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2017.01.10
アイススケート

[スピードスケート]チームが一つに 総合4位でインカレ終幕

第89回日本学生氷上競技選手権大会

1月9日(月) 苫小牧ハイランドスポーツセンター


◆男子2000mリレー

小林―上地―川目健―川目拓

4位 2分35秒31


◆男子チームパシュート

島田―新井―小岩

6位 4分23秒04


◆男子総合

4位 95点


笑顔でインカレを終えた


兄・川目健㊧から弟・川目拓へバトンが渡る


小岩㊧、島田㊥、新井で滑り切った


 インカレ最終日、2000mリレーでは4走の川目拓(社2=駒大苫小牧)が必死の追い上げを見せ4位につける。続くチームパシュートはスタートこそよかったものの終盤に失速し結果は6位。総合ポイントでは昨年より順位を3つ上げ、4位で大会を終えた。


 インカレ最終日はチーム全員での応援歌から始まった。加部監督も「東洋大スケート部55年の中で初めてのこと」と選手たちの気持ちを高めあう姿勢には驚かされたようだ。今大会はチームの雰囲気の良さが随所に表れており、4年生を中心としたチームの士気は最高潮に高まっていた。

 最終日は団体種目が行われ、2000mリレーには小林(社2=市立長野)、上地(社4=佐久長聖)、川目健(社4=駒大苫小牧)、川目拓の4選手が出場。1走の小林は自身のベストは尽くしたものの、同組の法大に先行を許し「1走としては不甲斐ない」と唇を噛んだ。続く上地はこのリレーが大学生活最後のレースであり、「滑っている途中から感極まった」と目には涙を浮かべながら東洋大でのラストスケーティングに思いを馳せていた。3走のバトンを受け取った川目健も同じく4年生。最後は力強く気持ちのこもった滑りを見せ、差を縮めていく。兄からのバトンを受け取った4走の弟・川目拓はペースの落ちた法大を尻目にスピードを上げ、追い越すことに成功する。最後まで全員でつないだリレーの結果は2分35秒31で4位。昨年より順位を上げるものの、全員が目標に挙げていた3位にはあと一歩及ばず、悔しい結果となった。

 今大会の最終種目・チームパシュートでは、島田(社3=佐久長聖)、新井(社3=岡谷南)、小岩(社1=白樺学園)の3名がエントリー。「練習は1回合わせただけ」と新井が口にしたように3人で合わせる時間はほとんど無かったという。それでもスタートには成功。新井、小岩の2名は初めてのチームパシュートながらも気持ちを見せ、遅れをとるまいと食らい付いていく。しかし結果は4分23秒04で6位。「残り3周から落ちていった」と島田は終盤での失速を悔やんだ。

 総合ポイントでは前日から順位を落とすことなく4位で大会を終えた。


 今大会で引退となる4年生。1年間主将を務めてきた上地をはじめ「4年間の中では一番いいインカレだった」と今大会の充実感が表情に見て取れた。大会終了後には引退式も行われ、4年間の功績に後輩から花が手向けられた。

 昨年から総合順位は上がったものの、今回の結果には誰一人として満足をしていない。「来年のインカレは今日が終わった時点でスタートしている(加部監督)」。一人一人が大会を通して感じた上位との差は何なのか、下級生の成長が見られた今大会。選手たちはそれぞれの表彰台を目指し、来年のインカレでの総合優勝を目標に練習に励む。


■コメント

・加部監督
初日の500m入賞から、スタートダッシュが去年と全然違う。ただ、目標には一歩及ばなかったことに悔いが残りますね。ポイントが取れるに越したことはないが、まだ上位との、いわゆる日本を代表するトップクラスとの差がある。全体のこれからの課題は、さらなる上への意識レベル。選手たちはこのインカレで今の自分たちの位置がわかったと思う。個人種目に関してはよくやったと思うが、全体的に考えると上位との差がまだあるね。(小岩選手について)もちろんあいつはこのレベルでうろうろしているような選手ではないし、本人もトップクラスを目指している。(4年生について)まだまだ強くさせてやりたかったっていうのが本音かな。みんなそういう素質は持ってるから。(上地)一馬にしても、川目健にしても、もうちょっと強くさせてやりたかった。朝、みんなで応援歌歌ってたでしょ。あれは毎年やってるものではないし、東洋大スケート部55年の中で初めてのこと。要するに自分たちの気持ちを高めようという気持ちでやったんだろうけど、あれにはびっくりした。(今後は)来年のインカレは軽井沢なので、長野は島田の地元でもあるし、最後は勝ちたいという気持ちを持って。来年のインカレは今日が終わった時点でスタートしているので、この悔しさを忘れちゃだめだね。(目標は)来年は絶対総合優勝。



・上地主将(社4=佐久長聖)
(インカレの総括として)去年悔しい思いをして、そこから総合優勝目指してやってきた。上との差はかなりあったが、3位なら狙えるんじゃないかと思って頑張ってきたが、そこもまだ差があった。力不足の部分もあったが去年と比べたらポイントを取れた選手もたくさんいて、4年間の中では1番いいインカレだったんじゃないかと思う。(リレーでは)覚えてないんですよね。泣いてました。滑ってる途中から感極まっちゃって(笑)。3番を目標にしていたので悔しかったです。(4年間を振り返って)スケートに関していえば苦しいことの方が多かったが、東洋大じゃなかったら辞めてたくらいの時期もあったので、このチームで良かった。(後輩に伝えたいこと)来年のインカレはもう始まっているので、今年できなかった目標を達成してもらいたい。今の3年生には後悔しないように、1日1日を大事にしてほしいと思います。



・新井(社3=岡谷南)
4日間チーム一丸となって戦って、目標である優勝には届かなかったが今持ってるチームの力は全部出せた。3年生以降はこの結果を次につなげなければいけないし、4年生はいい集大成だったんじゃないかなと思います。(パシュートは)初めて出場した。練習は1回合わせただけです。3人の中では自分が一番実力がないので、着いていこうと思っていた。タイムには少し悔いが残るけど、力は出せたと思います。(4年生との最後のインカレですが)今の4年生はいいときも悪いときも経験していると思うので、その芯の強さを感じた。いざとなったら頼りになる4年生だったなと思います。(今後は)まだ自分たちが最後の代になる実感は湧いていないけど、あと少ししかスケート人生も残っていないので、最後は笑って終われるように一つ一つ丁寧にやっていきたい。


・島田(社3=佐久長聖)

最初はよかったんですけど、残り3週になった所で悪くなっていったと思います。(練習は)パシュートの練習はしていたんですけど、スピード練習がそこまでできてなかった。それとこのリンクにうまく対応できなかったなというのはあります。(4年生への思いは)4年生が全員をまとめて全員で戦えたインカレだったのですごく感謝していますね。(来シーズンは)目標は今年を超えること。


・小林(社2=市立長野)

インカレの中では一番よかったんですけど、相手と少し開いてしまったので1走としては不甲斐なかったです。(リレーの練習は)3回くらいしかできてなかったです。(4年生への思いは)やっぱり日頃お世話になっている4年生のためにも表彰台には乗りたかったので、それを目指していただけに4位という結果は悔しいです。


・小岩(社1=白樺学園)

微妙でしたね。それでも割と粘れて、全力は尽くしました。(練習では)そんなやってないですね、直前くらいです。(初めてののインカレは)いつもの大会と変わらない感じだったんですけど、やっぱ学校対抗とかあったので結構緊張はしました。(4年生とは最後だが)いろいろなアドバイスをくれて自分が成長できるきっかけを作ってくれた。感謝の気持ちでいっぱいです。(来シーズンは)とりあえずインカレ2種目で表彰台に乗って、最終的には社会人も含めた全日本で結果を出せる選手になりたい。


TEXT=美浪健五 PHOTO=美浪健五、坂口こよみ