記事
平成29度関東学生アメフト秋季リーグ戦
9月24日(日) 東洋大朝霞グラウンド
東洋大7-6拓大
0|1Q|0
0|2Q|0
7|3Q|0
0|4Q|6
得点を喜ぶ伊勢馬場㊧と大西
新井の好守も目立った
連動したディフェンスで拓大を封じた
拓大との対戦は第3QにWR大西(国3=関東国際)がチーム待望のタッチダウン(TD)を取り7ー6で勝利。終盤にはTDを奪われるも、その後のツーポイント・コンバージョンを防ぎ辛くも初勝利をもぎ取った。
前回の敗戦から2週間。選手たちは試合の入り方を課題として練習に取り組んできた。前半の立ち上がり、その成果が形となって表れる。これまでは単発に終わっていたタックルも一人が当たればもう一人と、すぐさま相手を囲むプレーが幾度も見られた。ランで抜け出されても粘り強い守備で応戦し、ビッグゲインを許さず。これに対しCB新井(総4=豊岡)は「この2週間の取り組みが前半0で抑えたことにつながった」と振り返る。また、西村ヘッドコーチ(以下、西村HC)も「踏ん張って戦えていた」と守備陣の健闘をたたえた。
こうなると攻撃陣も黙ってはいられない。QB伊勢馬場(食4=横浜栄)を中心にWR大西、WR田松(ラ3=秋田南)が第3Q序盤から攻撃のリズムをつかみ始める。すると第3Q残り1分のところでQB伊勢馬場からWR大西へ約25ヤードのロングパス。これをしっかりとキャッチした大西はそのままエンドゾーンへ走り抜けTD。待ちに待った先制点にチームも大盛り上がり。大西は「完全に狙っていた」と百点満点のTDにほえる姿も見せた。チームのいい雰囲気は好調の守備陣にも伝染する。第4Qも集中力を保ち、相手の攻撃の芽を摘み拓大の猛攻をしのぐ。しかし試合終了まで残り1分となったところでついにほころびが生じてしまう。約30ヤードものロングパスを通され、そのままTDを奪われた。拓大はトライ・フォー・ポイントで逆転を狙うため、1点のキックではなく、2点が入るツーポイント・コンバージョンでTDを取りにきた。この絶体絶命のピンチに一人落ち着きを保っていたSS鳴島主将(文4=聖望学園)。プレーが始まるとボールの行方を注視し、最後は見事なインターセプト。試合開始から攻守に貢献してきた頼れる主将が、最後のところでチームを救うビッグプレーを見せた。
これで前節の負けを取り返し1勝1敗となった。この先の戦いを見据えて西村HCは「4年生の奮起が大事になる」と語る。4年生であるQB伊勢馬場は「今日の勝ち点3を生かすか殺すか次戦以降にかかっている」とすでに気を引き締めていた。次戦を連勝で飾り、波に乗ることができるのか、1部との入れ替え戦を目標に掲げる東洋大の冒険はまだ始まったばかりだ。
■コメント
・西村ヘッドコーチ
前節の試合はシャットアウトで負けてあれから試合の入り方が課題という話をしていた。今日は前半0で抑えて入り方は良かったし、なんとか踏ん張って戦えていた。ツーポイントのところでは勝ちたいという気持ちがあったからああいう形になったのかなと思う。(守備陣の評価は)拓大にはそれぞれのポジションにいい選手がいる中で一人当たったらもう一人、と連動していけていた。最後まで倒すフィニッシュの部分、これまでは1度当たってもふわっとしていたところが今日はしっかりフィニッシュできたのが良かったところかな。(得点シーンについて)基本的に大西はうちのエース。あいつがいないとうちのオフェンスは回らない。彼にしてみればこれが普通と言うと思うし、1本だけじゃまだまだ足りないと我々も思っている。(次節へ向けて)今日勝ててようやく開幕のラインに立ったようなもの。イーブンに戻せたのでやっとこれで次の試合開幕戦として戦えるかなと思う。ここからは最後の年となる4年生が奮起してチームをまとめ直して鼓舞していけるかが大事になる。1勝1敗となったところで、ここからもう一度4年生の頑張りに期待したい。
・新井(総4=豊岡)
今日はチームが一丸となって取れた1勝だと思う。TDを取られたあとのツーポイントコンバージョンで2点を取られずに止められたことが気持ち的にも大きかった。(守備陣の集中力が高かったが)前回は入りが悪かったので今回は入りのところから変えていこうと意識して練習してきた。この2週間の取り組みが前半0で抑えたことにつながったと思う。(次節へ向けて)まだまだ先は長い、上の入れ替えにいくにはもう負けられないので全部勝ちたい。
・伊勢馬場(食4=横浜栄)
(得点シーンについて)ハドルしている間に狙っていこうと伝えられていたので、言われた通りにできた。(守備陣の奮闘について)正直もう少し点をとられてしまうかもと思っていたが、1本で抑えてくれた。オフェンスからしても頑張らないと、と鼓舞されたので良かった。ディフェンスには感謝している。(今日の勝利は)勝ち点3が取れたのでそこは大きいと思う。この勝ち点3を生かすか殺すかは次節以降にかかっていると思うので気を引き締めて、入れ替え戦も狙っていきたい。(次戦に向けて)今回は1本しかとれなかったのでディフェンスをもっと楽にさせてあげられるように、チーム一丸となって快勝したい。
・大西(国3=関東国際)
(得点シーンは)完全に狙っていた。スカウティングして相手をうまく動かして一発狙っていくというプレーがキーになると毎日自分に言い聞かせてこの2週間練習していた。イメージしていた通りにできた。(守備陣について)ディフェンスに助けられたところが大きい。ファーストダウンがとれないときも踏ん張ってくれた。オフェンスが7点しかとれず悔しい結果ではあるが、ディフェンスが6点に抑えてくれてありがたかった。今回の勝利はディフェンスのおかげ。(初勝利について)拓大は1部から落ちてきて強いと思ったが、そこで勝てれば1部にいくという目標に近づけると思っていたので勝てて嬉しい。(次戦に向けて)この勢いに乗って全勝したい。次はオフェンスで点を取って勝つことを目標に2週間練習していきたい。
TEXT=美浪健五 PHOTO=美浪健五、川口朋珠