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2016.12.09
レスリング

[レスリング]秋季新人戦・東日本学生選手権 チーム大躍進!13人が表彰台

東日本学生秋季新人選手権/東日本学生選手権

12月5日(月)〜7日(水) 駒沢体育館

東日本学生秋季新人戦

[上位入賞者]

男子フリースタイル
57
㌔級 松岡 ベスト8(ラ2=海洋)
61
㌔級 川瀬 3位(済2=いなべ総合)
61
㌔級 黒木建 ベスト8(済1=宮崎工)
65
㌔級 成富 ベスト8(社1=花咲徳栄)
70
㌔級 斉藤 ベスト8(済2=山形商)
70
㌔級 磯部 ベスト8(社1=中津商業)
86
㌔級 川畑孔 3位(法1=樟南)
97
㌔級 中村 3位(ラ2=宮崎工)

 

男子グレコローマンスタイル

66㌔級 成富 3位
75
㌔級 芝元 ベスト8(法1=宮崎農)
98
㌔級 中村 3位

 

東日本学生選手権

[上位入賞者]

男子フリースタイル

61㌔級 岡迫優 準優勝(社3=霞ヶ浦)

70㌔級 菊地 3位(済3=山形商)

70㌔級 鈴木岳 ベスト8(ラ3=霞ヶ浦)

86㌔級 川畑光 優勝(社3=樟南)

86㌔級 マルチネス 3位(社3=上田西)

97㌔級 鈴木雄 3位(文4=霞ヶ浦)

125㌔級 山口 優勝(済3=いなべ総合)

 

男子グレコローマンスタイル

59㌔級 室伏 ベスト8(法3=飛龍)

71㌔級 南條 3位(法4=育英)

80㌔級 伊藤翔 優勝(社3=蔵敷総産)

98㌔級 間島 優勝(済3=高岡商)


新人戦で活躍を見せた1、2年生

川瀬はようやく大舞台で力を発揮

準々決勝、連続技でフォール勝ちを収めた成富

東日本学生選手権でも多くの入賞者が出た


 2日間にわたり東日本学生秋季新人戦が駒沢体育館で開催された。東洋大からは多くの選手がベスト8進出を果たし、4名の選手が3位入賞を果たした。

 

 男子フリースタイル61㌔級では、川瀬が3位入賞。若松監督からもずっと「入賞しろ」と言われていたという川瀬は、入学後初のメダルを手にして喜びをあらわにした。1、2回戦はテクニカルフォールで順当に勝ち上がり、迎えた準々決勝。先制点を獲得したが相手に隙をつかれリードを許す。点差は縮まらないまま時間のみが過ぎるが、川瀬は諦めなかった。残り20秒を切ったとき、得意技の頭外の片足タックルが決まった。そのまま相手を押さえ、試合終了。判定は5―4で川瀬の勝利だった。「このまま相手を押さえておけば勝てると思っていたら、ホイッスルが鳴りほっとした」と、安堵の表情をみせる。続く準決勝では惜しくも勝利とはならなかったものの、誇らしげに表彰台に立った。成長をみせた川瀬に監督からは「まだまだ伸びる」の一言。これからの活躍にも期待がかかる。

 昨年の同大会のフリースタイル65㌔級で3位に入賞した成富。今回はグレコローマンスタイル66㌔級で同じく3位入賞を果たす。フリースタイルを中心としているだけに、グレコローマンスタイルでの成績には満足のいく大金星だった。準々決勝では投げ技が決まり、そのままバックを取りローリングで一気に10点を獲得。あっという間のテクニカルフォール勝ちに、「あれは奇跡だった」と自身も驚きの大技となった。監督から「諦め癖をやめろ」と言われていたという成富は「今回の勝因は諦めないでいけたところ。試合中も監督の声が聞こえ諦められなかった」と語った。

 また、12月の21日から3日間開催される天皇杯全日本選手権への出場が確定している中村は両スタイルで3位入賞を果たし、と川畑孔も春に引き続き表彰台へ上った。だが、優勝を狙っていただけに今回の結果は納得のいくものとはならなかった。二人の活躍は今年最後の大一番に持ち越しとなった。

 新人戦の翌日に行われた東日本学生選手権は3、4年生が出場。9人が入賞という好成績を残した。12月後半の全日本選手権を控えている各大学の主力は出ない大会ということもあり、東洋大の選手が入賞するチャンスはいつにも増して高かった。

 「決勝まで上がることを目標にしていた」と語る岡迫優はその目標を果たし、フリースタイル61㌔級で見事準優勝。決勝戦の相手は1年次、春季リーグ戦の日大戦で負けた相手であった。「リベンジの想いもあった」と語るも、タックルをかけられバックを決められると、思うように試合運びを展開することができなかった。しかし、11月の全日本大学選手権で大学初の8位入賞に輝いたばかりの岡迫優が1ヵ月と経たないうちに大学初の表彰台。実力は開花し始めている。快進撃が続くが、即座に課題を見つけるのも彼の性格。大学生活ラストイヤーのリーグ戦に向けて「スタミナをつけ、タックルを強化したい」と意気込んだ。

 

 1、2年生のみの出場となる新人戦。今年は6名がベスト8、4名がメダルを獲得するなど例年に無い好成績で試合を終えた。今回惜しくも結果を残すことが出来なかった選手も、最後まで諦めない試合を全員がしていた。また多くの選手がチームメイトを応援する様子が見受けられた。様々な場面で、チームとしての成長している事は試合の結果にもつながるだろう。唯一のチーム戦となる5月のリーグ戦では更なる飛躍を遂げるに違いない。

 

◼︎コメント

・船津コーチ
新人戦はあと1歩という試合が多かった。つまり、競った試合ができるようになってきたので前進はしている。諦めている試合は見当たらなかった。一生懸命戦う姿を見れたので次に繋がると思う。1年生が、全員体制で応援していてまとまりがあっていい。来年に繋がるような大会の内容だった。新人戦は3位が多かったが、みんなやりきっていたので寮に帰って会話も明るく、今までやってきたことが、意味があったことだということが分かったいい大会だったと思う。2年生は成富も復活したし、川瀬もよく頑張っていた。川瀬は今まで一生懸命練習をするが、試合では最後の最後でコケてしまうことが多かったが、今回は良かった。彼はまだまだ伸びる。寮内で胃腸炎が流行っていて川端は3日、4日前にようやく隔離部屋から解除された。結局1日目練習して動いたら、体調が悪くなっていたから、実質練習したのは2日ほど。だから、強いんですよあの子は。すごいものを、持ってる。だけど膝と肩の手術をして1年間が大きく響いている。独特なレスリングをするから相手はやりにくい。あと1年間あるから、インカレや大学選手権、グレコでいい結果を残してくれると期待している。

・岡迫優(社3=霞ヶ浦)

愛媛(全日本大学選手権)のベスト8よりもうれしい。決勝に上がることを目標にしていた。一番印象に残っている試合はやはり決勝。決勝戦は、1年生の時のリーグ戦で負けている相手だったのでリベンジの想いもあったが、負けてしまった。今回は、勝ったけれど準決勝のときに逃げてしまって注意される部分があった。タックルもあまり入れなかった。スタミナと、タックルなど自分の攻めをしていくことを来年のリーグ戦までに克服したいと思う。

・川畑光(社3=樟南)
優勝は久々だったのでうれしい。結果的に全試合フォールで勝ったが、組み立てをうまくしていったら勝手に相手が焦り始めただけで、自分も緊張はしていた。一番良かった試合は準決勝。いつもは途中でスタミナが切れてしまうので、相手をしっかり見て、ペース配分を考えてやっていったら相手の隙が見えたので、フォールに持っていった。相手の古城選手(拓大)とは何回か試合をしたことがあって、結構負けていたから今回やっと勝つことができた。失点したときに焦ってしまうところを直そうと、落ち着いて徐々に攻めていったから勝つことができたのだと思う。自分が内閣総理大臣杯が終わってからけがをしていたり、11月27日までは胃腸炎で休んでいて30日から12月4日の間しか十分な練習ができていなかった中で、勝ち進めたのは良かった。優勝は高校の時はしていたけど、大学では初。強い人が出ない大会とはいえうれしかった。次の大会は来年度のリーグ戦。今年度は弟が全試合出ていたので、自分も全試合出られるように練習していきたい。


・間島(済3=高岡商)
1位というのには満足している。ただ、攻めの甘い部分が最後に出て危ない場面になってしまった。4点技でビックポイント取られてしまい、点差があったから良かったが、差がなければそれで負けていた。甘いところをなくしてビックポイントを取られないようにしたい。相手がビックポイントで逆転を狙いに来てたので、相手の勢いに飲まれたので前半のような動きが出来なかった。これから体力をしっかり付けて、技術面でも上げていかなければいけない。(来年の)リーグ戦ではフリースタイルで闘っていくが、1つでも勝ちを多くしてチームに貢献していきたい。


・川瀬(済2=いなべ総合)

一番良かった試合は準々決勝。負けていたが、最後に練習通りに取り返すこと事が出来たのでそこが1番良かった。得意技の頭外の片足タックルが決まった。最後は点差で勝てた。最後10秒くらいで取り返した時は、ほっとした。このまま押さえておけば勝てるなと思った。そのまま笛が鳴って安心した。相手は手足も長く自分よりも背が高くやりにくかった。でも初めからわかっていたので、最初からさしていって、詰めて詰めていけた。相手からタックルもあんまり入ってこられなかったので良かった。準決は思うような試合が出来なかったので反省したい。監督からもずっと入賞しろと言われていて、やっと2年目で出来たのは良かった。次は新人戦は無いので、リーグ戦では東洋大に貢献出来るようにしたい。インカレでは自分の実力はまだまだ足りないので、もっと練習して入賞を目指せるように頑張りたい。


・成富(社2=花咲徳栄)
グレコローマンはあまりやったことがない。フリーが担当だから、できないなりにやったかなという感じ。グレコの結果には、満足している。勝てればいいかな、という気持ちだったから勝てて良かった。(準々決勝について)技が決まり続けて、あれは奇跡だった。グレコの技も分からないので、がむしゃらにやったから勝てたのかなと思う。フリーは優勝する人に当たって負けてベスト8だった。グレコはその優勝した人と1回戦で当たる予定だったが、相手が棄権したので勝ち上がれた。3回戦は、フリーで準優勝した選手と当たった。1回戦も3回戦も強い人と当たる予定で、トーナメント表的には全然いいところにいなかったが、運良く勝てた。今大会の手ごたえは、諦めないでいけたところ。いつも諦めてしまうところがある。今日は監督に諦め癖をやめろと言われたので、その面では頑張った。「お前は今回よく頑張った!」と監督には言われた。

・中村(ラ2=宮崎工)
グレコで3位というのは悔しいという気持ちの方が大きい。準決勝は途中まで内容的に勝っていたが、一瞬気を抜いてしまったところがあった。その隙に悪い流れを切れずに立て続けにポイントを取られて負けてしまった。グレコは優勝を狙っていた。最後の方に気が1回抜けたのが敗因だと思う。(具体的に)相手が攻めさせない感じにすれば良かったが、守りに入ってしまった。そこを突かれて逆に攻められてしまった。普通なら差し返したりして、攻めさせないようにするところを守りに入ってしまった。守ってもいいかな、と気が抜けてしまったのが敗因になったと思う。自分はグレコが専門ということで、フリースタイルは技も分からず、内容的にはそんなによくは無かった。なので、フリーで3位に入れたのは嬉しかった。(グレコで)準々決勝の相手は、いつもフリーでやることが多かった。今大会フリーで負けた選手に、グレコで勝てたのは良かった。1回勝てたことは、次の自信にも繋がった。(初めての天皇杯に向けて)今は、攻めの方の練習で、投げをやっている。天皇杯はいつも戦う人よりもずっと上のレベルの人と戦うので、攻める気持ちをずっと忘れないようにしたい。


・川畑孔(法1=樟南)

準決勝で4点を取られた時の処理がダメだったのが敗因。(普段からよく当たる相手だが今回は)体がでかいなと思った。でもそこまで普段と変わらなかった。得意技の片足タックルはよく入れた。今回の試合は50点。最後の対戦で4点くらったので、あまかったたのだと思う。練習しないとダメ。腰が痛くて、試合の1週間前から激しく練習が出来なかったので練習不足も試合に出てた。来年のJOCで世界ジュニアを狙うために今回は84㌔級に出た。次の天皇杯は74㌔級。社会人などもいて周りは強い相手ばかりなのでベスト8以上を狙う。


TEXT=梅山織愛、菊池美玖 PHOTO=菊池美玖、坂口こよみ