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12季ぶり17度目の栄光に歓喜の輪が広がった春季リーグ。開幕2連敗後「入替戦も覚悟」とささやかれたチームは諦め知らず。劇的な8連勝で戦国の頂点に登りつめた戦士たちの歩んだ軌跡をお届けする。
9日目は宝楽健吾(営4=PL学園)。最高学年として迎えた春季リーグ戦、全試合スタメン出場を果たすも「不甲斐なく悔しさしかない」と語る姿にはまだまだ躍進を続ける野球への貪欲な姿勢が伝わってくる。打の東洋の攻撃に欠かせない粘り強い打撃を見せた今季リーグ戦を振り返ってもらった。取材日=7月2日、聞き手=松本菜光花)
――優勝が決まった瞬間はどのような気持ちでしたか。
個人的には勝って優勝を決めたいなという気持ちはあった。結果的に試合前に優勝が決まって、正直ホッとする気持ちもあったが、まだ試合があったのでしっかり気持ちを切り換えていかなければいけないなと思っていた。
――リーグ戦を振り返っていかがですか。
優勝できたことはもちろん嬉しかったのだが、個人的には不甲斐なく悔しさしかなかった。チームの成績が最優先なので優勝したことは良かったという気持ちとともに、個人的には心の底から喜べなかったし、悔しい思いが大きかった。課題がたくさん見つかったリーグ戦だったと思うし、自分がもっと結果を残していれば楽に勝てた試合もあったと思う。
――全日大学野球選手権大会はいかがでしたか。
1発勝負だったので1つの試合の重みはいつも以上に感じていて、細かいミスが負けにつながってしまうこともあるという意識を持って挑んだ。特に緊張していたわけではないが球場がいつもの神宮ではなく東京ドームだったのでいつもと雰囲気が違うなという風には感じていた。ただ試合ではいつも通りできることをやっていこうと思っていた。
――全日本前のチームの状況はどうでしたか。
リーグ戦も2連敗から一戦一戦勝つことだけを考えていて戦って終わってみたら8連勝することができたので、そのチームの良い勢いのまま全日本に入ることができたと思う。
――チームの中でどのような活躍が期待されていると思いますか。
自分に1番求められているのは大事なところで打つ、チャンスの場面で結果を出すことだと思う。監督さんが評価してくれているのも勝負強さというところだと思うので、自分が足も使ってチャンスメイクすることも大事かもしれないがここぞという時の1本を出せるかどうかということが特に大事だと思っている。
――秋季リーグ戦に向けて意気込みを教えてください。
春季リーグはチャレンジャーとして追いかける立場だったが、秋季リーグは追いかけられる立場になるのでそこを意識しすぎず、春と同じように泥臭く粘り強い試合をしていって結果的に優勝に結び付いたらいいなと思う。個人的には 春は四球などで出塁することは多かったが、チャンスでなかなかヒットを打てず犠牲フライになってしまったりしてなかなか打率をあげることができなかったので、やっぱり打率をあげていきたい。具体的には打率は3割を越えていきたい。そこから盗塁や打点を積み重ねていけたらいいなと思っている。