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第70回関東大学ボクシングリーグ戦
7月8日(土) 後楽園ホール
東洋大3-6日大
【LF】●豊島(判定)杉山○
【F】●福井(判定)市川○
【B1】●村地(判定)嶋田○
【B2】○渡来(判定)阿部○
【L1】○木村蓮(RSC)中村●
【L2】●中川(判定)斎藤●
【LW】●久野(判定)沖島輝○
【W】○原田直(RSC)鈴木●
【M】●松野(判定)沖島翼○
終始相手を圧倒した木村蓮
木村蓮は階級賞と技能賞を受賞した
今大会1年生ながら大活躍だった渡来
リーグ戦の最終戦となった駒大との一戦。互角の戦いが予想されたが、結果は3-6と黒星で終わった。しかし勝ち点の合計から東洋大最高順位に並ぶ2位でリーグ戦は終了した。
軽量級でまさかの3連敗スタート。追い込まれた雰囲気の中、登場したのが今大会絶好調の渡来(営1=武相)だ。距離を保ちながら、タイミングを見計らってパンチを繰り出す。右ストレートが確実にヒットし、「魅せるボクシングをしたい」と話す通り観客を何度も沸かせる試合運びだった。判定は5-0で渡来の完勝。1年生ながらリーグ戦全試合に出場した渡来は今回の対戦を「良い集大成になった」と振り返る。まだまだ伸びしろのある渡来の成長が楽しみだ。
次に登場したのが木村蓮(営2=飛龍)。開始直後から手数で相手を圧倒。ジャブで相手のガードを壊した隙に強いパンチを決める。相手から強いパンチを打たせないまま、2R目の2分12秒でRSC勝利で試合を終えた。木村蓮は昨年の全日本ランキングでバンタム級チャンピオン。しかし今回はライト級で出場し、5戦全勝で技能賞も受賞した。チームのエースとして文句なしの結果を出した彼が、日本のエースになる日も近い。
渡来、木村の勝利で流れを掴んだかのように思えたなか、次の中川(ラ3=高知)がまさかの敗戦。リーグ戦ここまで負けなしで、判定も2―3と接戦だっただけに悔しい黒星だった。次のライトウェルター級には今回のリーグ戦初出場の久野(営3=横浜)が登場。全日本ランキングチャンピオン相手に果敢に挑むも悔しくも敗戦した。悔しい連敗の次に登場したのが原田直(営3=崇徳)だ。互いにペースがつかめずクリンチの場面が多く見られる試合となったが最後まで粘りぬいた原田直の勝利。自身は「5戦の中で一番情けない試合だった」と語るが、勝利を収めたことでチームにも活気を与えた。ミドル級には最後のリーグ戦となる松野(営4=開新)が登場。持ち前のパワーで力強いパンチを繰り出すも、相手のフェイントでなかなかペースをつかめず敗戦となった。
駒大との対決は近年連勝していただけに今回はまさかの敗戦だった。今年のリーグ戦は、総合2位と東洋大最高順位に並ぶものだ。しかしチームが目指していたのは優勝。それだけに悔しい結果となった。だが最後の駒大戦に出場したメンバーのうち5人が3年生。次はこの学年が最高学年になる年だ。今回多くの経験を積んだメンバーが来年こそは初優勝をつかんでくれるに違いない。
■コメント
・三浦監督
今回は、ライバルの駒大に3-6で負けてしまった。監督として選手の配置等が裏目に出てしまい、このような結果にしまったと思う。力出し切れた選手もいればそうでない選手もいますので、常に反省して来季につなげていきたいと思う。渡来は落ち着いてボクシングができた。相手もアウトボクサーだったので、やりやすかったと思う。木村蓮はエースなので、うちの選手でもあるし、日本のエースになろうとしてる選手なので、すごくいい勝ち方、いいスピード、いいコンビネーションというものが光った試合だった。合格点です。原田直に関しては、勝ちましたが3R目のクリンチが大きくなってしまい、反省点もあるが、1・2Rはなんとかまとめられたかなと思う。全体では、ライトフライ級とフライ級の最初を落としてしまい、バンタム1まで3連敗喫してしまったというところでチーム戦として苦しくなってしまった。出だしの大切さを再確認した。またここを強化して来年につなげていきたい。ジャッジが5人いるなかで、3-2とかの判定というのは、どっちが勝ってもおかしくない試合展開ではあったのかなと思う。そのはチームスタッフや我々がそういった試合をさせてしまったことが原因で誰から見ても圧倒的に勝ったという試合ができないと、判定は難しい。
・渡来(営1=武相)
前回の日大戦で村田昴選手に負けてしまったが、その反省点を改善してやることができました。(5戦4勝はどうだったか)自分の最初の目標としては5戦5勝で終わりたかったが、前回の日大戦で負けてしまって、みんなに申し訳ない気持ちです。でも自分としては反省点が見えた試合となって、今後につながるので良かったと思います。今日の試合がいい集大成となりました。倒せたら一番良かったが、見せるボクシングということでみんなにアピールできたのでよかったです。さらに山をつくる、攻めるボクシングをしたいと思います。初めてのリーグ戦で毎回楽しくて、終わっちゃうのかと思うと寂しいです。減量がとてもきつかったのでそれは終わって嬉しいです。今日は最後だからちゃんと決めなきゃいけないという緊張は少しありましたが、直前にはもうなくなって、いつも通りできました。個人戦はまたバンダム級とかになると思うので、コンディション作りだけはうまくできるようにしたいです。コンディションいい状態で試合したら結果はついていくと思うので優勝を目指して頑張りたいが、まずはコンディション作りを頑張りたいです。優勝したいです。チャンピオンになりたい。
・木村蓮(営2=飛龍)
1R目は相手が元気なのでパンチも生き生きしてて、近い距離でやった時にボクシングは何があるかわからないから倒れちゃうかもしれないので、自分の距離を保ち的確にジャブを突いてパンチをもらわないように相手のスタミナを削った。2R目で感覚を掴めたのでいこうかなと思ったら決める事が出来たので、内容的には80点くらい。後は右アッパーが大きかったなっていうのはあるので、もっとコンパクトにまとめていきたい。自分が負けたら流れも悪くなるし、勢いをつけたかった。しっかり集中して自分のボクシングをすれば勝てると思った。(リーグ戦を終えて)最初はそんなに階級賞とか意識してなかったが、5勝出来たことは素直に良かった。1番良かったのは、初戦。的確にジャブを突いてしっかりカウンターを攻めていけたので良かった。(苦戦したのは)拳が痛いのもあって2戦目。言い訳しててはいけないが、その状態でも勝たなきゃいけないが雑になっちゃった部分があった。結果はついてくるものなのでボクシングが更に強くなれればいいな。
・原田(営3=崇徳)
5戦で一番情けない試合だった。勝てていたからまだ良かったが、内容はもう一番ひどかったので反省してまた個人戦に向けて頑張る。5戦全勝で階級賞をとるつまりでやっていたが、全然ダメだった。僕が負けた試合はたまたまチームのメンバーが救ってくれたので、チームの力を借りて最後まで優勝の望みに繋げたが、今日も全然良くなかったので頑張る。チームは優勝を目指せる力は持っているので、誰がキャプテンになるかまだわからないが、僕たちの代で後輩たちを引っ張っていくので優勝できるように頑張る。(4年生は)いい人ばっかりで、とてもアットホームな感じで日々の寮生活とか練習とかまとめてくれたので、この良い雰囲気を僕たちも後輩に引き継げるように。東洋だけなんですよ、多分、こんな仲良くやってるのは。なのでそれを東洋の伝統としていけるように僕たちがもっともっと後輩たちと親密になれるように、そういう関係を築けるように頑張ります。
TEXT=梅山織愛 PHOTO=玉置彩華、中村緋那子、松井美乃、佐藤マナ