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2016.12.26
レスリング

[レスリング]学生最後の天皇杯 宮原準V

天皇杯 平成28年度全日本レスリング選手権大会

12月21日(水)~23日(金) 代々木第二体育館


男子フリースタイル

74㌔級 川畑孔 2回戦敗退(法1=樟南)

男子グレコローマンスタイル

98㌔級 中村 1回戦敗退(ラ2=宮崎工)

130㌔級 黒木柾 ベスト8(法4=宮崎工業)


女子

53㌔級 宮原 準優勝(社4=安部学院)

69㌔級 鈴木芽 2回戦敗退(社1=市立太田)

     朝野 1回戦敗退(社2=滑川)

学生最後の試合で表彰台に上った宮原


2回戦ではフォールを決めた


オリンピック代表に果敢に攻めた川畑孔


 全日本レスリング選手権(以下、天皇杯)が3日間にかけて行われた。東洋大からは6名の選手が出場。中でも宮原が準優勝と結果を残し、学生生活最後の戦いに幕を閉じた。

 宮原は2回戦、準決勝と勝ち上がり、決勝は向田(至学館)と対戦。5月に全日本選抜選手権大会の準々決勝で敗れた相手であった。宮原の苦手とする左構えの選手でもあり、苦戦を強いられることとなる。開始25秒、向田にタックルとローリングを立て続けに決められ、4ポイントを先取される。2分に差し掛かるときだった。隙を突かれ、投げ技を決められる。その投げ技を返したことで宮原に2ポイントが入るも、2-8と得点は大きく開いた。しかし、「後半吹っ切れたら動けるようになった」と語るように、第2ピリオドは向田を攻略。両者ともに技を決めることができず、得点は1ピリオド同様2-8のまま試合終了のホイッスルが鳴った。今後の課題は「技術の癖付け」。学生最後の戦いも、準優勝という結果に満足はしていない。凛とした瞳で“東京五輪金メダル”を虎視眈々と狙っている。

 また、初めての天皇杯に挑む川畑孔はフリースタイル74㌔級に登場。昨年の天皇杯優勝者、そしてリオデジャネイロ五輪男子フリースタイル74㌔級7位入賞の高谷(ALSOK)相手に善戦した。1回戦は、タックルからローリングにつなげるという攻撃スタイルを貫き、テクニカルフォール勝ちを収めると、2回戦で待ち構えていたのが高谷だった。川畑孔にとって初めての対戦であり、「トーナメント表を見た時から、とても緊張していた」と語った。高谷の持ち味であるタックルを何度もしかけられるが、グラウンドを貼りローリングされないように持ちこたえる。グラウンドを張ることは、日ごろから練習してきたことであったため、それを大きな舞台で出せたことはこれからの自信にもつながるはずだ。

 今までレスリング部を率いてきた黒木柾と宮原は卒業してしまうが、今回の天皇杯には川畑孔、中村、鈴木芽が初出場、朝野が高校3年生ぶりに出場するなど、新たな選手が台頭。来年度の明治杯やリーグ戦に向けて鍛錬の冬が始まった。


■コメント

・黒木主将(法4=宮崎工)
学生最後だったので、出来れば表彰台に乗って終わりたいと思って、気楽な感じで臨みました。(1回戦について)序盤から攻めていったので上手く投げも決まって4点取れた。対戦相手とはよくやっていたので無理せず勝とうと思った。(2回戦について)この人も試合とかでずっとやってきた人で、自分の得意な投げは決まらないと分かっていたので最初から6分間の試合は覚悟していた。要所要所の崩しとかは上手く掛かったので、コーションを取り切れなかったのが痛かった。内容的には自分にも勝つチャンスがあった試合。これで終わりというのはやっぱり悔しいですね。どうせなら表彰台に登ろうと思っていたので。(この1年間について)レスリング部の主将として色んな経験を積ませてもらった。自分も主将という立場を通じて成長出来たなと思います。メンタル面の成長や人の気持ちを考えたりとチームのコントロールをしていく中で統率力と責任感が身に着いた。レスリング生活を通して得たものは、今後も役立ってくると思う。初心を忘れずに社会に出ても頑張っていきたい。

・宮原(社4=安部学院)
自分は、左構えが苦手なタイプ。左構えの相手にはこうしていこうという練習をして来た。決勝の前半はそれが全然できなくて、後半吹っ切れてから動きができるようになった。後半にできた動きを前半からやれるように。その癖をつけていきたい。まだまだ練習が必要。(準優勝ということに対して)2年ぶりに決勝戦に出れたが、第2シードが1人出てないので、決勝までは必ずいかないといけないと思っていた。だから、準優勝という結果には満足していない。体力的、技術的にまだまだ。技術の癖つけをするために、反復練習をしていきたい。後半の戦いぶりは、こうしてこうすれば、相手はこうなるんだなという実感を持てたので、今度は、得点に繋げられることと、前半からその動きができればいいなと思う。大きい目標は東京五輪で金メダルを取ることが目標。まずはとにかく日本で勝つことにこだわりたい。日本で勝つことプラス、世界のレベルも上がって来ているので世界にも対応できるように世界にも目をつけながら練習していきたい。(2ポイント取り返した時の経緯)正直どうだったんだろうという感じ。入ってきたのを返したんだろうなと思う。あの点数の入り方は、自分はなんとも思っていなくて、取れてないようなもの。タックルをされたことが課題。(開始25秒ぐらいでタックルを決められたことについて)勝ちたい気持ちはあったが、自分のレスリングをして、今言われていることをやろうと思った。自分の中で勝たなきゃいけない、大きい技行きたいっていう気持ちと、今教えてもらっているレスリングをやろうという気持ち半々でレスリングをしていた。

・中村(ラ2=宮崎工)
(初の全日本の大会ですが)レベルが全然違うなと。(対戦相手の宮國選手の印象は)さしかえしたり、前に出たりするのが上手い人で、全く自分のやりたいレスリングができずに終わってしまいました。投げ技を決めたかったが、全然決まらなかった。(次の大会に向けて)もっと練習して、伸ばせるとこは伸ばして、自分の弱点をできるだけ無くせるように頑張りたい。(リーグ戦は)まだ上の人がいるので出られるか分からないが、もし出られたらチームに貢献したい。(今後の目標は)インカレで表彰台を狙いたい。

・朝野(社2=滑川)

天皇杯は高校3年生の時に出たことがあった。ボイントは取りたいという気持ちがあった。来年からは新人戦もなく、試合の回数が少なくなるので、上級生として上位入賞できればと思う。

・川畑孔(法1=樟南)

1回戦の相手は練習で戦ったことがあった。2回戦の高谷選手は初めて戦う相手で緊張した。トーナメント表を見て、2回戦で当たることが分かった時はとても緊張した。前回、ローリングで決められることがあってからは、ローリングされないようにグラウンドを張る練習を積み重ねていた。ベスト8で来年の明治杯への出場資格も取れたので、もっと上位に食い込めるようにしたい。

・鈴木芽(社1=市立太田)

最初に相手が腕取りをしてくるというのもわかっていたが、取られてしまい2点取られた、その後に片足タックルで2点取られて0-4で折り返した。後半は自分が攻めてるというのもわかっていた。相手にコーションがいって自分に点数が入るというのも想定出来ていた。しかし、2点を取っても、もう2点必要だったが、最後時間が足りなくて取れなくて悔しい。相手は東洋大OBなので練習によく来ているが、一度もスパーリングなどもやった事が無かった。(今回セコンドについた姉は)ずっと小さい頃から練習見てくれているのし、練習でもアドバイスをもらっている。今回セコンドにいてくれた事で、安心した。


TEXT=菊池美玖 PHOTO=梅山織愛