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2017.09.26
準硬式野球

[準硬式野球]小田辺監督「成長を感じる試合」割石完封で中大1回戦を白星で飾る

平成29年度東都大学準硬式野球秋季1部リーグ戦・中大1回戦

9月24日(日) 上柚木公園野球場

東洋大1-0中大


(イニングスコア)

1回戦







8
9

中大









東洋大




×
1
× 


(東洋大)

割石(社3=越谷南)-多田龍(ラ3=高松西)

チームの勝利を喜ぶ割石

若松主将は攻守共に活躍をみせた

試合中、割石に声をかける多田龍


 今夏行われた全日本準硬式野球大会で準優勝の強敵中大との1回戦。若松主将(法3=座間)が決めた1点を守り切り、割石(社3=越谷南)が完封勝利を挙げた。

  割石は初回から安定した投球で強豪打線を抑えていく。その裏の攻撃では先頭打者の若原(社2=九州学院)が安打で出塁するも打線が続かない。それでも先制点は東洋大から生まれた。二回、高橋(法1=八戸学院光星)が四球で出塁すると、すかさず黒瀧(社3=朋優学院)が犠打で送り、しっかり役目を果たす。続く若松主将は甘く入ったスライダーを見逃さなかった。「中大戦では打つと周りに言っていた」と有言実行の3塁打で貴重な1点を先制した。

  援護をもらった割石の投球のギアが上がる。「中大に勝つには、バッテリーで守ってワンチャンスを生かすしかない」と監督の読み通りそこからは投手戦に突入した。割石は毎回ランナーを背負いながらも「集中力を切らさずにできた」と打者を打ち取っていく。しかし相手打線も黙ってはいない。五回、この試合初めて三塁にランナーを許してしまう。投手のピンチを野手が救う。先制点を決めた若松主将が鋭い打球を体を張って止め、一打逆転の危機を乗り越える。女房役の多田龍(ラ3=高松西)も割石の力投に応え2度盗塁を刺すなど、捕手としてもチームに貢献。「割石とベンチでは次のバッターのことを話していた」と多田龍が振り返るようにコミュニケーションを多くとり戦略を練ったことが功を奏し九回まで得点を許すことなく勝利を収めた。

  粘り強く投球を続け完封勝利をつかんだものの、「課題は多い」と現状に一切の満足はしていない。次の登板に向けて修正し、勝利を目指す。


■コメント

・小田辺監督

 (今日の試合を振り返って)1-0というしびれる試合をやってくれて選手たちは本当に成長したなと感じる。勝因としてはバッテリー。割石が踏ん張ってくれたのと多田が盗塁を2つ刺してくれたり割石もバント処理を2つセカンドで指してくれたり。本当にバッテリーで守って守ってワンチャンスを生かすという、中大に勝つにはこの方法しかないと思っていたがそれをよく選手が実践してくれた。褒めてやりたい。(中大の印象は)東都の王者ですし、全日本も準優勝しているチームで簡単に勝てる相手ではないことは分かっていた。そんなチーム相手にがっぷり四つの試合ができたということは成長しているなと頼もしく感じた。(ベンチの雰囲気は)非常に明るいチームで、下級生からもどんどん声がでているし場合によってはいじるような場面もあったりして。でもそれがうちのチームのよさであって、お通夜のような感じになるよりはいい雰囲気で持続してくれて、ベンチにいる選手たちもいいムードを作ってくれたと思う。(課題は)途中4球や6球でチェンジになったりした。初級で打つのは全然だめではないが最初のバッター次のバッターが早いカウントで凡退しているときは、次のバッターは少しじっくりいくというようにしていかないと、いい投手は攻略できない。チーム全体で攻略していこうとミーティングで念押しした。そこは課題かなと思う。(次戦に向けて)次も中央で選手層は厚くいい投手がでてくると思う。ただそれを攻略してこそ喜びが2倍になるのでは。もちろんどこのチームも楽に勝てるところはない。ただ難しい投手を攻略して勝つことかさらに成長につながるし、喜びが倍増する。4カード連続初戦勝っているのでここは連勝で勝ち点が欲しい。

 ・若松主将(法3=座間)
(先制タイムリーは)スライダーが甘く入ってきたので打ちました。あそこまで飛ぶとは思ってなかった。これまでの試合で全然打てていなかった分、中大戦では打つと周りに言っていたので、有言実行できてよかった。この1点を守り切ってくれた割石には感謝です。中大相手にここまで守り抜くピッチャーはいない中々いない。ピッチャー以外にも、多田の盗塁を刺したプレーや、送りバントをさせなかったことで、得点圏にランナーをあまり出さなかったのが今日の勝利の要因だと思う。雰囲気も今までで1番良かった。次戦もチーム一丸となり、リーグ優勝のために中大を2タテできるよう頑張ります。

・多田龍(ラ3=高松西)
割石とコミニュケーションを多くとって、ベンチではずっと次のバッターのことを話していた。それが上手くいき、バッターを打ち取れた。野手もエラーは2つあったが要所要所で抑えてくれてそれが無失点につながったと思う。(どんな意識でリードしたか)中大はやはりうまいバッターが多くて打席ごとに変えてくるので『次の一打席はこうやって攻めよう』と一打席ずつ話し合って抑えた。(盗塁を2個阻止したことについて)2個目の盗塁は本当に印南に助けられた。印南様々です。(中大にとって初めての黒星をつけたことは)調子がよい相手に対して初めての黒星をつけれたのはうれしいが1戦目を取れたのが一番大きい。2戦目を絶対取れるように、今日の勝ちは棚ぼただと思って2戦目頑張っていきたいです。チームで徹底して自分の役割を決め、ピッチャーを楽に勝たせてあげられる試合にしたいと思う。(割石の投球は)中大戦は割石もみんなも気合がはいっていて、その気合いで要所要所で気持ちが入ってくるのでそこで抑えられたことが0点につながったと思います。(打順が戻り、今の調子は)悪くはない。3番はいいところで回ってくるので。いいところで回ってきたら次打点取れるように頑張ります。(ベンチの盛り上がりは)相手が強くなれば強くなるほどベンチも野手もピッチャーも気合が入るので、中大に絶対勝ちたいという思いでみんなが声を出したんだと思う。(中大2回戦に向けて)今日はバッテリー、ピッチャーで勝てた試合だったので次は野手が打ってピッチャーが楽に投げられるような展開にして勝ちたいと思う。

・山越(法3=座間)

(今日の試合を振り返って)割石が結構粘り強く投げてくれて、主将が数少ないチャンスを決めてくれたのでいい試合でした。(打順は)今回は前回と同じで、前回の国士大戦でいい感じにつながっていたので、変えずにきた。クリーンナップがあまり打てなかったが、代わりに下位が打ってくれたので良かった。(途中三者凡退が続いたが)打者に三振はオッケーと言っていたが狙ってない球を打って凡退というのが多かったので、しっかり狙った球だけを打つように言った。(次戦に向けて)中大1回戦目取れたがおごらずに2戦目取れるように練習して準備したい。

・割石(社3=越谷南)

(今日の試合を振り返って)締まった試合だったので集中力を切らさずできた。(味方の援護は1点だったが)相手もいい投手なので投手戦になるかなと思っていた。先に点が取れたのはラッキーだった。(多田捕手からどのような声かけを)たくさんかけれられた。慌てずひとりひとり打者集中で、ランナーは俺に任せていいからと。(中大の印象は)全日本2位で、前のリーグ戦で確かに勝ってはいるが凄く強いイメージなのでいつも以上に気を引き締めて挑んだ。(苦しい場面が続いたが)1点先制していたので、1点まではしょうがないかなと。仮に大量得点されても後ろに投手陣がいるのでそこになんとかつなごうという意識で。(今日の投球に点数をつけるなら)逆球やコントロールミスとかいつも言われている細かいことが出来なかったので70点いけばいいかなと。(課題は)多過ぎて。死球もあった。修正できれば優勝に近づいていくと思う。(次の登板に向けて)簡単な相手ではないが、回りと声を掛け合って勝てるように頑張りたい。


TEXT=鶴田華穂 PHOTO=望月優希