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平成29年度東都大学野球1部春季リーグ戦
5月9日(火)神宮球場
○東洋大2-1国学大
(イニングスコア)
1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
国学大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
(東洋大)
○飯田(3勝1敗)―西川
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (中) | 竹原(法3=二松学舎大付) | 3 | 0 | 0 |
2 | (左) | 古田(法4=天理) | 2 | 0 | 0 |
3 | (三) | 田中将也(営4=帝京) | 3 | 1 | 1 |
4 | (二) | 中川(法3=PL学園) | 4 | 2 | 1 |
5 | (捕) | 西川(営4=浦和学院) | 4 | 1 | 0 |
6 | (一) | 佐藤(法2=聖光学院) | 3 | 1 | 0 |
7 | (指) | 原澤(営4=前橋工業) | 3 | 0 | 0 |
8 | (遊) | 津田(総2=浦和学院) | 2 | 0 | 0 |
打右 | 片山来人(営3=桐蔭学園) | 1 | 0 | 0 | |
右 | 納(総1=智辯学園) | 0 | 0 | 0 | |
9 | (右) | 宝楽(営4=PL学園) | 1 | 1 | 0 |
打 | 蛭田(法4=平塚学園) | 1 | 0 | 0 | |
遊 | 小川(法1=霞ヶ浦) | 0 | 0 | 0 | |
計 | 27 | 6 | 2 |
・投球成績
名前 | 回 | 打 | 球数 | 安 | 四死球 | 振 | 責 |
○飯田(営4=常総学院) | 9 | 30 | 113 | 4 | 0 | 6 | 1 |
九回に本塁打を打った田中将也
ベンチに戻ると西川㊨と笑顔でハイタッチ
首位攻防戦となった国学大第一回戦は、九回に田中将也(営4=帝京)と中川(法3=PL学園)の連続本塁打で劇的逆転勝利。先発の飯田(営4=常総学院)はソロ本塁打のみの失点で無四球完投勝ち。優勝に向け重要な初戦を白星でスタートさせた。
まるで漫画のような試合だった。1点を追う九回、二死走者なし。打席は田中将也に回ってきた。亜大2回戦では十回二死一、三塁でサヨナラ適時打を放った男で、勝負強さは折り紙付き。ベンチ内にこの男ならやってくれるという雰囲気が漂う中、2ストライクと追い込まれてしまう。しかし強心臓は焦らなかった。「追い込まれて冷静になれた」と振り抜いた5球目。打球は大きくアーチを描いて左翼席にそのまま吸い込まれていった。スタンドがどっと湧き上がり、歓喜の輪が広がる。ダイヤモンドを回る田中の顔は「自分でいいのか」と戸惑いの顔を見せていたが、ホームを踏み、ベンチに帰ると一転、とびきりの笑顔で西川(営4=浦和学院)とハイタッチ。そして、「今までやってきてよかった」とばかりにとびきりの笑顔を見せた。こうなると流れは東洋大のもの。続く中川にも本塁打が飛び出し、勝ち越しに成功。その裏の守備もテンポよく3人で打ち取り、勝利を掴み取った。
田中がベンチで口を酸っぱく言っていたのはここまで1失点に抑えていた飯田(営4=常総学院)の存在だ。五回まで二回に本塁打を打たれた工藤(国学大)以外には2塁すら踏ませていない。六回以降は出塁すら許さない完璧な投球内容だった。「あの1点だけで負けたという状況は避けたかった」と、何度も何度も声掛けをし、チームを鼓舞していた。野手陣の想いが一つに固まった中で打った同点本塁打。「チャンスには強いと日頃から言い聞かせている」というように、勝負強さが光った。飯田も「打ってくれた田中に感謝したい」とねぎらった。
「8連勝しか目指していません」。その目は自信に満ち溢れている。東洋大の躍進劇はまだまだ終わらない。あと3勝。優勝へのカウントダウンが始まった。
■コメント
・高橋監督
田中には「とにかくつなげ」と言ったけどホームラン打つなんてびっくりだよ。中川がやってくれると思っていたからね。大したもんだ。
46年、1000試合近くしてきたけど、2本ホームランでこんな試合展開は初めてだよ。
・田中将也(営4=帝京)
追い込まれて開き直って冷静になれた。監督にはボールを上げていけと言われていた。やれることはやってみようと振り抜いた。打った瞬間は「あれ?」という感じだった。どこまで飛んでいったかは見ていなかった。(ホームに帰ってくる間は)自分でいいのかという戸惑いもあったが、今までやってきてよかったと思った。試合中はなにをやってもうまくいかず、焦っていた。中川(法3=PL学園)は打ってくれると信じていた。飯田(営4=常総学院)がいいピッチングをしているから、それに応えようというのはベンチで口を酸っぱくして言っていた。(今日国学大が勝てば、優勝に王手をかけるが)そのことは考えていなかった。8連勝しか目指していない。チャンスには強いと日頃から言い聞かせている。
TEXT=伊藤梨妃、PHOTO=永田育美、伊藤梨妃