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2017.04.17
アメフト

[アメフト]開幕黒星も「課題ではなく収穫」

平成29年度関東学生アメフト春季リーグ戦

4月17日(日)東工大大岡山グラウンド


●東洋大17-35東工大○

    10|1Q|7

    0|2Q|14

    7|3Q|7

    0|4Q|7


健在の脚力を見せた大西


一対一での対応が重要視される


桜が舞う東工大大岡山グラウンドで幕が開けた春季リーグ戦。前半には一時逆転したが、全クォーターで先制され、開幕戦は黒星発進。収穫がたくさん出た一戦となった。

 課題が見えた一戦だった。第1Q、残り時間5分でTDを決められてしまう。しかし、すぐさま反撃は始まる。脚力が自慢のWR大西(国3=関東国際)がボールをキャッチし、走り抜けるとそのままTD。残り時間2分30秒にはFGも飛び出し、すぐさま逆転する。しかし一筋縄ではいかなかった。第2Qには相手のパスをカットし、流れが来るかと思われたが、あっさりとTDを許してしまった。「ボールに集中しろ!」とOBの声が飛ぶも、ファンブルにより相手に攻撃権が渡ると、流れもそのまま相手へ。残り2分30秒、ライン際での攻防が繰り広げられたが、じわりじわりと攻めてくる相手オフェンス陣に粘り切れず、TDを許した。攻撃となっても流れは変わらず、相手の反則で15ヤード進むも、ロングパスを取り損ねた。

 第3QもTDによる先制を許したが、与えるだけでは終わらなかった。田松(ラ3=秋田南)がロングパスをダイビングキャッチし、勢いそのままに、残り15秒でTD。「得点につなげられて良かった」と笑顔を見せた。第4Qもすぐ先制され、その後は横一線の攻防。結果、17対35で開幕戦は黒星スタートとなった。

 3つのターンオーバーやキャッチミス等の基本的なプレーに危うさを感じたゲーム。西村ヘッドコーチや選手は口々に「収穫が多かった試合」と振り返る。新チーム発足後、冬から春にかけて、走り込みや筋肉トレーニングで体力をアップさせていた。実戦形式の練習は開幕2週間前に取り入れ、実戦感覚が遠のいていた面があったが、これは計算ミスではない。西村ヘッドは「想定範囲内の試合だった。課題ではなく収穫なので、今日の試合の位置づけは良い」と、あくまでも前向きにとらえている。より強くなるための収穫が次戦の上智大戦でどう改善されるかが楽しみだ。


■コメント

・西村ヘッドコーチ

想定範囲内の試合。今年はトレーニングを積んで開幕まで1、2週間足らずでゲーム形式を取り入れたので急すぎた面もあったと思うが、TD数が5つと2つだったのでそうなるだろうと見込んでいた。プラスもマイナスも収穫があったと思います。課題ではなく、収穫ととらえているので、決してネガティブなものではない。今日の試合の位置づけは良いと思っています。自滅が失点につながっているもで、基本的な練習でミスをなくしたい。当たり前のことが負けていると感じた。ただ、春はスタミナ作りの時期なので、相手チームには後半に足をつっていた選手がいたけど、うちはゼロ。担架も出てこなかったから。試合で戦える体力があったので自信になるね。一対一はまだこれから積み上げていけばいい。実戦形式を増やしていけば、今日の課題はつぶしていけるので、そう焦らず春にレベルを上げていければと思っています。

・大西(国3=関東国際)

試合前は、一対一で勝負することを意識して試合に臨もうとチーム全体で話していた。課題というよりも改善点が多かった試合でした。ターンオーバーが3つもあり、これでは勝つなんて無理なので、基本的なミスを潰していくべきだと感じました。判断力は試合でしか経験できないので、今日はそれが収穫だと思っています。どこで判断力が発揮されるかがゲームプランを変えると思うので、積極的にやっていきたいと思います。

・田松(ラ3=秋田南)

今日は開幕戦だったので、明るく元気を出して戦っていこうと思っていた。試合前は自分達の力がどこまで試合で通用するか不安もあったが、強いイメージを持っていた東工大相手に自分達の戦いができたのではないかと思う。負けてしまったのは悔しいが、次回に繋がる課題を見つけられたのですごくいい試合になったと思う。個人的にもタッチダウンを決めて得点に繋げることができて良かった。ブロックもできていたと思うがキックがまだまだ課題だと思った。


TEXT=美馬蒔葉、PHOTO=松本菜光花、美馬蒔葉