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平成29年度関東大学ラグビーリーグ戦2部・山学大戦
10月29日(日) 拓大グラウンド
○東洋大 51{20ー0、31ー7}7 山学大
東洋大 | スコア | 山学大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
3 | 4 | T | 0 | 1 |
1 | 4 | G | 0 | 1 |
1 | 1 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
20 | 31 | 計 | 0 | 7 |
51 | 合計 | 7 |
番号 | 選手 | 出身高 | 学年 |
1 | 金柿 俊哉 | 国学院栃木 | 3 |
2 | 舘澤 徹士 | 盛岡工業 | 3 |
3 | 小山内 健 | 昌平 | 3 |
4 | 葉室 簾 | 静岡聖光 | 3 |
5 | 常泉 達 | 国学院栃木 | 4 |
6 | 高野 雅義 | 報徳学園 | 4 |
7 | 須田 拓真 | 明和県央 | 3 |
8 | 吉尾 凌平 | 昌平 | 2 |
9 | 内野 晃成 | 長崎海星 | 4 |
10 | 村上 晴太 | 仙台育英 | 4 |
11 | 田淵 恵太 | 昌平 | 3 |
⑫ | 古川 拓実 | 目黒学院 | 4 |
13 | 尾花 耕平 | 国学院栃木 | 4 |
14 | 石井 優輝 | 日体荏原 | 4 |
15 | 菊池 優介 | 国学院栃木 | 3 |
Reserve Member | |||
16 | 深澤 翔祐 | 深谷 | 1 |
17 | 水本 賢 | 盛岡工業 | 1 |
18 | 古川 翔 | 長崎北 | 2 |
19 | 小林 瑠偉 | 日川 | 3 |
20 | 鴨澤 享祐 | 黒沢尻工 | 2 |
21 | 海老原 鏡太 | 茗渓 | 1 |
22 | 平原 賢 | 国学院栃木 | 4 |
23 | 佐藤 将太 | 大分雄城台 | 3 |
・選手交代/ポジション変更
64分 3→18
68分 14→22
71分 1→16
9→21
75分 6→19
77分 2→17
13→23
リーグ戦での初の金星に喜びを爆発させた
上位校相手にひるまず戦い続けた
石井は2本のトライを決め、期待通りの仕事をみせた
上位校である山学大との1戦は51-7と圧勝。雨の中、グラウンドコンディションが悪い状況での試合だったが、「全部出してくれた」と高野監督が言うように、雨の中でも東洋大の強みを発揮した。
待ちに待った勝利だ。上位校である山学大とは昨秋のリーグ戦では敗戦を喫しており、さらに台風による荒天でグラウンドコンディションが悪化。厳しい戦いが予想されたが、すぐさま覆される。キックオフでマイボールにすると、そのまま攻め立てて、最後は古川(総4=目黒学院)が先制トライ。この流れで攻めたい所だったが、すぐにピンチが訪れる。ゴールライン間際まで攻め立てられたが、辛抱強く守備をしたことでミスを誘発。ギリギリの所で得点を与えなかった。その後もこの試合で復帰した石井(法4=日体荏原)や、内野(済4=長崎海星)がトライを決め、最後は村上(ラ4=仙台育英)がキックを決めて、20-0で前半を折り返す。後半山学大は選手を大幅に入れ替えて逆転を図ろうとしたが、それでも東洋大は主導権を渡さずにトライを量産。トライを1本決められたものの、最後まで集中を切らずに51-7と大勝。古川主将が「素直にうれしい」と言うように、試合後、チーム全員で喜びを分かち合った。
この試合の勝利のカギは雨天での試合の経験だろう。山学大はここまでリーグ戦では大雨での試合はない一方、東洋大は2試合も雨に降られていた。国学大戦では雨を意識しすぎて結果として敗戦してしまい、いつも通りのラグビーをしようと反省。そして2度目の雨天での試合となった白鴎大戦で、それが確信に変わった。「自分たちの気持ちが優った」と古川主将が言うように、この確信が選手たちを鼓舞しつづけ、積極的な攻撃と守備で勝利に導いた。
高野監督は「ようやく勝てた」と就任して8年が経ち、やっと得られた金星に安堵の表情を見せていた。この勝利によって、立正大戦での結果次第で入れ替え戦進出が現実になってくる。しかし、次の立正大もリーグ戦では勝利したことがない相手。「勝ったことに甘んじず」と古川主将が言うように、さらなるチーム力が試される試合になるだろう。「国学大戦の負けをプラスに取れるようなリーグ戦にしたい」と常泉(ラ4=国学院栃木)。出鼻をくじかれたフィフティーンたちは、強豪を撃破して目標である大舞台に突き進む。
■コメント
・高野監督
選手たちには、雨の中国学大に負けてから立て直して、上位校に雨の中勝つというリールがあるなと。こういう物語的に勝っていけば入れ替え戦に行けるんじゃないかと。そういう意味ではよく準備してくれたし、雨の中で東洋大らしいところを全部出してくれた。いつも通り明るくやっていたと思う。石井は(出すか)迷ったけども、本人は行きたいと。相手にとって石井は脅威なので、期待通りの仕事をしてくれた。高野雅もしっかり仕事をしてくれたが、この二人が入って変わったことと言えば声が出るようになって雰囲気を変えてくれたこと。いつもなら、17点差開いた時点でもう少しやられていたと思う。でも、公式戦の経験がある選手たちはそういう場面で声を出してくれる。だからずっと流れが良かったと思う。山学大の選手が勝たなきゃいけないプレッシャーに飲まれていて、動きが固かったのもあったと思う。この天候はこっちにとってはありがたくて、すでに国学大戦で経験していて、山学大は経験していない。こっちは、いつも通りの試合をしようと心に決めた中でやれていたのが強かったと思う。雨の時ほど出る守備が機能する。去年の悔しさもあって、勝てたと思う。立正大相手に絞って、やって勝って、もう1試合やろうと。個人的には、就任して8年目でようやく山学大に勝てたのは嬉しいね。
・古川主将(総4=目黒学院)
素直にうれしい。1年の時から負けてたのでやっと勝てたなという思い。(勝因は)ディフェンスで我慢してきたところだと思う。(自身のプレーで良かった点)アタックの部分でゲインできたところだと思う。(チームの良かった点)ディフェンスで我慢してきたところ。あと入りも良くてみんな気持ち乗っててしっかり戦えたと思う。(どんな試合展開を予想していたか)もっと接戦するかなと思ったが、自分たちの気持ちが優ったかなと思う。(次戦に向けて)今日勝ったが次も勝たないと入れ替え戦がないので勝ったことに甘んじず、しっかり今日の反省点を生かして次戦に向けて頑張っていきたい。
・常泉(ラ4=国学院栃木)
1年の時から上位チームに勝てなくて、先輩たちの気持ちを背負って戦った。やっと勝ててほっとしてる。前の試合は温存してもらったことで、チームに迷惑をかけてしまった。チームに恩返しできるようにプレーした。それがフォワード陣にも伝わっていい試合ができた。ビデオや相手のチームを研究して対策を行なっていた。相手の出方が分かっていたので、自分たちが優位に進められた。今日勝って入替戦が見えてきたので、次の試合もしっかり勝ちたい。国学大戦の負けをプラスに取れるようなリーグ戦にしたい。
TEXT=青池藤吾 PHOTO=水野桜