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2017.08.20
アイススケート

[スピードスケート]悲願のインカレ優勝へ! 嬬恋合宿で見えたチームの輪

スピードスケート夏合宿

取材日 8月11日(金)、12日(土)

 

夏合宿日程

8月9日~19日 群馬県嬬恋村にて陸上トレーニング

8月21日~9月17日 北海道帯広市にて氷上トレーニング


 トレーニングを終え笑顔の選手達


霧がたちこめる中バイクで坂を駆け上がる新井


仲間を激励することに対しても全力だ


鏡の前でフォームを確認する川目




 8月11日から12日にかけての2日間、スピードスケート部の夏合宿に密着取材させていただいた。1日目こそ霧がかかっていたものの、選手達は互いに励まし合いながらとてもいい雰囲気で厳しいトレーニングに取り組んでいた。他の大学ではこの時期にはもう氷上でのトレーニングに入っているところもある中、東洋大はまず陸上でのトレーニングに時間をかける。これはシーズン終盤まで落ちない体づくりのためでもあり、インカレがある1月までしっかりと戦えるように加部監督が独自にメニューを考えて行っている合宿だ。

 取材させていただいた1日目は、標高約1300mに位置する山道400mをインターバルで7本×5セット、バイクで往復するという高地トレーニング。このインターバルでは1本50秒台でこなせるとまずまずな中、2年小岩(社2=白樺)は高いモチベーションでバイクをこぎ続けていた。「東洋の中でもダントツな選手になりたい」と高い志を持つ小岩。昨年のインカレでは1年生ながらも1500mで5位入賞を果たすなど、今シーズンは若きエースとして初の表彰台に期待が掛かる。

 3セット目あたりから徐々に選手達の表情は険しくなっていったが、全員で声を掛け合いながら必死に坂を上り続けた。最終5セット目には自主的にもう1本回数を増やしたり、大声で仲間を鼓舞する姿が目立ち、学年に関係のないチームワークのよさが垣間見えた。

 2日目の午前は嬬恋高校のトレーニングルームを借り、ウエイトトレーニングに励んだ。長距離と短距離の2組に分かれて鏡の前で氷上をイメージしながらのフォームチェックや下半身の強化など、各々に必要なトレーニングをこなしていった。

 合宿取材を通してスピードスケート部のチームワークのよさを何度も実感した。オンとオフの切り替えがしっかりしており、オフの時間は1年生から4年生まで学年に関係なく話したり、練習中には先輩が後輩にアドバイスを送る姿が印象的だった。また、合宿中に行ったインタビューでは全員が「インカレ優勝」の目標を口にした。小林(社3=市立長野)は「総合優勝が狙えるのは限りなく今年が近い」と話すなどと戦力の充実がうかがえる。今季チームの先頭に立つ島田主将は「この立場になって多くの人に支えられているなと感じる」と主将としての自覚をしっかりと持ってチームを引っ張っていく姿勢を見せた。新1年生も6人加わり、これからますますチーム内での競争も激しくなってくるだろう。悲願のインカレ優勝へ向け、勝負のシーズンがいよいよ始まる。


■ コメント

島田主将(社4=佐久長聖)

(新チームの雰囲気は)春から結構楽しいチームだなと感じていた。学校に行っている期間は一緒に練習できないので、周りがどんな調子かはわからなかったけど、この合宿に来てみんなが成長しているのを感じた。(今年は主将を務めるが)この立場になって多くの人に支えられているなと感じる。4年制は一緒にメニューを考えたり、相談にのってくれる。下級生もそれぞれが自分の役割を理解してくれている。(1年生の印象は)ここまでを見る限り、みんな確実に成長するなと思っている。まさかこの4カ月でっここまで良くなるとは思わなかった。(今シーズンの目標は)自己ベストのタイム的には表彰台も十分に狙えるので、そこは前向きに考えている。また、今年は長距離の1年生が1万mを滑るので、自分は1500mに出ることになる。そこでも小岩と1、2位を取りにいきたい。


・新井(社4=岡谷南)

(昨年からの変化はあるか)体とかはそこまで変化は無いと思うけれど、メンタルというか考え方が変わった。去年までは「俺がやらなきゃ」という気持ちのまま氷上に敗いていたが、今年はもちろん自分も頑張るんですけど、どんどん後輩に自分を抜いていってほしい。もちろん負けるつもりは無いけれど、そう思うと練習も辛い中でも頑張れる。(期待する後輩は)きてもらわなきゃ困る選手は2年の小岩。1年生でいうと、竹中、川森、石原の3人。入賞とかは難しいかもしれないけれど、レギュラー争いに関わってきてほしい。(新井さんからみる島田主将は)シマのことは小1から知っていて、一緒にずっとやってきた。言葉で引っ張るよりは背中で引っ張るタイプだと思う。その中で悩みとかはあると思うけれど、あいつが思った通りにストレスなくやれればチームも良くなると思うし、そこは自分も支えてやりたい。


・茅野(社4=東海大三)

(チームの雰囲気は)この4年間の中で一番いい雰囲気でやれていると思う。1年生から4年生までギクシャクなく、楽しめている。(最後のシーズンになるが)この先競技を続けることはないので、今まで19年ぐらいやってきた集大成。チームにもそうだけど、一番はここまでやらせてきてくれた親に感謝の気持ちを持って、賞を取れるように頑張りたい。(嬬恋合宿のポイントは)本当に辛いんですけど、ここで鍛えられたメンタルはこの先のレースでも苦しいときに踏ん張れる力になっていると思う。(今シーズンの目標は)4年生なのでインカレではポイントを1ポイントでも取れるようにして、できれば入賞。そして最終的に総合優勝をしたい。


・濱田(社4=狭山ヶ丘)

(チームの雰囲気は)毎年チームの色は変わっていて、今年は比較的いい雰囲気ができていると思う。上下関係はあるんだけど、オフのときは1年から4年まで仲良くやっていて、いいメリハリができている。(1年生が入ってからは)正直最初は不安しかなかった。4年生なりたてのときは指導がなかなかできなくて、教えることの難しさを知った。それでも一緒にやっていくうちにうまく形になってきて、1年生それぞれのポテンシャルも高いなと思った。(最後の1年になるが)自分はスケートの速さでサポートするよりも、チームの雰囲気だったり、主将ができないこととかがあったら、俺が陰で支えてやるとか、縁の下の力持ち的な仕事で貢献したい。(今シーズンの目標は)全体の目標はインカレの優勝。雰囲気づくりや裏方の仕事など、俺のできることをして最終的に総合優勝につながったらいいなと思う。


・小林(社3=市立長野)

(3年になって気持ちの変化は)1年生が入ってきたことによって自分のことだけを考えていればいい立場ではなくなったと思う。客観的に自分のことを見れるようになったし、部全体のことを見れるようになった。そこは副将としての意識を持ってやっている。(4年生とは最後の1年だが)今までの歴代の中で一番メンバーが揃っていて、総合優勝が狙えるのは限りなく今年に近いのかなと思っている。優勝への思いは強い。(今シーズンの目標は)500mもそうなんですけど、1000mが去年は入賞者が誰もいなかったので、自分はそっちを主にやっている。短距離でポイントをとれるかどうかが重要になってくるので、自分と(川目)拓磨(社3=駒大苫小牧)がポイントを取れるようにしたい。


・小岩(社2=白樺)

(この嬬恋合宿で伸ばしたいところは)伸ばしたいところは持久力系で、自分は1500mをやっているので、持久系が一番大事になってくるので、自転車練習をメインにおいて、持続力を意識している。(チームの雰囲気は)4年生の茅野さんがよく盛り上げてくれて、1年生も個性的で、賑やかで、いいと思う。(今シーズンの目標は)全日本の大会で上位入賞して、インカレでも優勝。オリンピック選考会もしっかり出て、まずまずの成績を残してたい。去年より自分の名が知れ渡って、東洋と言えば「小岩」と言われるような、東洋の中でもダントツな選手になりたい。


・遠藤(社1=標茶)

(初の嬬恋合宿の印象は)この嬬恋合宿は酸素が薄いところで練習しているので、心肺機能とかを中心に鍛えたい。(21日からの氷上トレーニングでは)この嬬恋合宿を生かして、つらい練習の中でも足が動くように、息切れしても動けるようにしたい。(高校との違いは)自分の高校は人数が少なくて、3人しかいなかったが、東洋にきてから17人も部員がいて、練習のときから雰囲気が違うと感じた。(なぜ東洋を選んだのか)自分の兄も東洋にいって高校のときより、いい成績を残したので、どういう練習をしてるのか気になったし、自分は兄に勝つためにスケートをやっているので、東洋にきた。他に選択肢はなかった。


・仲(社1=白樺)

(この嬬恋合宿で伸ばしたいところは)自分は気持ちが弱いので、この嬬恋合宿では気持ちが折れる練習ばかりなので、そこの部分を強くしたい。(21日からの氷上トレーニングでは)昨年、技術面の不足を感じたので、そこを伸ばしたい。(高校との違いは)高校のときは練習時間が長かったが、大学ではわりと短時間で集中して練習をするので自分に合っていると思う。(なぜ東洋を選んだか)いい先輩に恵まれていることと、2年生の小岩先輩が同じ高校出身なので入るのを決めた。


TEXT=美浪健五 PHOTO=美浪健五、谷口奏生