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大内とハンドシェイクをする楠
集合写真ではいつも元気な表情を見せ、チームのムードメーカーでもある楠春佳(食3=千葉U-18)。複数のポジションをこなす彼女はいつしか東洋大にかかせない選手へとなっていった。
兄の影響でサッカーと出会い、高校時代は千葉U-18に所属。なかなか試合に出られずに悔しい日々を過ごしていたが、当時、練習試合で戦った東洋大のサッカーに惹かれ進学を決めた。入学当時はサイドバックをやっていた楠だが、中盤のサイドで起用されることもあり、決まったポジションはなかった。転機は今年の6月、FWでの出場機会を得ると、「絶対にこのポジションを取ってやろう」と野心をむき出しにして点を取りにいった。そこでの活躍が評価され、見事にスタメンの座をつかみ取った。これまで様々なポジションをこなしてきた経験は、確実に今の東洋大のサッカーに生きている。
今季の関東大学女子サッカー1部リーグ(以下、リーグ戦)では9試合で4得点と高い得点力を発揮。「得意な方」と楠自身も語り、チームメイトからも納得の声が上がる楠の武器は「ヘディング」だ。戸田監督からも「頭利きストライカー」と称されており、その実力は折り紙付き。25日から開幕する全日本女子サッカー選手権大会(以下、インカレ)では、セットプレーなどからのゴールにも十分期待が持てる。
また、1年生の大内(食1=常葉学園橘)とは普段から一緒におり特に親好が深い。大内は「2個上の先輩だけどタメみたいに親しくしてくれる」と話し、楠の先輩像が感じられる。そんな二人には試合前には決まって行うことがある。それは現在、海外を中心に広まりつつある“ハンドシェイク”だ。「テンションを上げている」と楠が答えれば、大内も「気持ちが入る」と二人の呼吸はいつもピッタリだ。リーグ戦9節の東国大戦では、楠のアシストから大内がゴール決めるシーンがあった。そこで2人はゴールパフォーマンスとしてハンドシェイクで喜びを表現。今後も2人の連携からゴールが生まれた際には、注目して見てみるのも面白いかもしれない。
この体制では最後の大会となるインカレの初戦は12月27日。「なるべく4年生と長くやりたいという気持ちは強い」。楠は3年間お世話になった4年生たちへの感謝の思いを胸に、全国の舞台で大暴れする。
自身のシュートでチームを優勝へ導けるか
■楠春佳(くすのき・はるか)
160㌢
H9・3・16
出身/千葉U-18
血液型/A型
ポジション/FW、MF
好きなサッカー選手/クリスティアーノ・ロナウド、マルセロ
好きな芸能人/miwa
TEXT/PHOTO=美浪健五