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平成29年度東都大学野球1部春季リーグ戦・亜大2回戦
4月19日(水)神宮球場
○東洋大 8x-7 亜大
(イニングスコア)
2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 |
亜 大 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 7 |
東洋大 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1x | 8x |
(東洋大)
村上、片山翔、上茶谷、甲斐野、○山下(1勝)―西川
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (中) | 竹原(法3=二松学舎大付) | 5 | 1 | 2 |
2 | (左) | 古田(法3=天理) | 5 | 1 | 0 |
3 | (三) | 田中将也(営4=帝京) | 4 | 2 | 1 |
4 | (二) | 中川(法3=PL学園) | 5 | 2 | 2 |
5 | (捕) | 西川(営4=浦和学院) | 4 | 2 | 1 |
6 | (右) | 宝楽(営4=PL学園) | 2 | 0 | 1 |
打 | 池田(営3=日本文理) | 1 | 0 | 0 | |
右 | 納(総1=智弁学園) | 0 | 0 | 0 | |
7 | (一) | 原澤(営4=前橋工) | 2 | 0 | 0 |
打三 | 佐藤(法2=聖光学院) | 2 | 1 | 0 | |
8 | (指) | 堀北(営2=龍谷大平安) | 2 | 0 | 0 |
打指 | 星(総2=日本文理) | 0 | 0 | 0 | |
打指 | 蛭田(法4=平塚学園) | 1 | 1 | 0 | |
9 | (遊) | 小川(法1=霞ヶ浦) | 1 | 1 | 1 |
打遊 | 津田(総2=浦和学院) | 1 | 0 | 0 | |
計 | 35 | 11 | 8 |
・投球成績
名前 | 回 | 打 | 球数 | 安 | 四死球 | 振 | 責 |
村上(総1=智弁学園) | 1 1/3 | 9 | 44 | 3 | 1 | 3 | 3 |
片山翔(法4=大社) | 2 | 10 | 45 | 4 | 0 | 1 | 1 |
上茶谷(営3=京都学園) | 1 1/3 | 6 | 23 | 1 | 1 | 2 | 1 |
甲斐野(営3=東洋大姫路) | 3 1/3 | 12 | 39 | 1 | 1 | 3 | 1 |
○山下(営2=東邦) | 1 2/3 | 5 | 12 | 1 | 0 | 2 | 0 |
中川の本塁打から口火を切った
人生初の偉業に田中将也はガッツポーズ
サヨナラ勝利にベンチも沸いた
亜大2回戦は今季初の延長戦。3点を追う2回、中川(法3=PL学園)の左翼席への本塁打に加え、3回にはルーキー・小川(法1=霞ヶ浦)の公式戦初本塁打が飛び出し良いムードに。六回に竹原(法3=二松学舎大付)の左安と相手のエラーの間に2点を加え、試合は振り出しに戻る。九回に勝ち越し打を許すも、すぐさま西川(営4=浦和学院)の適時打で追いつくと流れは東洋に。九回から続投していた山下(営2=東邦)が10回に三者凡退に抑えると、そのウラ、田中将也(営4=帝京)のサヨナラ打で勝負あり。延長10回サヨナラ勝ちで10季ぶりに宿敵亜大からストレートで勝ち点を得た。
とにかく亜大に勝ちたかった。10回裏二死、背番号10の男に打順が回ってきた。先頭打者・蛭田(法4=平塚学園)が中安でサヨナラ走者として出塁すると、犠打、進塁打で好機を広げる。1ボール2ストライクと追い込まれ、振り抜いた4球目の直球は右翼手の前で弾いた。その瞬間、拳を何度も高く突き上げ、ベンチから飛び出した仲間と喜びを分かち合った。「力みがなくなり、配球を読むことができた。アウトコースの一点張りだった」と狙い球を捉えられ満足気。人生初のサヨナラ打に、「実感がなく、覚えていない」と控えめに照れ笑いを浮かべた。
開幕前「(春季リーグで)打って結果を残すことがチームの勝利につながる」と副主将としての自覚たっぷりの思いを口にした。オープン戦ではチーム内打率1位。「冬に振りこんできた」という努力の芽は、首脳陣の目を引く結果として出た。東都の厳しさにぶつかりここまで3安打とブレーキ気味だった元気印。「自分が足を引っ張っていたのでなんとかしたかった」とうっぷんを晴らす殊勲打に、球場全体が今日一番の盛り上がりを見せた。
10季ぶりとなる亜大からの勝ち点。歴史の立役者は「大事なところでしっかり抑えてくれた」と今季初登板した甲斐野(営3=東洋大姫路)を、影の立役者として名に挙げた。6回無死一塁のピンチを、148㌔の速球や変化球で大胆かつ丁寧に投げ、この裏での同点打を引きつける投球を見せた。甲斐野も「打ってもらわな困ります」と田中にはっぱをかけ、生まれたサヨナラ打。普段から仲の良い2人は、歓喜のあまり思わず抱擁を交わした。
「みんなが一丸となって戦ってくれた」と高橋監督。次戦は、空き週を挟み専大戦が待っている。「今日の勝ちを自信にして、あと3つ勝ち点を取りたい」と意気込む田中。昨春優勝した亜大は、開幕2連敗し、その後怒涛の8連勝で東都の頂点に立った。東洋大の再現となるか。"価値(かち)ある勝ち(かち)"にこだわり続ける。
◼︎コメント
・高橋監督
まだまだ捨てたもんじゃないね。こんな試合もできるよって見せてくれたよ。田中も打っていいね、4年生が活躍することが良かったよ。みんなが一丸となって戦ってくれた。これから勝ちまくっちゃおう!
・田中将也(営4=帝京)
自分はこれまで、ファールフライを落としたり、チャンスで打てなかったりと守備と打撃でチームの足を引っ張っていたので、今日打てて本当に良かった。4年生が先頭に立たないと下級生はついてこない。4年生が引っ張ることが出来たから、今日のような結果が出たと思う。(ミーティングでは)全員で勝ち点を取りにいこう、と話した。一つ上の代が引退して主力がいなくなり、不安が大きかった。中大戦で2連敗したことで、後がなくなり開き直れた。(サヨナラの打席は)2ストライクも厳しいコースを突かれてた。開き直ったことで、力みがなくなり配球を読むことができた。打ったのはまっすぐアウトコース。インコースに入ったボールはカットして、アウトコースのみ狙っていった。(9回の打席は)右前打は意識して打った。アウトコース一点張り。強いバッティングが同点打につながるヒットになったと思う。サヨナラ打は高校でも2部でも経験なく、人生初めて。打った瞬間実感がなかった。あまり覚えていない。( ベンチでの盛り上がり)亜大に勝てたことが、価値ある。チームにとって大きな勝ち点だと思う。(監督が宿敵・亜大と言っていたが)昨秋、優勝できなかったのは自分が3戦目にミスをしたから。亜大に勝ちたい・亜大から勝ち点をとらたいという気持ちで、今日試合に臨んだ。(初登板の甲斐野投手)大事なところで抑えてすごいと思った。助かった。(空き週からの専大戦)やっと勝ち点とれて自信になった。あと3つ勝ち点とって、優勝したい。
TEXT=星川莉那、PHOTO=永田育美、美馬蒔葉、