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第66回関東大学バスケットボール選手権大会
4月30日(日) 墨田区総合体育館
東洋大108-46埼玉大
12|1Q|4
33|2Q|26
33|3Q|8
30|4Q|8
スターティングメンバー
5渡邉浩平
11村上飛雄馬
29岩淵俊也
35杉田涼
50唐沢恵介
スリーポイントでチームに貢献した村上飛
驚異の跳躍力をみせる和田
中嶋新監督となって新チームでの初戦は埼大に白星スタートとなった。前半は格下の相手になかなか点差をつけることができなかったが、後半に立て続けに点を奪い108-46と圧勝した。
「前半は自分たちの悪いところが全部出てしまった」と岩淵新主将(済4=新潟商)が言うとおり、1Q終了時に8点差、2Q終了時に15点差と点差は離れず、バタバタとした試合展開で幕を開けた。そんな中でも前半輝きを魅せていたのは、スリーポイントを多く決めた村上飛(済2=正智深谷)。パス回しからフリーになった村上飛にボールが回ってくると、ゴールに吸い付いていくかのようにきれいな軌道でシュートを決める。
試合が動いたのは後半だった。前線からデフェンスでプレッシャーをかけると相手のミスを誘い、立て続けに12連続で得点を決める。そこからはエンジンがかかったようにどとうの攻撃が始まった。パスカットからの速攻で東洋大の持ち味である“走るバスケ”で相手を寄せ付けない。3Q終了時には40点差をつけ、格の差を見せつけた。「練習試合から前からのデフェンスは練習していたのでそれが結果につながって良かった」と村上飛は一連の快進撃について振り返る。4Qも東洋の勢いは止まることを知らず、連続得点でさらに相手を突き放す。期待の新人選手和田(済1=東海大相模)や多数の1年生も活躍し、埼大の追加点を3Q・4Qはともに10点以内に抑えた。最終的に108-46と62点差をつけ、次の試合へとつなげた。
トーナメント戦2戦目の相手は、昨年インカレ2位の強豪・東海大。だが、「自分たちのもっているもの100%以上のものを出してやっていこうと思う」(中嶋監督)、「チャレンジャーの気持ちでぶつかっていきたい」(岩淵主将)、「格上の相手なので自分たちはチャレンジャーという気持ちで勝ちたい」(村上飛)と、口をそろえて強豪に挑む姿勢をみせ、勝ちにこだわった。中嶋新監督率いる新チームが魅せる大逆襲撃はまだ始まったばかりだ。
■コメント
・中嶋監督
今シーズン初めてということもあって緊張感かとことでハーフタイム怒ったりもしたが、普段なかなかやらないような相手でスカウティングデータもないところだったので誰が誰につくというのもバタバタやっていた。きちっとやろうという話で入っていったが言った通りにできなかった。前半はバタバタしていた。(3Q、4Qは前からプレッシャーをかけていたが)ああいう形のデフェンスの方が結局、自分たちの足を動かすということでゴテゴテにならない。自分たちがデフェンスを仕掛ける方が目が覚めるのではないかということ。そこでエンジンがかかって自分たちのバスケットができるようになった。当初の作戦から変更した。(当初の戦い方は)東洋のほうが大きい選手が多いので、インサイドにボールを集めてゴールに近いところで勝負しようと。相手がそこに来てファールをもらうという戦略だったがうまくいかなかった。オフェンスに関してはインサイドにボールを入れても入れてもらった人がうまく攻められなかったり、リズムが掴めなかった。デフェンスに関してはデフェンスラインもそんなに上げないで3Qまでつこうと。25%上げたらああいう結果になった。(反省点は)出だし。自分たちで想定していたところが全て的中して、対策を練っていたところができなかったということにつきる。(良かった点)デフェンスを変えたとたんにエンジンがかかったのでそれが機能していたところ。練習してきたことができた。(東海大戦へ向けて)今シーズンの始まりが今試合からでこれから先のシーズン、新人戦も含めてリーグ戦まであいくまで一つ一つの積み重ねということを課題にしているので、今回最初の一歩を踏み外したら、当然のことながらこの先もうまくいかないということは再三言ってきた。出だしちょっと手こずったものの悪い意味は全部出し切ったと思うので、思い切って全日本の学生の2位のチームにぶつかっていく。自分たちのもっているもの100%以上のものを出してやっていこうと思う。
・岩淵主将(済4=新潟商)
前半は自分たちの悪いところが全部出てしまった。ハーフタイムのときにやってきたことを思い出してやろうと後半に入った。自分の持ち味であるデフェンスからブレイクが出たので後半立て直せたのは良かった。(勝因は)ディフェンスをやるという気持ち。前半は全然ディフェンスっていう気持ちがなくて、先に先にオフェンスのことばかり考えてリバウンドが取れなかったり、おろそかになってしまった。後半はディフェンスをやろうという姿が見れたので勝因だと思う。(特に良かった選手は)1年生の和田や(村上)飛雄馬。下級生が後半いいプレーができていた。(課題は)リバウンドが今年関東の中で小さいチーム。去年も小さかったが、それ以上にリバウンドが取れていない。ポジション関係なく、全員でリバウンドを取りにいくこと。収穫はどの相手にも自分たちのプレーを出していかないといけないというのをみんなわかったこと。(東海大戦へ)自分たちは挑戦者としてやるだけだと思う。チャレンジャーの気持ちでぶつかっていきたい。
・村上飛(済2=正智深谷)
最初、入りが悪くて自分たちのバスケットができてなかったが途中から少しずつデフェンスとかをやるようになっていって、自分たちのリズムができた。反省点は入りで、良かった点は後半から立ち直ったのが良かった。(1Q、2Qは点差伸びなかったが)うちは走るバスケなので走るバスケか出来ていなくて皆の足が止まっていた。(3Q、4Qは前からプレッシャーをかけていたが)練習試合から前からのデフェンスは練習していたのでそれが結果につながって良かった。(今大会にどんな目標を)まずは明日の東海大戦が一番なので、目標は東海大に勝つこと。(東海大戦に向けて)格上の相手なので自分たちはチャレンジャーという気持ちで勝ちたい。
TEXT=水野桜 PHOTO=福山知晃、森崎睦仁