはあったが、いいパスをもらったので決めることができた (次戦に向けて)立ち上がりを明治戦では修正して、最初から東洋のプレーをできるようにしていきたい。
・FW石倉(社1=八戸工大一)
出だしで2点を決められてしまったが、1ピリから3ピリまで足を動かしていれば得点につながると思っていた。結果として勝てたので良かった。(同点に追い付いてからの2ピリは)足を動かそうということで、とにかくパックをゴール前に運ぶ意識をした。(中大に対して)一巡目は引き分けたが、今回は絶対に勝てると信じていた。中大とは互角のチームだと思っているので、油断をせずに「東洋のホッケー」をした結果が勝利につながったと思う。(自身について)僕は1セット目のようなスキルは特別無いと思っているので、足を動かして相手に当たって、チャンスを生かして得点につなげている。(残り2試合に向けて)中大に勝って満足するのではなく、残り2試合もしっかり勝ち点を取りにいく。優勝は他の結果次第ではあるが、気を引き締めて次の明大戦は勝ちたい。
TEXT=坂口こよみ PHOTO=外狩春佳、金澤瑞季