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平成29年度東都大学野球一部春季リーグ戦
5月9日(火)神宮球場
○東洋大2-1国学大
無四球完投勝利の飯田
首位攻防戦第一ラウンド、先発のマウンドに上がったのは飯田主将(営4=常総学院)。「打たせて取ることを意識した」と自身の投球スタイルを再確認し、今日の試合に臨んだ。二回、見逃し三振と遊ゴロで悠々と二死を取ったが「今日唯一の失投だった」と7番に右翼席への本塁打を放たれる。それでもエースは引きずらない。「1失点で抑えて完投する」と切り替えた。四回には一塁走者がベースから離れていることを確認し、お得意のけん制で仕留めた。六回以降、一塁すら踏ませぬ投球で毎回三者凡退。結果、無四球6奪三振、ゴロアウトは9つ。テンポの良さも相まって、試合時間は1時間53分と現時点で今季リーグ最短。飯田らしさが前面に出た試合となった。
気持ちは決してぶれなかった。「試合終了まで何が起こるか分からない。それが野球だと思っています」。2013年、夏の甲子園。準々決勝まで駒を進めたが、炎天下の中投げ続けた身体は悲鳴を上げた。9回二死、肉離れを起こし好投虚しく降板。その後延長サヨナラ逆転負けを喫し、チームは涙をのんだ。この経験で「主審が『ゲームセット』と言うまで、何があるか分からない」と一球一球の重みを再認識。田中将也(営4=帝京)、中川(法3=PL学園)の2連続本塁打の援護に「気持ちの乱れはなく、自分を見失わないように」と決して動じなかった。九回、最後の打者を三ゴロに仕留めた際も、一塁手がボールをキャッチする瞬間まで、気を抜かずその目でゲームセットをしっかり見届けた。
これで飯田は3連勝。「明日勝たないと意味がない。いい流れに持っていけるように」と自力優勝へ向け、まっすぐに明日を見つめた。
■コメント
飯田(営4=常総学院)
一球で先制点を与えてしまい詰めの甘さが出てしまった。ホームランはうまく打たれてしまった。打たれてからは1点で抑えようと完投する気でいました。必ず味方が点を取ってくれると信じていたので、田中と中川がホームランを打ってくれて感謝しています。逆転して抑えられたことが勝ちにつながった。課題は一球の甘さです。明日勝たないと意味がないのでいい流れに持っていけるようにしたいです。
TEXT,PHOTO=美馬蒔葉