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2017.01.11
アイススケート

[アイスホッケー]関大に6−1で快勝 3位で有終の美を飾る

第89回日本学生氷上競技選手権大会

1月9日(月) 王子白鳥アイスアリーナ

東洋大6―1関大


[ゴール(アシスト)]

01:47 人里(川口)

03:19 阿部(宮倉、柴田)

23:24 川口(人里、出口)

51:46 所(成田、石倉)

54:24 柴田(成田、宮倉)

55:43 出口(川口、渡邉)


4年生は笑顔で有終の美を飾った


先制点を挙げたFW人里主将


最後はGK宮川がゴールを守り切った


 インカレ最終日、3位決定戦の相手は関大。序盤から東洋のペースで試合は進み、FW人里(社4=白樺学園)が先制点を奪うと、東洋らしいホッケーで立て続けに得点を重ねる。3ピリで一瞬の隙を突かれ得点を許すも、最終スコア6—1と快勝。昨年から1つ順位を上げ、3位でインカレの幕を閉じた。


 勝って有終の美を飾りたいと望んだ最終戦、1ピリ開始早々チャンスが訪れる。DF川口(社1=白樺学園)のパスにFW人里がスティックを一閃(いっせん)。パックはゴールに吸い込まれ、幸先良く先制点を奪う。その2分後にはFW阿部(社2=白樺学園)がゴールに突き刺さるようなシュートで追加点を挙げ、チームを勢いづけた。続く2ピリ、DF川口が「あとは自分がちゃんと決めるだけだった」とパックをゴールにねじ込み関大を引き離す。しかしその後は関大の落ち着いた守備に苦しめられ、果敢に攻めるもなかなか得点に結びつけることができない。

 さらに得点を重ねたい3ピリ。開始早々SH(ショートハンド)の一瞬の隙を突かれ得点を許してしまう。その後も互いに譲らない攻防戦で一歩も引くことができない展開が続くが、FW所(社1=駒大苫小牧)のゴールを皮切りに、FW柴田(社2=武修館)、FW出口(社2=駒大苫小牧)が続々と追加点を奪い、6−1で試合終了。3ピリ終了6分前には、今回のインカレで引退となるGK宮川(社4=北海)がリンクに。4年間のうち、試合の出場回数は多くなかったが、「いつ試合に出してもらえたとしてもベストな状態でできるように」と練習を積んできた。勝利が決まった瞬間、「仲間がみんな走って自分のもとに来て、あの瞬間で大学生活の全てが報われた」と胸をなでおろした。

  4年生はこのインカレを最後に引退する。優勝を目指し続けてきたチームにとって3位と言う結果は決して満足のいくものではなかったが、1年間チームをけん引してきた人里主将は「悔しかったけれど、全力を出し切った負けだったので悔いはない」と今大会を振り返った。試合後、鈴木監督は「いろいろな環境も変わって大変な思いもさせたと思うが、最後まで付いて来てやりきってくれた」と4年生への感謝を述べた。「スタッフを信じて勝てるチームに成長していってほしい(人里)」。4年生の熱い思いを胸に東洋大ホッケー部の躍進は続く。


■コメント

・鈴木監督
(昨日の試合を振り返って)昨日の敗戦から選手達は気持ちの整理が簡単ではなかったと思うが、昨日今日とミーティングをしてこの試合の重要性をみんなでもう一度再確認できたので、そのことをしっかりプレーに表してくれた試合で、最終戦、本当に東洋らしいゲームができたのではないかと思う。(試合前のミーティングで)1番多く伝えたのは、いつも目標は優勝で、当たり前な目標ではあるが、目標はいつもいつも達成できるものではないので、チームの目的というものをずっと話してこのシーズンやっていたので、その目的を忘れないで今日は戦うということで、それを多く話をした。最終戦ということで、気持ちの方が良い状態で試合に入れて、それをそのまま良い勢いで結果にも結びつけてくれたのではないかと思う。(このインカレは)目標を達成できなかったということで、他のチームには劣っていた部分があってそういう結果だったと思うが、このトーナメントの中でも選手が成長を見せてくれたし、うちの力を出し切った大会だったと思う。(3位という結果は)全く満足いくものではないので、これは次につなげていかなくてはいけないと思っている。(この大会で4年生は最後だが)4年生には感謝の言葉を伝えた。この4年生は自分が監督になった時1年生で、一緒に成長してきた選手達で、監督が変わったり、住むところが変わったり、いろいろな環境が変わって大変な思いもさせたと思うが、最後まで付いて来てやり切ってくれたってことに感謝の気持ちを伝えた。(人里主将は)素晴らしいリーダー、素晴らしいキャプテン。行動で示せる数少ない主将だったと思う。すごく責任も感じる選手だったので、思うような結果は得られなかったが、少し精神的にリラックスして欲しいと思う。(来シーズンも)この成長を続けてそれを結果で示せるようにやっていきたいと思う。


・FW人里主将(社4=白樺学園)
(今日の試合を振り返って)良かったと思う。本当に、それだけ。最後だったので、絶対勝って笑って終わろうという話だったので、それができて良い終わり方ができたかなと思う。(得点シーンを振り返って)竣耶(川口)から良いパスが来て、自分の前にスペースがあったので、練習で打ってるコースに打ったらそのまま入った。練習してきたことは間違いじゃなかったので良かった。(インカレを振り返って)中央にあと一歩のところで勝てなくて、悔しかったけれど全力を出し切った負けだったので、それはそれで自分的に悔いはないし、後輩のみんなはどう思ってるか分からないが、次につながる大会だったと思う。(悔しさより)達成感。(4年間を振り返って)最高の同期、スタッフがいて本当に良いチームだったので、楽しい4年間だった。本当に良いチームだと思うので、スタッフを信じて勝てるチームに成長していって欲しいと思う。


・GK宮川(社4=北海)
(最後のプレーは)最後の6分間出場したような形になったけれど、その6分間っていうのが今まで生きてきた中で本当に長い6分間だった。実際に乱闘とかもあって時間的にも長かったけれど、それ以上に内容だったり、みんなが自分を守ってくれてる、ゴールを守ってくれてる、っていうようなことを感じることが出来た本当に長い6分間だった。最後試合が終了して勝ちが決まった瞬間に、みんながこっちに来てくれて、みんなでその勝利っていうものを勝ち取ったときに、ほんとに東洋大学に入学してよかったなっていう風に思えた。これまで4年間辛い練習だったり、いろんな気持ちを持って辛い思いも沢山あって。でもそれ以上に、最後に全部辛かったことがあの瞬間で報われたなって風に感じた。(インカレを総括して)インカレ自体は一番に思うのはやっぱり優勝できなかったってことが悔しいっていうこと。もちろん自分が最初の方出場できてなかったりっていうところに悔しさもあったけれど、やっぱり最後の大会に臨むときってチームが優勝することの方が断然大きいことで、自分の中でも目標がそこにあった。本当にどこのチームよりも努力してきて、どこのチームよりも質のいい練習をしてきたとは思っているので、それが優勝という形につながらなかったことは本当に悔しい。けれど実際に最終日を3位決定戦って形で迎えて、多分最後の最終日を笑顔でおえられるのって決勝で優勝した選手達と、あと三位決定戦で勝った選手達だと思う。なので本当に、最終日に限らず最後の試合にしっかり勝利するってことをみんなで最後の目標にして試合に臨むことが出来たのが本当に、今大会すごく残念だとは思うんですけど、素晴らしい大会にできたのではないかな。(4年生、チームメイトへ)本当に同期に対してはここまで一緒にやってきてくれて、ありがとうっていうのと、ほんとに今の同期だから今のチームづくりができたって思うし、本当に一人一人に感謝したいと思っている。今のチームメイトたちには、やっぱり最終日こういう風に笑顔で終わることは出来たと思うんですけど、やっぱり優勝できなかった悔しさっていうのはこれからも残っていくところだとは思う。本当にこれからの後輩たちはその悔しい思いっていうのをなるべくしないで、最後優勝して笑顔になってほしいなってふうに感じているので、まずはチームづくりから。いいものを作りあげて、結果として優勝ってものを得てほしいなって風に思ってます。


・DF宮倉(社4=北海)
一人一人中大戦の負けを引きずらないで、もう残された試合しかないんだっていうのを自覚していた。そうやっていい意味で気持ち切り替えられて、下級生たちが今後に繋がる試合だったなって。みんな一生懸命やってくれたって言うのが見ていて凄くわかったし、そういうのが僕も含めて4年生全員の原動力になったんじゃないかなって思う。(2アシストに関して)1点目はいつも練習している形の、FWのスティックめがけてシュートうつっていうのをそのままに、FWのスティックがぱっと見えたんでそこにうとうと思っていた。練習の成果が出たんじゃないかな。2点目は結構ピンチになってたんで、とりあえずライン割らなきゃと思ってクリアしたのが、たまたま下級生2人が拾ってくれてゴールに結び付いてくれて。両方とも下級生たちが3人の力で入れてくれたので。最後にチームに貢献できて良かったと、心から思っています。(インカレを総括して)取り敢えず優勝は出来なかったがひとりひとりが、もちろん中大に負けたのは悔しいが、チーム全員がやることっていうのを、識して、シーズン全体としてすごい成長できた試合なんじゃないかなって思う。(4年間を振り返って)1年生で入った時、東洋大が前年度に問題起こしていて、本当にこのチーム大丈夫かなって思ってたのが正直な思い。その頃の自分から考えたら今こうやってインカレの場に立ってるっていうのは凄く感謝してる。優勝できなくて恩返しはできなかったが、自分の出せる範囲の力っていうのを全て出し尽くしたと思うので、4年間頑張ってきて悔いはないです。


・FW中澤(社4=軽井沢)
(今回のインカレを振り返って)3試合連続で完封して、中央も1ピリはいいプレーできて2ピリは逆転されてしまったんですが、3ピリは逆転というところまでいったのですが、やっぱり勝ち切るというところがまだ足りないなと感じました。今日の試合、勝つのは当たり前だったので6点取れたことは来年につながる大きな収穫だったと思います。(この4年間は)東洋は中学の頃から見てきた憧れの大学だった。2年目から試合に出れるようになって、ようやくプレーできて、あのユニフォームを着てプレーできたことが人生の中でもよかったと感じられることだと思った。2年生のインカレの決勝が一番の思い出です。ずっと軽井沢でホッケーしていたので、自分の地元で決勝の舞台に行くことがなかったので、1点差で負けたにしても全国の舞台で決勝にいけたことは本当に貴重な経験だと思いました。今後は八戸でプレーします。環境もレベルも変わるので自分を鍛えなおして、自分が日本のトップでどれだけできるか試したいです。(後輩へ)自分たちができなかったものを来年以降達成して、ずっと続けていってほしいです。(応援してくださったファンへ)応援していただいたことは本当に感謝していますし、後輩たちが良い結果残してくれると思うので、これからも応援していただけたらと思います。


・DF田中(国4=ロックリッジ・カナダ)
(今回のインカレ振り返って)結果から見るともちろん目標にしていた日本一には届かなかったが、今日の試合や大会通していろんな人に東洋は日本一にふさわしいようなチームということは証明できたと思っています。誰かの得点だったり細かいスキルのあるプレーより、みんなが一生懸命やっている姿が印象に残りました。四年間は短いといえば短かったが、いろんな経験をしてきてある意味長い四年間でもあったので、最後になると一つ一つの頑張っているプレーが心にしみました。四年間で一番印象に残っていることを挙げるのは難しいですが、辛いときも今日みたいに勝ったときも最高の仲間とプレーできたことが一番です。ものすごく濃い四年間でした。楽しい10割、辛い0割。一年の時は春の大会出られなかったとか、もちろんしんどいこともありました。2年生のときに、東洋としては久しぶりに決勝に行ったが負けてしまい、その悔しさも感じてきた。去年は一点の重みを感じるインカレで今年も僅差で負けてしまった。振り返ると思い出としては残っているが、それも含めて楽しい四年間になったと思いますね。東洋に入ったことを後悔したことはないくらい、先輩後輩同期に恵まれた。小学校のときに大学リーグが盛り上がっていた頃だったので、東洋大学という名前は聞いたことがあった。ホッケー部のブランドがすごく、プライドを持ってプレーすることができたので入ってよかったです。ブランドに対して重圧は感じませんでしたし、その分胸張って感謝しながら時間を過ごせたと思います。(後輩へ)5人とも後輩に背中を見てもらって引っ張るようにしてきた。一人ひとりがこつこつ努力して積み上げた結果が試合に出たので、それを続ければいい結果につながることを伝えたいです。後輩には勝つことを期待します。細かいプレーや何かに選ばれることより、一戦一戦を大切にしてほしい。今はいい土台ができているので、本当に勝ち続けられるという東洋大学になっていくと思います。(応援してくださった方へ)この四年間は様々なことがありましたが、僕は一度も応援されていないと感じたことはなかったですし、他の父母の方、スタッフや仲間の応援に感謝したいです。


・DF川口(社1=白樺学園)
3位決定戦で、最後はチーム全員がやることを出し切って絶対勝とうという話で望んで、それが結果に結びついて良かった。(自身の得点シーンは)練習からああいう形をやっていたので、あとは自分がちゃんと決めるだけだったので、パスをくれたキャプテンには感謝している。チャンスがあれば攻めに加わるという目標を大会前から決めていたので、それがああいう点に繋がるプレーになったのかなと思う。優勝が本当は僕らの目標だったがそれに届かなかった。最後勝って終われて良かったと思う。これからはまた新しいチームで優勝を全員で目指してやっていきたいと思う。4年生は私生活もホッケーも本当にお世話になったので、1年間しかできなかったが本当に感謝している。今シーズンは自分自身特別良くはなかった。来シーズンはもっと活躍できるように頑張っていきたいと思う。


TEXT=金澤瑞季 PHOTO=外狩春佳、美馬蒔葉