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第93回関東大学バスケットボールリーグ戦
9月23日(土) 日体大世田谷キャンパス
東洋大64-84駒大
20|1Q|16
12|2Q|26
21|3Q|17
11|4Q|25
スターティングメンバー
27 和田麗空
28 佐久間澪
29 岩淵俊也
33 平考介
50 唐澤恵介
得点を稼ぎチームに勢いをつくった岩淵
けがから復帰した和田は思い切ったプレーを見せた
いまだに白星が上がらず、リーグ戦最下位と苦しい状態の東洋大。まずは1勝を目指し挑んだ駒大戦もリードを生かせず最終的に20点差で敗れた。しかし、今試合からルーキーの和田(済1=東海大相模)も復帰し、ゲーム内容もこれまでとは違い接戦を繰り広げる場面もあり、徐々にチームの調子は上がってきている。
1Qは先制を奪われるも岩淵(済4=新潟商)、杉田(済3=市立船橋)がこれに食らい付き得点を稼ぐ。同点になってからは川上(済3=市立船橋)が連続でスリーポイントを決め、残りわずか9秒のところで田代(済1=桐光学園)のスリーポイントで駒大を突き放した。4点のリードで迎えた2Qだが、5連続得点を許し逆転されてしまう。それでも貪欲に1本1本シュートを狙い、2Qから大きく離されていたところを10点差で抑えた。
一時は14点まで離された3Qだが、後半追い上げを見せた。佐久間(済3=東海大相模)、岩淵、渡邉浩(済3=新潟商)が立て続けに得点を決め、その差を徐々に縮めていく。残り1分半から渡邉浩が再びポイントを奪い、フリースローのチャンスも生かして点差は6点に。「勝てるぞ」とベンチから声も響き、リーグ戦初白星が見えかけた。最終4Qは点を取っては取られの攻防が続き、中々駒大に追い付けない。さらに勝負所でのリバウンドが取れなくなり始め、相手にチャンスを与えてしまう。積極的に攻める佐久間とルーキーの和田を投入し、挽回を試みるも6連続失点。20点もの差がつき、痛い7連敗となってしまった。
連敗は止まらなかったが、今試合はチームの状態が向上していることが見られた。これまでは1Qごとに点差は広がり、そのまま逃げ切られ敗北を喫していた。しかし今回は最終的に20点差がついたが、4Qの後半まで勝負がわからない展開に。「いい試合しているが最後の最後で離されてしまう」と岩淵が振り返るように、あと一歩のところで負けてしまう。リーグ戦の折り返しも迫る中で、初勝利を奪うには“もうひと踏ん張り”。故障者も復帰し、足並みがそろってきたチームで次戦の慶大に挑む。
■コメント
・中嶋監督
(試合を振り返って)勝たなければいけない試合だったので、残念。今週からようやく全員そろって練習ができた。1年生がけがをしていた。けがに多く、苦しいシーズンの始まりできていたがようやく練習ができるようになって、チームの雰囲気もどんどん良くなっている。今回は思い切って和田を含めてスタートを切ったが、最初だったので緊張もありちょっとうまくいっていなかった。(和田の復帰はチームにとって)あのポジションで上がってくるとリバウンドも自然と取れるようになってくるし、今試合で田代と和田を入れることでリバウンドを取れることが多々あった。それでも最終的にリバウンドを十分に取れていないことが敗因になってしまったことが大きい。もう1回ベースに戻って、1対1でつくディフェンス、リバウンドを取るということを次に向けて修正しなければいけないと思っている。収穫としては全員でいい形で練習ができたことによって、もうひと踏ん張りだったというのがある。6点差までいって、なんとか持ち直そうという力がついた。もうひと踏ん張りできるかできないかが課題になってくる。勝負所のリバウンドで取られて、入れられてどんどん離れていってしまうときついので、そこを修正していかなければいけない。(今回の試合で)杉田もすごく頑張ってくれた。相手の針生くんの体が強く、スタートは背の高い平でいったがファールが混んでしまったので、次は杉田でいくと予定していた。よく外で頑張ってくれた。外が入っていることはいいことなので、合わせて中の方でも頑張ってもらってリバウンドに絡んでもらい、よくやってくれたと思う。(次戦に向けて)悪かったところをどれだけ修正して次を迎えられるかというところ。暗くなることはなく、もう一息もう一息というところまできているので、その殻を破け切れるか。今回も6点差のときにもう一踏ん張りすれば、明るい兆しが見えてくるところまでいった。みんな本当によくやってくれている。
・岩淵(済4=新潟商)
(試合を振り返って)リーグ戦を戦ってきて一番いい試合ができたのかなって思う。ディフェンスもオフェンスもいいところが出ていて。それでも勝ち切れていないのが弱さだし、去年もいい試合していても勝ち切れなくて悔しい思いをした。それが今年にもつながっていて、立大戦とか神大戦とか、いい試合をしても最後の最後で離されてしまうし、2点3点差詰め寄ってもそこから逆転する力が足りていない。そこの追い上げた時のひと踏ん張りができてないのかなって印象。(1年生のプレーに関して)和田とかはけが治って1週間練習してきて、今試合に関しては良い悪いとかなかったし、1年生だから怖いもの知らずって感じで思いっきりやってもらいたい。1年生はこれから先長いので、4年生になった時に結果を残せるように下積みして、ミスを怖がったプレーはしてほしくない。今回に関しては思いっきりできたと思うし、それを継続して次戦も思いっきりプレーしてほしい。(競った時の心境)立教とか神大のときも、競っているときにどこかで我慢しなきゃいけないことはわかっている。その我慢するところでディフェンスで1本しっかり守ったり、リバウンド1本しっかり取ったりすること。それは本当に大事なことだと思うので、そういう細かいところをしっかり突き詰めなきゃいけないな、ということは競ってる時によく考えている。それが最後まで継続できなかったのが今日の負けてしまった原因。(慶大戦に向けて)慶大も今試合のようにインサイドで強いプレイヤーがいるので、そこをどう止めるのかキーになってくると思う。全体的にシュートのアテンプトが多いチームなので、ハリーバックしっかりしないとやられてしまう。今回みたいに戻りが遅いと相手に思い通りのバスケットをさせてしまうので、慶大のバスケットでやってくることは大体わかっているので、考えた上でプレーしたい。
・和田(済1=東海大相模)
左膝の靭帯を断裂して、今回復帰して初のリーグ戦だったが、いきなりスタメンという立場でプレッシャーもあってなかなかスタメンという期待に応えられなかった。悔しい。思い切ってやろうという気持ちではできた。今回出場してチームがどんな雰囲気かわかったので切り替えてやっていきたい。得意なプレーはドライブ。(次戦に向けて)連敗しているが自分が加わって(チームが)変わったと思われたらいいと思う。
TEXT=福山知晃 PHOTO=外狩春佳、土橋岳