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2017.05.15
ボクシング

[ボクシング]「100点をあげられる活躍」拓大に白星

第70回関東大学ボクシングリーグ戦

5月13日(土)    後楽園ホール


東洋大 5ー4 拓大

【LF】●豊嶋(判定)重岡◯

【F】◯村地(判定)三角●

【B1】○福井(判定)高橋●

【B2】○渡来(判定)山本●

【L1】○中川(判定)竹嶋●

【L2】○木村蓮(RSC)古川●

【LW】●萱津(判定)柴田○

【W】●原田直(判定)浦嶋○

【M】●宮内(ABD)梅村○



勝利を収めチームメイトとハイタッチをする中川

王者の実力を見せた木村蓮



    長い冬を終えてリーグ戦が開幕した。初戦の相手は拓大だ。試合前は「油断できない」と三浦監督も厳しい表情を見せていたが、フライ級から5連勝し見事に勝利を収めた。

 最初に良い流れを作ったのは村地(法3=西宮香風)だ。ゴングとともに一気に攻め判定勝ちとなった。続く福井(営3=駿台学園)も顔を中心に激しいパンチの応酬を繰り広げ白星をとった。

    「自分が今日のキーマンだと思って臨んだ」と言った中川(ラ3=高知)。去年のリーグ戦ではライトウェルター級だったが今回は階級を一つ落としてライト級での出場となった。村地、福井、渡来(営1=武相)と3連勝し東洋大にとって非常に良い流れで中川に出番が回ってきた。対戦相手は拓大キャプテンであり、強敵の竹嶋だ。流れを途切らせてはいけない、ここで勝たなければというプレッシャーとみんなからの期待を背負いリングに立つ。しっかりと距離を取りながら顔を中心に攻めていき3Rでは一度相手を倒れ込ませた。その後も手を緩めず着実に攻めていき判定勝ちとなった。勝利したものの中川自身は試合内容に満足していない。「60点くらい」と自らを評した。「ライト級に落としたばかりで、普段出来ていることが出来ていなかった」と振り返った。次戦での活躍にも期待がかかる。

    続いてリングに上がったのは昨年度バンタム級チャンピオンに輝いた木村蓮(営2=飛龍)だ。始めにボディを中心に攻めていき相手の顔へ綺麗にアッパーを決めた。開始わずか1分強で相手に膝をつかせ2分28秒でRSC勝ちと周りを圧倒させ、チャンピオンの名に恥じない勝利をつかんだ。三浦監督も「100点をあげられる活躍だった」と評した。

    一年生の豊嶋(営1=横浜総合)と渡来にとっては今回が大学のデビュー戦。豊嶋は強い対戦相手に最後まで食らいつき判定にまで持ち込んだ。「あの選手に五分まで持っていけたのは勝ちに等しい負け」と三浦監督は満足げに言った。バンタム級で出場した渡来は3年生を相手に果敢に攻めていき勝利した。まだまだ伸びしろがある一年生たち。今後の成長にも注目していきたい。

    次戦の相手は中大だ。決して油断できる相手ではない。「余裕なんてないから全力でぶつかっていくだけ」と三浦監督。選手たちの気合いも充分だ。どのような試合を見せてくれるのか。今後の試合も目が離せない。


◾️コメント

・三浦監督
前半で良い流れを作れた。5連勝で勝利を確定できた。しかしLWから3連敗してしまったのはちょっと流れを悪くしてしまったという気がする。特にWの原田の出来が悪すぎた。勝てると踏んでいたところが負けてしまったから、しっかりと持ち帰って鍛え直しさせないといけないなと思った。(今日の試合の)ポイントはL1の中川対竹嶋だった。竹嶋は相手のキャプテンだったから、エースを潰したというのは東洋の勝利に繋がった1つの要因。(一年生について)LFの豊嶋の相手はすごく強い選手で、その強い選手に勝ったかなという五分の試合が出来たということは良い収穫。負けたけれどもあの選手相手に五分まで持っていけたというのは勝ちに等しい負けだと思っている。B2の渡来は小さい時からボクシングで有名な選手で上手い選手ではあるが、少し硬さがあった。相手の動きに少し付き合ってしまったかなと感じた。ただ最低限勝ちに持っていったというのは評価できる。一年生でリーグ戦で勝つというのは難しいことだから、それを出来たということはギリギリ合格点をあげられると思う。今日のMVPは中川。エースを破ったというところで(チームに)勢いがついた。木村もKOで良い勝ち方をしたが、全日本チャンピオンだからやらなければいけない選手。勝ち方としては素晴らしく良い勝ち方で、打たせず打つ、しかも倒しきるということが出来ていた。これも中川と同じく100点をあげられる活躍だった。(次戦相手の)中大は良い選手も多いから東洋も今日の反省点を修正して、しっかりやっていきたい。余裕なんてないから全力でぶつかっていくだけ。


・豊嶋(営1=横浜総合)
大学に入って初めての試合で、しかもトップバッターで緊張した。でも試合前に先輩が励ましてくれたことが力になって、今まで以上にいい動きが出来た。(敗因は)自分のボクシングが出来なかったこと。もう少し距離をとって上手く戦えれば良かった。次戦は今日出来なかった動きを、自分の距離で戦えるように。入ってきたところにカウンターを合わせていきたい。次は勝つ。


・村地(法3=西宮香風)
今回の相手は1年生で過去に勝った人がいて、それなのに自分が負ける訳にはいかないからプレッシャーがあったけど勝てて良かった。試合していてすごい楽しかった。リーグ戦が一番楽しい。次からも出たら絶対勝つ。


・福井(営3=駿台学園)
初のバンタム級で、まったく減量がなかったんですけど、その中で内容には納得できなかったが、勝てたことはよかった。もっと自分はできる部分があるので、それをもっと出していきたかった。(減量がなかったことは)楽でした。毎日食べまくって(笑)(バンタム級は合っているのか)合っていない。ちょっと減量したほうがやりやすいし、相手も大きいので。まだ1戦しかやっていないのでなんとも言えない。(軽量級が流れをつくっていたが)村地がまず勝って、村地と去年、勝ってハグしたんですけど今年ももう一回やりたいなと思っていて。いつもしんどい練習して、勝てるほどうれしいことないです。今年も勝ってハグしました(笑)(初戦どうだったか)減量がないせいか試合という感じが少なくて、でもここで勝って勢いつけたいなと思っていた。(次戦に向けて)いい内容で勝ちます!


・渡来(営1=武相)
リーグ戦初戦で初めてだったが、勝ってチームに貢献出来て良かった。落ち着いて試合に臨めたことが良かった。試合前の緊張はほとんど無くて、先輩方やいろんな人たちが盛り上げてくれたから楽しんで試合が出来た。試合自体は思い通りにはいかなかったが、緊張せず体も硬くならなかったから、最初にしてはまあまあな試合だったと思う。今日の相手は頭から突っ込んでくるタイプであごに当たったりしてたから、次は今日みたいにくっつくシーンを少なくして自分の距離でやって圧倒できるようにしていきたい。


・中川(ラ3=高知)
久しぶりのライト級で緊張した。相手もキャプテンで強い選手だったので自分が今日のキーマンだと思って臨んでいた。(3人続けて勝ってる中での出番は)自分が勝たないと次も勝てないと思って、気持ち的にはちょっとプレッシャーの方が大きかった。でもプレッシャーのおかげで逆にやってやるぞ!という気持ちになれた。去年は初戦負けてしまっていたが、今年は自分がチームを引っ張っていかないといけない存在だと思っているので、そういう気持ちで試合に臨んだ。自分のボクシングを貫こうと取り組んでいる。正直、もっとできたかなと思う部分もあった。まだライト級に落としたばかりで、動き方も普段できていることできていなかったり、そこができるようになったらもっと楽に試合できたかなと。相手も強かったので。60点くらい。(減量は)久しぶりでキツかったですけど、チームの為なので。(MVPということですが)それはそうですね(笑)なんとか一番強い相手に勝てて、流れを持ってこれたのかなと思う。次も勝ちます。(チームの応援は)やっぱりすごく後押ししてくれる。個人戦はないので、応援あってこそのリーグ戦だなと強く感じた。うれしいです。


・木村蓮(営2=飛龍)
自分は今回バンタム級から上げて、相手はライトウェルター級から下げてきてたので2階級くらい差があったのでパワーの心配があったが、結構試合は見たことあり馬力とか根性があるのでどうしようかと思った。だが、アッパーを中心に組み立てて回るっていうのを意識した。リーグ戦は個人戦よりも勝ちたいって気持ちが強いので、先輩にも普段から良くしてもらってるしこのメンバーで勝ちたいっていうのが強いので自分のためというよりも全員で戦って優勝したい。リーグ戦は盛り上がるので楽しい。


TEXT=中村緋那子  PHOTO=梅山織愛/玉置彩華