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平成29年度東都大学野球秋季1部リーグ戦
11月4日(土)神宮球場
○東洋大4-3亜大
高橋監督は集大成となる神宮大会に臨む
1972年から指揮を執る高橋昭雄監督。今季を最後に、選手時代を含め半世紀着続けたユニフォームを脱ぐ意を表明した。監督生活では「2部に落ちたことが一番つらかった」と明かし、これまでの全92シーズンは「あっという間で、1シーズンごとにドラマがある」と振り返る。「辞めることは寂しいが、優勝して辞められるなんてこんな幸せなことはないよ」とはなむけに連覇を果たしたチームをねぎらった。
高橋監督最後の年の主将となった飯田(営4=常総学院)は「監督さんから『人間力が野球の技術を高める』という言葉をいただいた。主将になった時には『先頭に立って引っ張れ』と言われ、覚悟を持って犠牲になって先頭に立とうと思ってここまでやってこれた」と、指揮官からの言葉を支えにしてきた。
チーム全員の意志は固い。「監督さんをもう一度胴上げする」。一週間後、大学野球の聖地である神宮球場で、名将・高橋昭雄の最終章が幕を開ける。
◾︎コメント
・高橋監督
(今季を振り返って)できないところから優勝した。全日本選手権で悔しい思いしてリベンジだで勝とうと飯田中心に頑張ってくれた。雨で試合が流れたり東武東上線が止まって帰りが遅くなったりいろんなアクシデントがあったけどうまくやりくりしてみんな頑張ってくれた。ここ一週間は6時間練習して16時から打撃練習とかたくさん頑張ってくれたよ。
(監督生活で辛かったことは)2部に落ちたことは辛かった。あっという間だった。もう全92シーズン、1シーズンごとにドラマがある。学生が病気になったりけがをしたり問題を起こしたりさ。毎シーズンごとそういう問題を解決して、カンニングするやつはいるし。もうほんとに疲れますわ。まあそれこそ去年や一昨年みなさんに心配かけたけどね。
辞めるのはやっぱり寂しいですよ。せっかくここまでやってきてるのに、一息一息もう一息。選手も育って来てるし辞めることないよと言う人もいるんだけどね。でも優勝して辞めるなんてこんな幸せなことはない。これでまた神宮来れるよ。一応勝って辞めた監督だからね。
(次のチームにどんなことを期待してるか)新しい監督が来てそれなりにやってもらいところはあるけど、ただチームの良いところを生かしてほしい。そこはよく話し合いをして、全部継承しろとは言わないが良いところをとってほしい。
(5回で飯田を変えたのは)もとから1点か2点とられたら変えるのを決めていて、まあエラーもあったけど2点とられたからね。もう少し投げさせたかったけど。日大戦だって、もう一人で勝ち投手だったのにね。そういう点で飯田は悔しいと思いますけどね。
(甲斐野はホームスチールなどピッチャーとして動揺する場面が多かったように思うが)不思議なピッチャーだから。彼と一緒に野球やりたくないね。練習面白くないんだもん。ビシッと投げないから。原とか飯田は投げてて綺麗だから。甲斐野は練習ではすっぽ抜けたり。でも試合になるとそこそこいってたんだけど、今日はちょっとね。まあ甲斐野できてたから、他のピッチャーで負けたらかわいそうだから。
(神宮大会に向け)あと一週間くらいかな?学生は僕の厳しい指導を受けて、野球の厳しさや人生の厳しさを教えますよ。選手権は先取は初めて観たいなものだったからね。毎回のように出ていた経験があっても選手は違いますから。東都の代表として思う存分頑張りますよ。最後の勇姿を見ててください。
TEXT=美馬蒔葉 PHOTO=川口朋珠