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12月25日から青森県で日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)が行われます。そこで、インカレ直前特集と題して、スポトウが選出したチームのキーマンたちにインタビューを行いました。最後は主将の山田大雅選手です!
今季主将としてチームをけん引してきた山田選手。春の選手権大会を5位、先日幕を閉じた関東大学アイスホッケーリーグ戦(以下、秋リーグ)では3位と順位を上げてきたものの優勝はいまだ経験していません。これまで戦ってきた同志、スタッフと「一緒に今年優勝したい」と語り、貪欲に研鑽(けんさん)を積み続ける山田選手にお話をうかがいました。(取材日・12月13日、聞き手・外狩春佳)
――先日の秋リーグの内容を振り返っていかがですか。
最初の2試合はいいスタートが切れました。それは春に法大戦で負けたっていうのもありますし、勝ちたいっていう気持ちと勝たなきゃいけないっていう気持ちがあってみんなそこの開幕戦は意識していた部分がありました。そこでいい試合をした後になんていうか、油断じゃないですけど隙が生まれてしまって、どんどんよくない部分が出てき始めました。1巡目はそれで終わってしまって、2巡目に少しカムバックできた部分もあって、最後の明大中大戦に関してはチームとしても収穫があって、いい部分を出せた試合だったんじゃないかな。それで相手にもインカレに向けてプレッシャーをかけられたと思います。
――下級生の活躍に関してはいかがですか。
4年生今試合コンスタントに主力で出ている人は少ないですし、その中で3年生がすごくいいスキル、ポテンシャル持っている選手が多いです。そこに関してプラスアルファでもっと下の学年がのびのびプレーできる環境作っていけたらいいんじゃないかっていうふうに4年生で考えて、「1年生だから」、「2年生だから」っていうのをなくして、平等、っていうわけじゃないですけど4年生ともフレンドリーに話せるような雰囲気作りもしました。のびのびやれて、それがホッケーにも出ていると思います。
――チームの弱いところは。
精神的な波がすごくあるチームで、それが悪いことばかりじゃないと思うんですが、そこがすごく悪い方向に働いちゃっているところが多いです。試合は60分で勝てばいい話なんですが、1点入れられた後にもう負けたかのような雰囲気になっちゃう試合もありますし、逆に得点入れたらすごく上がりますし。上がりすぎもよくないんですけど。その精神的な波っていうのをなくさなきゃいけないっていうことでここ1ヵ月重点的に取り組んできています。その波っていうのは去年からの課題で、原理原則っていうのは自分たちの中でも解っているんですよね。メンタルコーチの方にも協力していただいて取り組んできて、ここからあとは実行していくのみって形なのでインカレで見せられたら。
――では逆に強いと思うところは。
やっぱりスキルの高い選手が今年は多いと思います。そこに関しては他の大学よりもメンツ的にはそういったポテンシャルの高いプレーヤーは多いですし個々に役割をできる選手、スキルがそういった選手よりも少なくても体張ってプレーするとか、そういったバランスが取れてるんじゃないかなっていうふうに僕なりに考えています。
――最近輝いていると思う選手はいらっしゃいますか。
やっぱりFW柴田(社3=武修館)とか。ああいう選手はやっぱり頼りになりますね。いつもコンスタントに波なくプレーする選手っていうのは。そこに関しては波なくプレーする選手は何人かいるんですけれど、強いて言うなら僕は柴田ですかね。たぶんみんなそうじゃないですかね。たぶん(笑)
――今年のチームはどんなチームですか。
みんな素直ですよね。素直で単純っていうか、なんて言えばいいんだろうな…素直なチームっておかしいな…。でも当たり前ですけど、みんな一生懸命やるチームですね。やっぱり一生懸命。そこは負けてないと思います。
――インカレに向けてチームの調子はどうでしょうか。
先々週も関西遠征を2日間やってきたんですけれど。そこで今U-20組がいない中で秋リーグ出番少なかった選手とかそういった選手のいいアピールの場っていうこともあって、いい試合もできましたし、そこで残り少ないですけど課題も浮き彫りになりました。関大相手にあれだけ圧勝できればチームの仕上がりはいいんじゃないかなって思います。チームの流れとかそういったところに関して、やっていても思いましたし。仕上がりはまだ完璧ではないですけど、今の段階ではすごくいいと思います。
――インカレで山田選手自身何かやりたいと思っていることはありますか。
僕自身ですか?そうですね、やることっていうのは一緒なので。インカレだろうが練習試合だろうがチームで一番ハードワークしてプレーで引っ張っていけるように。そこだけやれば結果はついてくると思います。
――学生生活最後の大会ですが、インカレに懸ける思いなどは。
今年一年このチームでやってきて後輩たちも頑張っていますし、全然結果も残してあげられてないので。やっぱりそこは学生生活僕が最後だからとかそういうのではなくって、あいつらに何か残してあげたいっていう部分と、4年間スタッフにお世話になってスタッフも本当一個もタイトル手にしてないので、一緒に今年優勝したいっていう気持ちは強いですね。僕もキャプテンなので。できればいいなあ。
――キャプテンとして気を付けていたことは。
僕としては今年のチームのテーマって、きっとこれから永遠のテーマになっていくと思うんですけど「自主、自立」ですね。そこをやっぱり身に着けていかないと言われるだけじゃただやらされている練習になったりするので、僕もあんまり選手に言わないようにしていました。目に見える部分もありますし、僕も思うこともあるんですけど、そこですぐに言わずに本人が気づくかなって見ていて。ほんとに気づけない時は言いますけど、気づかせるっていうふうに自分で心がけていましたね。それも自主自立の一つだと思うので。なにがなんでも僕が全部全部指示をだすっていうんじゃなくって、自分たちで考えてもらえるようにナビゲートしていたって感じです。
――キャプテンをしてきた感想を。
そうですね、なんていうんだろうなあ。キャプテンは常に見られているっていうプレッシャーみたいなものを自分にかけていたので。実際見られているんですけど。僕も人間なので、ちょっとさぼりたいなって思う時もあるんですが、でも「頑張っていこう」って。そういう気持ちにさせられましたね。キャプテンをすることによって色んな人に対して接し方など見分けられたりするようになりました。接し方、言い方を割と気を付けるようにしていましたね。そこが一番キーだったんじゃないかなというふうに思います。
――現時点で自身への評価は。
自分への評価ですか?(笑)あんまりしたことないなあ。どうなんですかね…人にされるものだと思っているので…。
――すみません、ありがとうございます。では昨年に比べて成長したなと思える点は。
そうですね、まずチームのことを一番に考えるようになりましたね。ホッケーにおいても私生活においても。これはチームにプラスになるかならないか。これはチームにとってやって良いことなのか悪いことなのか。そういう基準で物事考えられるようになりました。去年は3年生で上級生と言えど頼りになる4年生がいたので、自分がチーム背負っているんだって気持ちは4年生に甘えちゃっていた部分があって、個人の感情で動いちゃうこともありました。でもそれじゃいけないので、今4年生になってキャプテンとしてやらせてもらって、そういった部分では成長させてもらったなって思います
――4年生でなにか話し合ったりしますか。
それこそ僕が1年生の時とかそんなに仲良くなくて、同期みんなそれぞれこのままじゃだめだなってふうには思っていたみたいで。2年生になって新しい寮に移ってきたんですが、移る前に監督に同期とご飯でも行って来いって言われて。行き始めてから次に「来月また行こう」、お酒飲めるようになってからは「飲みに行こう」って。それで徐々に徐々に4年生の仲の良さも増してきたって感じで、そういうのもあって4年生の中でぶっちゃけた話とかも今年になってできています。みんなそれぞれ思うところあって、そこを出し合いながらうまく意見取り組んでというふうにみんなで協力してやっていますね。
――チームのことで語り合うことで、同期同士の絆も深まっているんですね。
そうですね、要はこいつもおんなじこと考えてるんだ、とか。言わないとわからないので。こいつはこういうふうに思ってるんだなとか、新しい視点だなって。話さないとわからないことって色々あるので、結構コミュニケーションは多く取れるようにしてます。一番はアシスタントキャプテンのFW成田(社4=武修館)と僕はかなり話すようにしてますね。
――試合前のルーティンや願掛けは。
普通に過ごしますね。特別試合だからこういうウォーミングアップしようっていうのはなくて。常に練習と同じアップをして、そうやって僕はメンタルコントロールしています。試合だから特別にやる!ってなると上がっちゃいますし、空回りも出てくるので、わりと試合だからこういう願掛けをする、っていうのはないですね。いつも通りにしてもそれでも上がりますけどね(笑)
――試合を拝見していて山田選手はリンクに一番に入ってくる印象があるのですが、なにか理由や意識はあるのでしょうか。
なんか、前にあんま人いるのが嫌で…(笑) 試合前、去年までは全部一番に出ていたっていうのはあったんですけど、最初に例えば僕が一番で出て、二番にキーパーが出てそのあと○○の後ろに○○がつく、ってなると、みんなルーティン化したがるんですよね。だから誰が何番目に出ていくとかではなくて、自然と「○○の後は俺だ」、みたいな。それが習慣化していってああいった形に。最近は試合前にみんなに声かけてタッチしてからいくので、僕が一番後ろですね。
――インカレを目前にした心境は。
うーん、今から技術上げたりするはまず無理だと思っているので、やれるところに目を向けているって感じですかね。それは考え方の面とかで。リーグ戦とは違うメンタリティで臨まなきゃいけないので、リーグ戦中にも僕ら言われたんですけど、最後の3試合がリーグのトップとの戦いになるので、インカレを意識してプレーオフホッケーっていう簡単には転ばない、闘志むき出しでやらなきゃいけない。リーグ戦は負けても次がありますけど、インカレになってくるとトーナメント戦なので、後がなくなってくる。そういう強いメンタリティでいかないといけないから、そこにみんなをどう持ってくかとか、そういうふうに考えたりはしますね。
――では最後に、インカレに向けての意気込みを一言お願いします。
自分たちを信じて頑張る。そうすれば結果は多分優勝しかないと思うので。このメンツでもできると思いますし。このメンツだからできるかもわからないですし、技術高い選手がいてもそれだけで強くなるってわけじゃないですし、一人一人役割がなきゃいけない。その役割を全うするだけです。
山田選手ありがとうございました。
選手のみなさん、お忙しい中取材に協力していただき、本当にありがとうございました。
◆山田大雅(やまだ・たいが)
学部・学年・出身校/社会学部・4年・埼玉栄
身長・体重/173㌢80㌔
生年月日/H7・4・23
血液型/О型