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2017.10.23
アイススケート

[フィギュア]遠藤が4位入賞! レベルが上がり、それぞれの課題が見えた東インカレ

第11回東日本学生選手権大会 兼 第89回日本学生氷上競技選手権大会選考競技会

10月21日(土)~10月22日(日)東大和スケートセンター

◆女子6級クラス

4位 遠藤60.31点(社2=日本橋女学館)

11位 水上53.78点(社2=桜町)

16位 小林48.95点(社3=山村国際)

◆女子6級クラス団体

2位 113点

◆女子Aクラス

17位 濱谷 75.66点(社3=富士見丘)

21位 川上 72.37点(ラ2=中京大中京)

◆女子Aクラス団体

6位 38点

◆女子5級クラス

7位 山田 42.52点(営3=文京学院女子)


遠藤はロミオとジュリエットを演じ切った

水上は「どんどん強くなりたい」と語る

初の試合出場となった山田


日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)への出場権がかかる東日本学生選手権大会(以下、東インカレ)。年々レベルの上がるこの大会で2日間にわたり熱い戦いが繰り広げられた。

 女子6級クラスには遠藤、水上、小林が出場した。その中でも60点台を出し4位入賞したのが遠藤だ。「悔しい」と振り返った春カンから4カ月、課題であった体力面強化のための走り込みやジャンプの高さを出すための筋力トレーニングなどの練習に力を入れた。努力が実り、演技後半もスピードを落とすことなくジャンプを決めていく。「表現することが好き」と語る遠藤はその言葉の通り表情豊かにロミオとジュリエットを演じ切った。さらに「疾走感を意識していた」と語る水上はスピード感のある演技で11位、小林は曲調に合わせた丁寧な演技で16位につく。この結果により、遠藤、水上で東洋大のインカレ出場枠を2つ取得した。濱谷主将は6級女子について「すごく質が上がっている。みんなで高め合っている」と語った。

 女子Aクラスには濱谷、川上が出場した。濱谷は感情のこもった演技を見せる。そして川上は美しくスピードのあるスピンと滑らかなスケーティングで去年より点数を上げた。しかし結果は濱谷が17位、川上が21位とインカレの枠を獲得することができず。「全体的なレベルがすごく上がっていてそれを痛感した」と濱谷。「来年は絶対にインカレに出たい」と意気込んだ。

 女子5級クラスには東洋大の選手として初の試合となる山田が出場。「自分なりに緊張しないで楽しく滑ることができた」と7位入賞を果たした。さらに得点の高いジャンプをプログラムに組み込むことを目標とし、これからの練習に意欲を見せる山田に注目だ。

 悪天候の影響で男子Aクラス、男子Bクラスの演技は中止となった。この大会に合わせて調整してきた菅原(社1=開志学園)、神戸(文1=ふじみ野)は悔しさをにじませる。しかし菅原は「次に向けて気を引き締めないといけないなと思った」と前を向き、神戸は「優勝したい」とインカレへの目標を語った。

 インカレ出場枠が決まり、明暗の別れる結果となった今大会。それぞれの課題を克服し、3カ月後のインカレでも高レベルの熱い戦いが繰り広げられることは間違いない。


◼︎コメント

・濱谷主将(社3=富士見丘)
練習ですごく調子がよかったのでそれだけに悔しいの一言です。4つトリプルが入っていて3つは絶対飛びたいと思っていた。転ばなかったが綺麗な降り方ができなかったり、加点のつくジャンプはできなかったなと思う。(主将としてプレッシャーは)東洋の部員がたくさん増えてチームワークももちろんだが自分の演技で引っ張っていきたい、主将としてちゃんとやれるところを見せたいと思っていた。プレッシャーはなかったが、後輩から尊敬されるような演技をしたいと思っていたのにそういう思いを演技につなげられなかったのが悔しい。全体的なレベルがすごく上がっていてそれを痛感した。最後まで滑り切って最後の拍手が暖かかったなと感じた。(チームは)Bクラス女子はすごく質が上がっていて、この大会に出るための選考もあったがみんなで高め合っていた。選考で落ちてしまった子も試合に出ない子もみんなしっかり試合のサポートをしていて女子Aクラスの2人もそのおかげで頑張ろうと思えたし、部のためにもいい演技がしたいとどんどん思えるようになった。それはみんな思っているみたいで、雰囲気がすごくいい。来年はラストシーズンなのでこのいい雰囲気のまま絶対インカレに出たいなとさらに思えた東インカレだった。

・山田(営3=文京学院女子)

初めての試合だったので緊張するかなと思ったが、部活のみんなが「楽しんで滑っておいで」って言ってくれたので自分なりに緊張しないで楽しく滑ることができた。使った曲が“仁”の曲で、ドラマを見たことがなかったのでこれをきっかけにドラマを見た。あまり表現が得意ではないので、先生にいろいろ、「もっと笑顔で」とか言われたので自分なりに心がけて、笑顔で滑った。プログラム自体は7月から練習を始めた。(今回の順位は)エントリーしている人をみて、みなさんのレベルを知らなかったので、いけるかどうかとか自分の中で不安なまま公式練習に行ったらみんなうまくて、これはいけないなって思ったがギリギリいけて良かった。(次の目標は)今日やったプログラムでは自分が跳べるジャンプしかいれてなかったので、来年のインカレではもっと得点の高いジャンプをいれられるようにこれから練習を頑張る。

・遠藤(社3=日本橋女学院)

春の大会で悔しい思いがあったのでノーミスではなかったが上手くまとめられたのでそこはよかったと思う。優勝を狙っていたので、もっと自分で追い込んで練習をすればもっとできたんじゃないかなと思った。(ジャンプの出来栄えは)回転が足りないジャンプもいくつかあったのでそれをもっと練習したい。また、一回転になってしまったジャンプが1つあるのでそれをもっと練習したいなと思った。(スピン、ステップについて)表現することが好きなので審査員に自分の表現したいことを伝わるようにいつもアピールしている。(悔しいと語っていた春カンから力を入れたのは)一番は体力面。強化するために走ったり、練習でジャンプを連続で跳んだりした。ジャンプの高さを出したかったので瞬発力などを鍛えるために筋力トレーニングをした。(インカレの枠がかかった大会で緊張は)ありました。部員もたくさん見ていたので結構緊張しましたね。(団体2位については)もう少しで一位を取れたので少し悔しいがみんなで頑張って二位という結果が残せてうれしい。(拍手を受けて)見ている人にちゃんと物語を伝えたくて滑っているのでそれが伝わったのかなと思いました。(インカレに向けて)インカレはジャンプの質を上げてノーミスで滑りたい。トリプルの数を増やして練習しようと思っているので自分のレベルを高く持って優勝を目標に頑張っていきたい。

・水上(社2=桜町)

全体的にはいい演技ではなかったが、1ヶ月前に行われた選考会のとき自分の力を出し切れず悔しくて、この1ヶ月間技術的な面でもメンタル面でも色々改善してきたので、1ヶ月前よりは少しはマシになっていたかなと思う。今回の曲は、一般的に浸透している曲ではないんですが、曲の雰囲気的にも疾走感とかスピード感を意識していた。(練習で大変だったことは)表現の部分でも難しかったし、前半にジャンプが続いているので体力の部分や、1つ失敗した後の立て直しが大変だった。(緊張は)しました。部を背負っているし、そういう部分でメンタルもどう持って行くかなど、考えていた。(11位という順位は)満足もできていないし、点数も低かった。次は一桁の順位や表彰台を狙いたい。まだインカレ出られるかわからないんですけど、自分でとった枠なのでこのまま出場できるようにどんどん2ヶ月で強くなって行きたい。

・神戸(文1=ふじみ野)

(天候で試合がなくなって)悔しい。先週、埼玉の国体予選があってプログラムが4分半だったのが、東インカレでは6級なので4分に戻して、1週間で調整していて、ジャンプの種類もトリプルを1つ増やして調整の試合でもあったので残念。やっぱり悔しい。来週東日本大会もあるのでそれを通過できれば全日本ジュニアにも進めるので頑張りたい。東インカレは女子部門には申し訳ないけど、男子は全員インカレに行けるので自分の演技の調整の確認も含んでいたので、それができなかったのは不安も若干ある。(インカレに向けて)7級がとれなくて、6級での出場になるので、大きく優勝したいと思っている。

・菅原(社1=開志学園)

最初男子Aはあるということだったのでなくなってしまったのは、今年ほぼ全部の試合ジュニアでエントリーしていて、シニアの4分半に合わせて練習していたので残念だなと思う。天候で試合がなくなったことがなかったので、室内競技でも中止になったりするんだなって。中止になったことは残念ですけど、次に向けて気を引き締めないといけないなと思えた。本戦では、団体入賞できるように、男子Aも男子Bも一人ずつしかいないんですけど、少しでもいい順位を取れるように頑張りたい。(インカレでの総合順位については)ホッケー部も毎週試合があって、スピード部門も今合宿で頑張っているし、フィギュア部門も人数では押されているが個人個人の力でみんなの足を引っ張らないように頑張りたい。

TEXT=望月優希 PHOTO=玉置彩華、越塚日南