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来る11月4日(土)、5日(日)に大阪・堺市大浜公園相撲場にて第95回全国学生相撲選手権大会(以下、インカレ)が行われる。1日目は個人戦、2日目には団体戦が行われ、特に団体戦では創部初の2連覇をかけて挑む。
団体戦登録オーダー
先鋒 重松(法2=金沢市工)
二陣 西野(法3=金沢市工)
中堅 中嶋(法3=愛工大名電)
副将 深井(法2=金沢市工)
大将 新保(法4=鰺ヶ沢)
交代 白石(法3=専大松戸)
交代 城山(法2=金沢市工)
予備 寺沢(法4=金沢市工)
※メンバーの交代は、前日と試合途中にも可能。
個人戦は、重松に代わり久保(法3=飛龍)と上記のメンバーの合計8人が出場する。
10月の国体で優勝した城山
いつ出ても力を発揮できる白石
最後のインカレに臨む寺沢
1日目の個人戦は8人全員が上位進出できそうだ。「みんながみんなベスト8に残る実力は絶対にある」と中出コーチは分析する。それもそのはず、10月の国体で優勝した城山をはじめ、7月の金沢大会で優勝した寺沢、5月の和歌山大会で優勝した西野と今年度のタイトルを獲得してきたスターぞろい。中嶋が「稽古ではその強い人と相撲を取るのでトップレベルの内容になる」と語るように、お互いに稽古で切磋琢磨し合い、チーム全体が強くなっている。一人でも多く上位に進出し、決勝戦では東洋対決を演じてほしいところだ。
2日目の団体戦は東洋大の相撲部員なら全員が一丸となって優勝を目指す。どの部員に目標を聞いても、口をそろえて「2連覇」という答えが返ってくる。昨年の王者、そして今年の東日本王者として臨むが、プレッシャーは感じていない。自分達で冷静に状況を判断しており、周りがよく見えている。また、褒めると伸びる城山、いつどこで出ても力を発揮する白石、実力が群を抜いている寺沢の三本柱が交代と予備に控えている。今後、ライバルの動向、そして個人戦の様子を見ながらオーダーを組み替えていく。
4年生は新保主将と寺沢の二人のみであり、残りのメンバーは2、3年生とチームの特徴は若さにある。また、下級生6人のうち5人は昨年の優勝メンバーだ。そのうちの一人である城山が「去年よりリラックスしている」と語るように、一度インカレの緊張感を味わっていることに加え、優勝の歓喜から1年を経て、日々の稽古で強さが増したことで心に余裕もある。中嶋は直前の団体戦であるリーグ戦で敢闘賞を獲得し、調子の良さを維持。深井は全国体重別選手権大会で半月板を損傷し、リーグ戦も欠場していたが、今は問題ない。体重を増やし、さらに動きに磨きがかかっている。一方、今大会が最後のインカレとなる新保と寺沢。「とにかく勢い。4年生で決める」と寺沢は意気込む。最後となる大舞台でどんな取り組みを見せるのか期待したい。このように選手層が厚いこともチームの強みだ。これを利用し、副将・大将を最後まで温存するためにも、なるべく中堅までの3人で勝負を決めたいところだ。その先に団体戦2連覇の栄光が見えてくる。
選手層が厚く、インカレ2連覇に向けて視界は良好だ。今度は大阪で、笑顔の大輪の花が咲く。
TEXT=伊藤梨妃、PHOTO=水野桜、須之内海、森崎睦仁