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第51回 織田幹雄記念国際陸上競技大会
兼 第16回世界陸上競技選手権大会(2017/ロンドン)代表選手選考競技会
4月29日(土) 広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島)
男子グランプリ100m 予選
3組(風:-0.3)
1着 桐生 10"16
男子グランプリ100m 決勝
A決勝(風:-0.3)
1位 桐生 10"04
男子ノングランプリ・ユニバ5000m
1組
13位 大森 14'13"74
自己ベスト更新とはならなかったが、見事優勝した桐生
優勝確定後、花束を手に笑顔を見せた
大森は後半の走りを課題に挙げた
※サーバーエラーのため速報をアップできず申し訳ありません
夏の暑さも感じられる気候の中、織田記念陸上大会が開催された。東洋大からは、100mに桐生(法4=洛南)、5000mに大森(済1=佐野日大)が出場。特に桐生は堂々の優勝を飾ると同時に、9秒台へと弾みをつけるレースを披露した。
圧巻のレースだった。まず、グランプリ男子100mの予選に姿を見せた桐生。向かい風が吹く中、持ち前のスピードを生かし一気に加速。勢いそのままにトップでゴールし、決勝へと駒を進めた。そして迎えた決勝。「(予選を終えてから)スタートを改善した」。その言葉通り、スタートから勢い良く飛び出す、堂々たる走り。土江コーチも「完璧な走りだった」と評価するほどだ。しかし、タイムは10秒04。自己ベストには届かなかった。風は予選と同じ向かい風0.3mという状況下で、予選から0.12秒縮める結果となったが、決して満足のいくものではなかった。レース後、「ベストを出せるようにこれからまた上げていきたい」と意気込みを語った桐生。土江コーチも「世界のトップの選手と戦えるようにやっていきたい」と期待を寄せた。
5000mには、ユニバーシアードの出場をかけて期待のルーキー大森が出走。ハイペースなレース展開の中、前半は余裕のある走りを見せた。しかし、2000m手前で集団が縦長になると、徐々にトップとの差が開き始めてしまう。懸命に前を追う、粘りの走りが随所に見られたが、差は段々と広がっていきそのまま13着でフィニッシュ。「後半の伸びの部分で、前との差が空いたところに付いていけなかった」と大森自身も後半の走りを課題に挙げた。一方、佐藤コーチは「前よりも走り自体がしっりしてきている」と評価しており、今後のさらなる飛躍に期待が掛かる。
強い日差しの中トップアスリートたちがしのぎを削った今大会。彼らがレースで得た経験は、必ず次へとつながっていく。自らの目標を胸に、今後も走りを磨いていく。
■コメント
・佐藤コーチ
(今大会の位置付けは)こういった選考会というのは経験していたほうがプラスとなるので。今回は状態が良かったので声が掛かったが、脚の方に難があった。最後の方が頑張りきれなかったので、そこが反省点。もう少し練習が積めていれば良かった。しかし今後につながるレースだったので、良かった。(走りを見て今後の取り組みは)状態さえ良ければ十分戦える感じにはなってきている。前よりも走り自体がしっかりしてきているので、しっかり挽回していきたい。1年生も、レベルが上がってきているので、チームに刺激を入れることができると思う。
・土江コーチ
(走りを見て)決勝は完璧な走りだった。(課題は)走りが次どうというわけではなく、この走りを、世界のトップの選手と走るときに、勝負をする中で、記録もついてくると思うので、勝負に勝っていくというところを、次の上海大会でやっていけたらと思う。(今後に向けて)今年の一番の目標はロンドン世界陸上なので、そこのファイナルに残るということが無茶ではないレベルに到達してきていると思うので、しっかりファイナルに残れるようにやっていきたい。
・桐生(法4=洛南)
(結果について)優勝できてうれしい。(タイムについて)ベストが出なかったので、あまり良くなかったかなという感じ。(予選からの改善点は)気持ちの面や、スタートを改善した。(9秒台への手応えは)ある。(今後は)ベストを出せるようにこれからまた上げていきたい。
・大森(済1=佐野日大)
今回はユニバーシアードの選考レースということで、タイムというよりは学生の中でしっかり勝負していくというのを目標に掲げていた。ある程度のハイペースというのは予想していたので、そういう練習をここまでしてきた。最初からかなりハイペースなレース展開で、その中で序盤は余裕を持って走ることができていたが、その後の後半の伸びの部分で、前との差が空いたところに付いていけなかった。そういった部分で力の差というのを見せつけられたレースだった。(今後の意気込みは)これからトラックシーズンに入って、大事な関東インカレや全日本インカレがあるので、しっかりそこで勝負するためには、今日のような結果では通用しないと思うので、もう一度しっかり気を引き締めて、練習を積んでいきたい。
TEXT/PHOTO=小野由佳莉