Article

記事


2017.10.23
ラクロス

[男子ラクロス]リーグ最終戦は大差をつけての勝利で歓喜締め!

第30回記念関東学生ラクロスリーグ戦  男子・2部Bブロック

10月21日(土)
江戸川区臨海球技場

東洋大15-1東理大


最後は笑顔で集合写真


ゴールに喜ぶ場面も見られた


AT陣の要として活躍した井本


1年間チームを引っ張った川名主将


次期主将を務める松尾


ハイタッチを交わす清水


 雨の降りしきるなか、決戦の火ぶたは切られた。勝てば2部残留、負ければ3部との入替戦という状況。この試合を最終戦にすべく、圧倒的な勝利を目指す東洋大は、試合中盤を過ぎてから得点ラッシュ。終わってみれば15点という大量得点で、リーグ戦に幕を閉じた。

 前半は均衡した試合が展開された。AT川名主将(ラ4=西武台)からのパスで、副主将も務めるAT川又(ラ4=白鴎大足利)が先制点を挙げる。青学大戦はけがで欠場しており、「自分の出る試合では勝利に貢献しようと思っていた」と語るそのままに気持ちの入ったシュートだった。その後AT井本(ラ4=都立日野台)が得点を追加し、第1Qが終了。第2Qもまた、今季チーム得点1位である井本が魅せ、3-0で試合は後半へ。第3Qは川名主将のシュートから始まり、勢いそのままに5得点を追加。理科大にも1点を追加されるが8-1と7点の大量リードで最終第4Qへ。井本のシュートを皮切りに、今までアシストで活躍を見せていたAT清水(ラ4=西武学園文理)、次期主将でもあるAT松尾(ラ4=都立立川国際)、川又、清水と得点ラッシュが続く。試合時間残り9分、MF長澤(ラ4=都立府中東)がここから入るかと言わんばかりのロングシュート。次のプレーではボールが上がってからすぐに、井本が東理大戦5得点目のシュートを決め、会場からはこの日一番の歓声が上がった。「圧倒して勝つという目標を立てて臨んだ」と語るその眼差しは、チーム内得点王としての貫禄があった。

 「最後まで戦っている姿はみんなに見せたかった」と試合後に川名主将は語る。その言葉通りラスト20秒「最後1点いくよ!」と川名主将が声を張り上げる場面があった。その声かけと同時に、試合終了のカウントダウンが始まる。ラストプレーは清水にパスが通り、相手のガードもいないチャンス。ゴール近くでのシュートではあったが、ボールは惜しくも相手ゴーリーのラケットの中へ。このプレーに清水は「自分らしさが出たというか。後輩はこういうミスをしないように、ということも含めて感じ取ってもらいたい」と笑いを誘いながら答えた。最後の1秒までゴールに食らいつき、大差がついていながらもベンチや応援席に興奮を与えた、そんなプレーでもあった。

    2016年度の最終戦も同じグラウンドで行われ、その日の試合も雨が降るなか決行された。昨年は引き分け以上で1部昇格戦に繋がる試合だったが、11対12とあと一歩が届かずに、悔いが残る試合だった。あの日、涙ながらに先輩への思いを語った川名主将は、1年が経った今また同じ場所で「自分達らしいチームを作ってくれたらうれしい」と、後輩への期待を語った。リベンジを誓った今シーズンは、東理大に勝ったとしても2部残留であり、結果としては振るわなかったかもしれない。それでも最終戦を大勝利で飾り、そして笑顔で終われたことは、最高の締めくくり。主将を引き継ぐ松尾は、井本に次ぐ今季チーム得点2位の、次期エースでもある。「厳しいことをしてでも勝ちたい。見ている人が楽しいラクロスと、勝てるラクロスをしたい」と語り、闘志を燃やした。


◼︎コメント

・川名(ラ4=西武台)

(どんな気持ちで挑んだか)チーム的には、下入れ替えがかかっていたので、負けられないというのと、今まで散々な試合だったので最後いい試合をして終われたらなと。いい意味で後輩にも繋げられる試合になればいいかなと思っていました。(ラスト20秒のところで、ラスト1点入れるぞー!とみんなに声かけたと思いますが)最後まで戦ってる姿は試合に出ていない人にもベンチにいる選手にも、みんなにも見せたかった。最後の最後まで攻撃の手を緩めることなく、攻めきって終わりたいなと思っていたので、そういう意味で声をかけました。(コーチが先輩だったりもして)最近、数年前から距離の近いOBの人達にコーチを頼むようになってそういう意味ではもともと顔見知りの人にコーチを頼んでいるので、距離感的には対等ではないが近い距離で、コーチ側からも、自分たち側からも、接して来れた。そういう意味ではいい関係性でやって来れたのかなと思う。(チームの目標は達成できたか)ONEという目標にはまだまだ足りなかったかなと思ってます。近づけたかなとは思うけれど、まだまだ自分たちが目指してたもの、本当の意味ではONEになれていなかった。本当だったら、もっと早い段階から今ぐらいONEに近づけていけていたら、リーグ戦も、もっといい結果だったのかなと思います。(次のチームにはどんなチームになってほしいか)各代ごとにカラーがあるので、僕たちの代にあって次の代にないものとか、次の代にあって僕たちにないものとか、必ず存在すると思うので、そういう部分を強みとして見つけて行ってほしい。今年のチームとは違う、自分達らしいチームを作ってくれたらうれしいかなと思います。そこを極められたら本当の強さが出てくると思うので、自分達のカラーを出してくれると僕的にはうれしい。(四年生はどんなカラーだったか)技術がそれぞれにあって、みんなうまくて、去年の試合終わった後も言っんですけど、我が強い代だった。我が強い部分を活かしてやっていきたいって去年は言ったんですけど、それが逆に悪い作用もあったりして”ONE”っていうのを目指している中で違う方向を向いてしまったりとか。そこは悪い作用だったかな。それを変えきれなかった自分も後悔があります。けれど、個人の気持ちの強さはみんなあったと思うので、そういう部分を後輩達も感じ取ってくれていたら、僕たち的にはうれしいかなと思います。


・井本(ラ4=都立日野台)

(最後の試合だったが)最後の試合にしようとみんなで決めていた。負けても引き分けでも入れ替え戦という状況で、圧倒して勝つという目標を立てて臨んだが、立ち上がりは全員球持ちも長く、慌てる部分が多く点も取れなかった。ディフェンスが頑張ってくれてたが、オフェンス陣が結構ミスしてしまっていて。ディフェンスの時間を長くしてしまったというのが反省だ。リーグ戦を通して修正力というのが課題だったが、今回の試合では結構それが良くでき、後半から多くの点を決めることができ、いい終わり方かなと思う。(リーグ戦を振り返って)例年成し得なかった1部昇格というのを当初目標に掲げていたが、2勝3敗という結果でギリギリ下との入れ替え戦にいかなかったというのは自分としても悔しく、4年生全員悔しい思いがあった。(同期に対しては)1年生からずっと練習をともにしてきた仲なので、喧嘩することもあったがそれも乗り越え、最終的にいいチームになれたと思う。(新チームに期待することは)3年生の代はみんな仲がいいので、今年掲げたONEというスローガンを3年生はもう達成できてるのかなと思うが、そこを馴れ合いにしないで、厳しいところは厳しく割り切って、結果というものにこだわって楽しくやってほしい。



・川又(ラ4=白鷗大足利)

(先制点を決めたが)青学大戦はけがで欠場したが、リーグ戦を通して自分の出てる試合では勝利を掴むために、貢献しようと思いグラウンドに立ったので、気持ちが結果につながったと思う。(最後の試合だったが)結果的に1勝3敗で今回の試合を迎えてしまった。そこが一番悔しい。負ければ下との入れ替え戦だったので、絶対負けないという気持ちだった。(同期に対しては)1年生で入部して、日本一になるという目標を掲げ、新人戦などを戦ってきたが目標を達成することができず、自分たちの一つ上の代で1部との入れ替え戦をあと一歩のところで負けてしまい、そこで目標が断たれてしまった。今回も1部昇格ができなかった中で、苦楽をともにしてきてまとまらないことを多かったが、最後はこういう試合ができて、少しは一つになれたかなと思うし、よかった。本当にいろいろな人がいたので、そのような人たちと一緒にラクロスができて率直に楽しい4年間だった。(新チームに期待することは)自分たちができなかった1部昇格を目標を目指して頑張ってほしい。


・清水(ラ4=西武学園文理)

(攻撃の起点になっていたと思うが試合を振り返ってみて)前半はアシストとかしかできなくて、得点につながることは無かったが、AT全体で点数が序盤から入れることができたので、チームがやって来たことが出せたかなと思います。(最後の1点いいところでパスをもらったと思うが)自分らしさが出たというか、後輩はこういうミスをしないようにということも含めて感じ取ってもらいたいなと思う。(後輩にはどんなチームになってほしいですか?)自分達の代は、目標で”ONE”というのを決めていたのですが、チームが始まってから序盤とかリーグ戦が始まるギリギリまで”ONE”というのになってなかったので、もっと早くONEになっていればチーム全体でもっと活気あふれたんじゃないかなと。勝てた試合もあったんじゃないかなとか。来年も目標設定をしっかりするということと、それをちゃんと早い段階から実現できるようにしてもらいたいなと思う。


・松尾(ラ3=都立立川国際)

育成コーチとして、僕たちが1年生のころから、1年生試合の度には遠いところまで朝早くから来てもらったりしていて、一緒にやってきたのでとても感謝している。僕達も我が強い代なので、先輩に対しては尊敬の面よりも嫉妬的なところがあって。うまいところを認めたくない気持ちもあったけど、そのぐらい偉大な人だったのかなって今考えると思う。そのぐらい思い出深い。人としてもラクロスでもちゃんとした人で、それは来年自分が主将をやったときに、同じようにチームを引っ張るのは無理だと思うので、違うような形で周りとうまく連携をとって、今年よりもいいチームを作るのが恩返しかなと思っている。今年は4年生が主力で、下の学年があんまり出ていない。これから1からのスタートではあるが、負けず嫌いなので、目の前の試合に全部勝つつもりでいたい。大学4年間という中でラクロスを選んでいるので、みんなが楽しんでできるように、みんなが練習や試合に行って辛い事もあると思うけど、辛い先の楽しさをみんなが持てるようなチームになれたらいいかなと思う。厳しいことをやってでも勝とうと思っている。見ている人が楽しいラクロスと、勝てるラクロスをしたい。


TEXT=菊池美玖    PHOTO=小野由佳莉