記事
平成29年度東都大学野球秋季1部リーグ戦
10月27日(金)神宮球場
○東洋大2-1亜大
(イニングスコア)
2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
亜 大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
東洋大 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 2 |
(東洋大)
片山翔、○甲斐野(4勝1敗)-西川
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (中) | 田中将也(営4=帝京) | 4 | 0 | 0 |
2 | (左) | 古田(法4=天理) | 3 | 1 | 0 |
3 | (指) | 原澤(営4=前橋工) | 4 | 1 | 0 |
4 | (二) | 中川(法3=PL学園) | 3 | 1 | 0 |
5 | (一) | 佐藤(法2=聖光学院) | 3 | 0 | 0 |
6 | (捕) | 西川(営4=浦和学院) | 3 | 1 | 1 |
7 | (右) | 宝楽(営4=PL学園) | 2 | 0 | 0 |
8 | (遊) | 津田(総2=浦和学院) | 1 | 0 | 0 |
9 | (中) | 竹原(法3=二松学舎大付) | 2 | 1 | 1 |
計 | 25 | 4 | 2 |
・投球成績
名前 | 回 | 打 | 球数 | 安 | 四死球 | 振 | 責 |
片山翔(法4=大社) | 3 | 11 | 45 | 3 | 0 | 2 | 1 |
甲斐野(営3=東洋大姫路) | 6 | 23 | 92 | 2 | 2 | 12 | 0 |
最後の打者を打ち取り喜ぶ甲斐野
甲斐野の右腕が逆王手を導いた
優勝に後がなくなった亜大2回戦。先発の片山翔(法4=大社)は三回にスクイズで失点したが、直後に竹原(法3=二松学舎大付)の適時打で振り出しに戻す。四回に西川(営4=浦和学院)が勝ち越し適時打を放つと、その回以降は甲斐野(営3=東洋大姫路)がマウンドを守り、無失点12奪三振と文句なしの内容。連覇がかかった大一番、逆王手をかけた。
片山翔からマウンドを譲り受けた甲斐野は先頭打者からアクセル全開の投球。「昨日ドラフトで指名されたこともあって勢いがあると思っていた」と亜大主将・北村を自慢のフォークで3球三振をお見舞いし、回をまたいで4者連続三振に切って取る。六、八回には安打を許した後は、次の打者から必ず三振を奪い、調子を落とすことはない。九回、四球で同点の走者を出すと、盗塁や中飛間の進塁で2死三塁とし、一打同点のピンチを迎える。しかし、闘志が燃えても頭は冷静だった。最後の打者を遊ゴロで抑えると今日一番のガッツポーズ。ふたを開ければ自己最多となる12奪三振を記録し、「きちんと仕事ができた」と笑顔を見せた。
甲斐野が取ったアウトのうち、実に2/3が三振。亜大打線は変化球を振る印象があったことから、スライダーやツーシーム、フォークなどの様々な球の使い分けを意識。「自分のスタイルは三振を取ること。追い込んだら(三振を)取ってやろうという気持ちになる。今日はどの球種も良かった」と鮮やかな奪三振ショーを満足げに振り返った。
「昨日は悔しくて眠れなかった。こんなに辛いのは42年ぶりだった」と幾多の経験をしている指揮官でさえも心残りのあった昨日の試合。甲斐野自身も悔しさはもちろん、ある思いを抱いていた。「負けたことで正直気持ちは苦しかったが、昨日投げた飯田さんのことを考えると絶対に一勝一敗にしてもつれこんだろと思っていた」と、この試合ではベンチで声を張り続けた飯田(営4=常総学院)の存在が忘れられなかった。「今日は投手陣全員で勝ちにいこうと話していた。いつでも準備はできていた」という甲斐野の背中が頼もしい。
勝ったチームが優勝の大一番は来月4日に決定。逆王手をかけたチームの勢いを止められる者はもう誰もいない。
■コメント
・高橋監督
今日は早めの継投かなと思っていた。片山翔は心配があったけど4年生だし先発でいかせた。甲斐野はストライクを早めに取れたしスライダーも良かったね。雨で試合が流れた分気合が入ったのかな。立正大と国学大でダメで今日満を持して登板してね。立派に働いてくれたよ。最後は飯田(営4=常総学院)のつもりだったけどね。やっぱり勝って次の試合に行くのが良いね。中川(法3=PL学園)も3ボールから振って偉いね。これは褒めてあげますよ。ここから取り返します。
・甲斐野(営3=東洋大姫路)
今日は投手陣全員で勝ちに行こうと話していたので準備はしていた。自分のスタイルは三振を取ることなので、追い込んだら狙っていた。正直苦しい状況だったけど逆に捉えて負けられないと思って気合で投げました。ストレートはシュート回転してしまっていたが、亜大打線は変化球を振ってくるのは分かっていたので自分の持ってるたくさんの球種を使えた。立正大でサヨナラ負けしたし国学大で山崎さんに本塁打を打たれて、シーズンの中盤は状態は良くなかった。雨で流れた分の練習で、監督さんから厳しい指導をいただいたので、そのおかげで力を発揮できた。自己最多の12奪三振は仕事ができたので良かった。
・片山翔(法4=大社)
当日、先発を告げられた。自分のできることをしっかりとやろうとした。ただ、2死から被安打してしまって、(チームとして)流れをつかみきれなかったと思う。フォームを下げて横気味に投げていたが、(失点したあと)バランスを崩してしまった。自分は元々サイド気味のフォームが合っていて、国学大でフォームを低めにしたらしっかり抑えられたので低めに投げました。次の試合はワンポイントで投げると思うので、(ピンチの時に)1人の打者を抑えるように頑張りたい。
・古田(法4=天理)
試合が終わったときに1点でも多いほうが勝ち。それだけを思ってやりました。飯田(営4=常総学院)はチームで一番やってきた人。飯田で勝っても負けても自分たちは悔い無いので、最後にあいつにいい形で華を添えられるように、勝たせてあげられるようにしたい。野手が頑張って援護したいと思う。1点でも多く得点することを考えて、次につなげられるような試合にしたい。
・中川(法3=PL学園)
勝つしかないゲームだったので、どんな形でも勝ちを取りに行こうと試合に臨んだ。(自身の打撃は)調子が上がってきている。でもまだ上がると思うので、もっと練習していきたい。(決戦に向けて)4番としてチームを優勝させるには、自分のバッドで連覇させたい。気持ちで挑みたい。
・宝楽(営4=PL学園)
ここまで来たら結果がすべて。勝ててよかった。竹原(法3=二松学舎大付)と西川(営4=浦和学院)のタイムリーと甲斐野が2点しかないのによく投げてくれた。次が泣いても笑っても最後の試合になる。いい形で終わって、監督さんを胴上げしたい。
TEXT=美馬蒔葉 PHOTO=美馬蒔葉、伊藤梨妃