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2017.11.15
硬式野球
[硬式野球]「監督のために日本一になりたかった」 準決勝敗退に飯田初めての涙
第48回明治神宮野球大会準決勝
11月14日(火)神宮球場
●東洋大0-4日体大
試合中も高橋監督から指導を受ける飯田
この試合はベンチスタートとなった飯田(営4=常総学院)。「ものすごく抱いていた」という投げたい気持ちを声援に変え、大きな声でナインを鼓舞。九回、逆転を信じベンチ横で投球練習を行う。試合が終わった瞬間、ぐっと唇をかみしめ整列に向かった。この試合中、神宮球場には雨が降り続いていた。
初めて見せた涙だった。試合後、泣きながら声を震わせて発したのは「監督さんを日本一にさせられず申し訳ない」。自分のために投げない。常にチームの勝ちと支えてくれる人への恩返しのために投げ続けてきた。2年時に手術するけがとなった右肩肩関節唇損傷が再発しても「腕が取れても投げる」と、春季開幕前から意志は屈強だった。
高橋監督最後の代の主将となった飯田。「一野球人、一社会人としてたくさんのことを学ばせてもらった。一日一日が大切な時間」と歩んだ4年間を振り返った。「後輩たちが築き上げてくれる。中川(法3=PL学園)と甲斐野(営3=東洋大姫路)を筆頭に必ず日本一を取ってほしい」と共に戦ってきた後輩にエールを送る。春秋連覇へ導き2季連続MVP受賞の主将兼エースは聖地・神宮球場を後にした。
TEXT、PHOTO=美馬蒔葉